酢豚のひとりごと

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『地獄でなぜ悪い』

2013-09-29 10:55:22 | 映画


「地獄でなぜ悪い」   園子温監督

文句なく面白い。久しぶりにすかっとした映画を見た。

やくざの抗争で、切られた首や腕が飛び、画面は全編血だらけと言ってよい。それは実際の抗争であり、また若者たちの撮る映画の一こまでもある。そんな設定が気持ち悪さを全く消してしまう。刀や銃の殺しあいでみんないなくなった後に残るのは、主人公である青年平田鈍(長谷川博己)の、映画への熱い情熱だけ。
見事なラストシーンである。

『セカンドバージン』や『家政婦のミタ』では見せなかった、長谷川博己のはじけっぷりが面白い。
強いのか弱いのかわからない池上組組長役の堤真一、武藤組組長役の國村隼、その妻役の友近など個性的な役者も揃っている。
武藤の娘役二階堂ふみのはつらつさも心地よい。

初日の昼に見に行ったが、じぇじぇじぇ、観客はたった50人いるかいないか。
トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門の観客賞を受賞し、こんなに面白いのに可哀相。

文句なくおすすめです。うじうじと気持ちの晴れない方には、特にお薦め!