これも医療費になるのか。
製薬企業から国公立大学医学部の教授に、講演料などの形で支払われた講師謝金が公開された。
さすがに個人名は明かされていないが、最多は2,298万円で、154回もの講演があったそうだ。
これは業界団体の「日本製薬工業会」に加盟する71社の公開分である。
私も年間に150回ほどのセミナーや研修を担当するが、常にジプシーのように各地を動き回っている。
大学の教授には移動はないのだろうか。
研究する暇がない。
しかも私の場合は2,298万円にはほど遠い。
意外に安価での提供となっている。
迷わず依頼できる料金設定となっている”お値段、異常“である。
記事によると一般的に国公立大学の教授の給与は年1,000万円程度だそうだ。
それもにわかに信じがたい。
世間ではもっともらっているように思う。
今回は国公立大学の教授と准教授合わせて15人が1,000万円をこえてもらっていたそうだ。
そもそも国公立大学の教授といえども公務員ではないのか。
もしそうならアルバイトは禁止では…?
そして、ここにも医療費が流れている。
先ほどの2,298万円は佐賀大学の教授のようだ。
その他にも香川大学が2,140万円、徳島大学が1,675万円、岡山大学が1,562万円、群馬大学が1,536万円と謝礼が支払われているようだ。
これだけ謝礼があると…どうなるのだろうか。
私は義理堅いので恩義に感じてしまう。
まさかデータの…はありえないと思う。
これで驚いてはいけない。
上記は国公立大学の場合で、私立も合わせると、文部科学省が大学の勤務医を対象にした調査で、製薬会社から1,500万円超の報酬を得た医師が29人もいたそうだ。
こちらは昨年の11月6日の衆議院厚生労働委員会に提出された資料からである。
中でもトップは川崎医科大学の特任教授で2,899万円になる。
無駄とは言わないが、これが薬価引き下げのきっかけになるかもしれない。
同じようなことが「奨学寄附金」という形でも行われている。
ある製薬企業は医療機関への直接支払いを廃止し「日本医療研究機構(AMED)」に寄付し、第三者からの配分に切り替えるそうだ。
ちなみに、その会社の18年度の実績は1,594件9億88百万円だそうだ。
これはあくまでも1企業のことである。
今のところほかの企業は今年度も個別対応をするとのこと。
国の医療制度が崩壊し始めている。
GNP(国民総生産)が高かった時代の延長線で来ているような気がする。
そして一度甘い汁を吸うと薄味にも苦い味にも拒否が生じる。
無理を承知で甘い汁を出し続けなければ反乱が起こる。
そろそろごまかしがきかない。
次に控える分はなくなっている。