曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

キジョランの種について

2016年12月11日 | 日記

今日の花

挿し木で増やした椿が次々と咲き始めました。

 


 アサギマダラの食草で代表的な植物はキジョランです。比較的珍しい植物で野山のどこにでも見られるわけではありませんが、湿気のある谷底や水の流れる沢の傍で程よい光の挿しこむような所に生えています。乾燥する尾根筋や開けた斜面などには生えません。多年生の蔓植物で木や竹に巻き付いて高く登りますが樹を枯らすほど茂ることはありません。古くなると蔓は木質化しますが寿命はそれほど長くないようです。上部が枯れると根元からまた再生することもあります。周防大島では標高200mから400m当たりの谷筋に結構生えていて、高いものは20メートルほどにもなります。谷によっては大きな群落をつくっている所もあります。

今日はキジョランの種を拾いに行ってきました。6月頃から10月頃まで小さな白い花をつけますが晩秋に大きな実が実ります。実はアケビの実のように蔓からぶら下がり熟するとアケビの実のように裂けて中から綿毛の付いた種を風に乗せてとばします。年によって実がたくさんつく年と見のつかない年があります。若い木では花は咲きますがなかなか実がなりません。今年は多少実がなっているようです。今日は時間がなかったので少しだけ種を拾ってきました。

キジョランの種を拾うのは12月半ばから1月の初めごろが良いでしょう。

 


沢にそって生えるキジョラン

 

木質化したキジョランの蔓が杉の木に登っています。

5~6年前までは杉の根元付近にもキジョランが葉をつけていましたが高く伸びすぎてしまいました。

落ち葉を取り除いてみると根元には蔓が地面を這いまわっていてあちこちに根を下ろしています。1本の株が横に何本にも増えてゆきます。地下茎はありません。地下茎のように見えるのは茎です。また場所によっては蔓から下りた根が長く伸びて川の中まで達しているものもあります。キジョランは常に水気のあるところを好みます。

 

下のキジョランは何年か前に一年生の苗を山の中に植えたのですがなかなか成長しません。一時期2mほど伸びていましたがまた1年生の苗のように戻っています。高いところまで這い上がると後は順調に伸びるようです。

 

種を探しましょう

キジョランの種に似ていますがこれはテイカカズラの種です。

平べったい丸い種のついたものがキジョランの種です。

大きさはこのくらいですが山の中で探すときには白い綿毛が目印となり見つけやすいものです。

 

種はキジョランの大きな樹があるところの下を探すのが良いでしょう。濃い緑色をした丸い葉がキジョランです。

丸い小さな穴はアサギマダラの初齢か2齢の幼虫が食べた穴です。

キジョランの葉にアサギマダラの食痕が少ないようです。

見つかりました。キジョランの実です。実は開いて綿毛の付いた種を出しています。

落ちたばかりの種は綿毛がきれいに開いています。

キジョランの花の跡

 

実は高いところにあるので取るのは難しいです。落ちてきた種を拾うほうが楽です。今日は25粒ほど拾いました。

 

キジョランの種

種は乾燥しないようにします。

種を取ってきたら乾燥させないためにも早めに鉢に播いておくとよいでしょう。ただし、芽の出るのは5月です。種の発芽率は大変良いと思います。

種をまいて一年目で本葉が7~8枚にはなりますので、アサギマダラの幼虫1匹は十分に育てることができます。


ガガイモの生えている所も見てきました。

葉はほとんど枯れていてアサギマダラの2齢幼虫が1匹かろうじてついていました。

ガガイモのアサギマダラをキジョランに移そうとしたら驚いたのか糸を出して逃げようとしました。

 


クヌギやコナラが紅葉していました。