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池澤夏樹「真昼のプリニウス」を読んでの感想

池澤夏樹「真昼のプリニウス」を読みました。その感想です。
最近いろいろなことに惑わされていた僕に、僕の基本「熱くシンプルに」を思い起こしてくれました。
作り物でなく本物を求めよう。
様々に言われる行われる罠にからめとられないようにいよう。
人が考えた嘘や策略にからまれないで自分の本心を見ようと思いました。
そんなことをこの本は僕に思い起こしてくれました。
この本は理科系の文章で書かれていると感じた。
僕はこの本を読んで装飾された飾られた言葉、社会への反発と真の生き方への希望を見ました。そう書くと僕も言葉を飾っていますが。

ちょうど僕が今勉強している火山、マグマのことが火山学者頼子の話で出て来て分かった。理科系の知的好奇心を刺激してもらった。
その話の中で恋人が頼子へ書く手紙に、言葉は誤差が大きいという文章になるほどと思いました。
それでも昔の浅間山の噴火を記載したおばあさんの文章の科学的な描写に素敵だなと思いました。
そして人の思惑に左右されない科学的な話もいいなと思いました。
僕は考え過ぎると上手くいかない。熱くシンプルに動く。
そして頼子が登山しながら思う空気を求める肺や腿の筋肉の感覚がいいなと思いました。
僕も山に登ってみたいな今はルピナスの丘に登るだけだけど。
そして火星に行ってまだ言葉で汚されていない世界を歩いてみたいという言葉に僕は現代の言葉や嘘がまん延している世界への批判を感じました。
最近僕は村上春樹とか文章を練り上げる本をよく読んで来ましたが、真実を見通す言葉を読むのも必要だなと思いました。
僕はそんな新鮮な感覚を久しぶりに持てました。ありがたいです。
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