議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

今年何に注目されますか?

2013年01月07日 12時12分12秒 | コンサル日誌
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皆様、新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、2013年の廃棄物業界の動向、何に注目されていますか?

私は、小型家電でもなく、政権交代の影響でもなく、委託基準における
「適正処理に必要な情報」=WDSの扱いに注目しています。

結局、実務上最も影響が大きいのはこれでしょう。すべての契約書の
修正が必要になるかもしれないのですから。

■施行規則が改正か?
ということで、以前にも紹介しましたが、検討会の中間取りまとめが
こちらです。

利根川水系における取水障害に関する今後の措置に係る検討会
 中間取りまとめ

 

ここで、こんなことが言われています。

 ***********
 WDS ガイドラインの法的位置づけについて整理し、廃棄物処理法施行
 令及び施行規則で規定される委託基準等の改正の必要性について検討
 すべきである。
 ***********

願わくば「~である場合は、その旨記載すべし」という改正なって
欲しいものです。そうすれば、全ての契約書を修正する必要はあり
ませんから。


■DOWAハイテックの民事責任

関連して、DOWAハイテックに対して損害賠償の支払い交渉中だった
1都4県を含む合計12もの水道事業体が、結局合意に至らなかったため、
正式な文書による損害賠償請求を行ったようです。

支払期限が1月18日ということなので、これまでに払われなければ
訴訟手続きに入るのでしょう。請求総額は約 2.9 億円だそうです。

□代表して、東京都のウェブサイト

DOWAホールディングスのウェブサイト

これの行方も、排出事業者責任のあり方について考える上で注目です。
DOWAもおとなしく払っておけばよいと思うのですが、白黒はっきり
つけてもらって、他山の石としましょう。


■ちなみに、小型家電については、パブコメ募集中です。

どうやら、企業が排出する場合=産業廃棄物になる場合は、委託基準
(=契約書作成)とマニフェスト運用は、やはり外さない方針のようです。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16138

産業廃棄物になる分については、あまりやる気がないのかもしれませんね。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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下記のとおり、不法投棄等の状況が発表されました。

不法投棄の件数などが減っていると紹介されており、改善傾向にある
と読めますが、裏を返せば23年度も新たな不法投棄があったという
ことです。
撤去が追いついていないため、残存不法投棄の総量は増えていますので、
その点から見ると状況は悪化しているというべきでしょう。

ま、生活環境の保全上支障が生じていない不法投棄は撤去しない
のですから、今後も残存量が増えることはあっても、減ることはない
んですけどね。

産業廃棄物の不法投棄等の状況(平成23年度)について

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