議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

積替え保管だけの許可

2007年09月20日 05時11分34秒 | コンサル日誌
運搬をしない積替え保管業についての通知を2種類紹介しています。

昭和50年9月26日 環整85号

⇒「保管・積替えの場合は、許可が必要」という内容

平成5年3月31日 衛産36
⇒「保管の場合は、許可を出せない」という内容

 積替え保管の許可は収集運搬業の許可の一部として出されるもので、通常は運搬の許可と一緒にとることになります。ところが、この2つの通知を総合して考えると、以下のように考えられます。

 「収集・運搬業を伴わない保管・積換えのみを行う場合については、許可を出すことができるが、保管だけの場合は許可を出せない。」

 例えば手分別だけを行うような場合には、積替え保管だけの許可を受ければよく、わざわざ運搬をしなくてもよいことになります。保管だけの場合に許可が出せないのはなぜなのか分かりません。まさか、許可は不要だから好きにやっていい、ということではないと思いますが。

■手分別は中間処理に
 個人的には、手分別も中間処理という位置づけにしたほうがよいと思います。機械を使わないと中間処理にならない(と一般的に言われています)というのはおかしいです。趣旨としてはどちらも中間処理としたほうが適切でしょう。
 契約やマニフェストの運用上を考えても、そのほうが合理的です。例えば積み替え保管後の廃棄物の行き先が3箇所になる場合、排出者からはマニフェストを3枚交付しなければならないのです。これが中間処理の場合は1枚でいいのです。排出事業者は、積替え保管後の収集運搬、処分業者との契約も必要です。これも中間処理であれば不要です。

 分ければ資源、という考え方を広げるのであれば、手選別を中間処理とし、管理コストを軽減すべきと思うのですが、いかがでしょうか。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同感です (まりも)
2007-09-20 12:52:10
まさに同感です。「手」だろうと「機械」であろうと、廃棄物を分別、選別する行為は中間処理にするべきです。
行政によっては選別は出すが積保は出さない、逆に積保は出すが、選別は出さない、というところがあります。しかし、作業の内容はほぼイコールです。(建廃は特に)
行政職員の方は「現場で何が行われているか」をもっと合理的に理解するべきだと感じています。
次世代のビジネスと脚光を浴びている(かも知れない)産廃ビジネスの根幹を成す法体系、運用体系が実は子供のママゴト以下の運用しか出来ていない気がするのは自分だけでしょうか?
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ご無沙汰してます。 (捲土重来)
2007-09-21 09:24:20
積み替え保管の考え方ですが、形状を変えないのが原則であったかと。
 従って、保管のみの許可がでないは廃棄物処理法では、もともと排出事業者みずからが処理をすることとなっていますので業として保管行為をすることはおかしくなるのでないでしょうか!言うなれば、排出事業者が自ら保管をすればよいかと!

ちなみに、「まりも」様の言うとおり手選別にまさる分別なしと!おっしゃるとおりかと。
しかし、性善説でいうとそうでしょうが、今の法体系を考えている人は、「性悪説」で考えていますので子供のママゴト以下の運用!考えしかできなのでは.....

本当の意味のリサイクルや再利用をすべきですね!
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