Let It Be 50周年にちなんで、またまたすごい本が出た。
その名も、ゲット・バック・ネイキッド。
以前に出たCDの、Let It Be Nakedをもじった題名だが、本書は、増補版。
原本は、数年前に出ているが、もしかするとまだ書評をアップしていないかもしれないので、また後日アップするが、本書の方が数倍強力になっている。
装飾の部分を廃し、ゲット・バック・セッション中の会話の部分を大幅に強化し。より生のセッションの様子が伝わってくる。
その間のショート解説が、まさに絶妙であり、当時の様子が、実況中継のように、頭に入ってくる。
プロローグや、セッション後の経緯の説明部分にも、新情報が加わっており、まさに世界最高峰の本に仕上がっているのでは、ないか。
まさに、骨太の1冊と言える。
Let It Be が、ロードマネージャーであったMALの一言から作られた経緯や、ポールのロング・ワインディング・ロードへの気持ちの変化も興味深い。
アビーロード後も、ジョンは、ビートルズとしてのアルバム制作を考えていたり、世界ツアーを考えていたという発見も、目からうろこ。
朝日さんこだわりの、ジョージのスリッポンのくだりも、ほんのりしてて楽しい。
確かに音楽的に4人でいっしょにやるのは、煮詰まってきてはいたものの、最終引き金になったのは、ジョンが、思い付き的に、アラン・クラインを採用し、ポール抜きで、全てが進みだしてしまったところにあるという感を強くした。
それが無ければ、ソロと、グループの活動を、並行して続けられたかもしれない。
付録のセッションズリストにも頭が下がる。
有名な海賊版であるApple Tracksも紹介されているが(私も持っている)、その音源についての裏話も興味深い。Let It Be Nakedができたのは、そのテープが、本来の所有者である、EMIの手に戻ったことによるもものらしいということも知った。
我が家にも、Get Back Sessions関連のCDが山ほどあるが、本書片手に聞けば少しは、聞きやすいだろう。
一番古いのは、高校の頃買った海賊版LPだが、これは、たぶん単なる映画の録音だったような気がする。
とにかくピンからキリまでいろんな音源が出回った。
その総ざらい的な本としても貴重。
ビートルズファンであれば、押さえておきたい名著。