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北東気流の街に生まれて
ブルース・スプリングスティーン「レッキング・ボール」感想その1 WE TAKE CARE OF OUR OWN
1曲ずつ書いていきます。
今回のアルバムは久しぶりに評判が盛り上がっていると僕は感じています。
この勢いで、もしかしたら国内盤の売上げも良く。
念願の日本公演が実現するかも。
僕はそんな感触があります。
それこそ「BORN IN THE U.S.A.」以来の盛り上がりになりそうな予感を僕はしています。
今日はまずアルバムの冒頭の曲「WE TAKE CARE OF OUR OWN」の感想です。
アルバム発売前に先行シングルとして発表された曲。
この曲をインターネットで聴いて僕はEストリートバンド・サウンド全開のアルバムなのだと予想した。
ところがアルバムにはEストリートバンドメンバーはほとんど参加していないということで戸惑った。
それ以来アルバムの内容が読めなくなった覚えがある。
アルバムを通して聴いてから、この冒頭の曲「WE TAKE CARE OF OUR OWN」の感想は
アルバムの解説にも書いてあったが、
アルバム「Born To Run」の冒頭の曲「Thunder Road」のように
アルバム全体の中のイントロダクション、導入部分になっていると感じる。
「俺達のことを俺達がやる」
スプリングスティーンがコメントしているが、
「Do we take care of our own?」
として疑問を投げかけている曲になっている。
ここでこの「俺達のことを俺達がやる」という問題になっているフレーズに
僕は俺達とはどの人までが俺達なのかというのがとても重要なのではと考えています。
僕は単なる身近な仲間というだけでなくて、
アメリカの約束を信じている人たち、
こころある良心を持っている人たちのことを皆、俺達と呼んでいると思います。
社会的地位、職業、収入も違えば、
また国籍、出身地、
さらには裁判官もいれば犯罪を犯してしまい服役している人も、
みんな含めてアメリカの理想をまだ信じている人たち全てを指しているのだと思うようになりました。
それがアルバムの終わり近くの曲「LAND OF HOPE AND DREAMS」で
理想の地へと向かう列車の乗客全員なのではと思います。
アルバムのそれぞれの曲で歌われる虐げられたこころある人、
みんなこの列車に乗るんだ!
みんなで行くんだプロミスドランドへ。
そうブルースは歌っているのではと僕はこのアルバム全体を予想しています。
つまり『WE』が誰なのかが
このアルバム「レッキング・ボール」のテーマなのではと
1曲目の歌詞、訳詞を読んだ時点での僕の考えです。
あと「WE TAKE CARE OF OUR OWN」では繰り返しのフレーズが多い。
これもスプリングスティーンが意識して繰り返しているのだと思う。
ブルース・スプリングスティーンのコンサートで、
ああもうコンサートが終わってしまうのかとさびしく感じていたら、
またアンコールでブルース達が出てくる。
そして演奏してステージを降りてしまい、ああ終わってしまった。
どうしょうもない現実に戻されそうになっていると、
更にまたブルースが出てきて演奏する。
観客の僕達の方があきれてしまう程のエネルギー。
これを僕はブルース達がアンコールを繰り返すことで、
僕の不安、疑いに覆われていた心を解放してくれるのだと思って、
そしてもう一度信じてみようと思い、
僕はブルースのライブを聴いてきた。
それと同じに、同じフレーズを繰り返すことで徐々にその気になっていくのではと思う。
つまり俺達とは誰のことなのかを考えさせると。
僕は今回のアルバムのレビューを読んでいると、
怒りの部分、全体の中の1パーセントの大金持ち達の事を強調されていると感じるが、
それと同じに、それ以上に仲間の大切さ、
人の持つこころある良心を大切にしようよと訴えているのではと
僕は感じます。
少なくとも僕は今の時点でこのアルバムは怒りのアルバムというより、
人を信じるアルバムになっているのではと感じています。
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