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忘れ物

 夏休みが終わって、1週間が過ぎた。終わったばかりの頃は、夏期講習が無事終了した安堵感でどっと疲れが出たが、ここ数日は涼しくなった影響もあってか、ずいぶん体が楽になった。振り返れば暑くて長い夏休みだったが、それなりの達成感はあった。しかし大事なのはこれからだ。毎年受験生たちには、「夏休みにがんばって植えた勉強の苗を一生懸命育てていくのが2学期なんだから、決して気を抜かずにいっそう努力するように」と口を酸っぱくして言い聞かせている。大きな実がなるもならないも、2学期のがんばり次第であるから。
 一番身近な受験生であるわが息子は、夏休み中、思わず「大丈夫か?」と声をかけたくなるくらい勉強していた。朝早くから出かけていって、夜遅くまで、色んなところで勉強していたようだ。果たしてどれだけの力がついただろう、少しばかり疑問が残るが、自分で考えその計画通りに夏を乗り切った努力は素直に認めてやらなければならない。私は、あれこれ指図せずに息子の自主性に任せてみたのだが、結果はどうあれ、これからの人生に大きな礎石を築き上げたような気がしている。     
    
    「忘れ物」  高田敏子
  
  入道雲にのって
  夏休みはいってしまった
  「サヨナラ」のかわりに
  素晴らしい夕立をふりまいて

  けさ 空はまっさお
  木々の葉の一枚一枚が
  あたらしい光とあいさつをかわしている
  
  だがキミ! 夏休みよ
  もう一度 もどってこないかな
  忘れものをとりにさ
  
  迷い子のセミ
  さびしそうな麦わら帽子
  それから ぼくの耳に
  くっついて離れない波の音
  
 
 受験生にとっては、忘れ物だらけの夏だったことだろう。常に受験のことが頭にあっては、心から楽しめなかっただろうし、もうあんなに勉強しなけりゃいけない夏など帰ってこなくていいと思っているかもしれない。でも、この苦しみがあるからこそ、冬を超えた先に春が待っているのだと言いたい。
 そうだ、本当にそうだ。私にとっては、夏が終わった今やっと遅い春がやってきたような気がするし、忘れ物が戻ってきたような気もする。松井秀喜が左手首を骨折して以来、118日ぶりに実戦に復帰したのだ。2Aの試合に、「4番DH」で先発出場し、3打数1安打(1打点)1四球という結果を残した。まだ結果を云々する段階ではないのかもしれないが、バットを思い切り振ってボールを飛ばすことができ、手首に異常がなかったことが何よりもうれしい。本当に、ずいぶん前に忘れていたものがやっと戻ってきたという感じだ。映像を見てしみじみそう思った。
 松井の怪我以来、ほとんどメジャーリーグの話題から遠ざかっていた私は、ここ数日中継されるようになったヤンキースの試合を観戦して、チームの現状を把握しようとしている。それで分かったことは、ヤンキースは強い!ということだ。はっきり言って松井がいなくても何の心配もない。でも、私にとっては松井のいないヤンキースは、見ていて面白くない。ドキドキ・わくわくしない。私は松井が見たいのだ。
 やっと松井が帰ってきた。このままいけば現地時間の12日にメジャー復帰する予定だ。そのときこそが完全復活の時だ。がんばれ松井!!
                                  
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