議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

廃棄物処理法第2条第2項第3項

2008年02月20日 07時54分46秒 | 廃棄物議
今日は第2条第2項と第3項。ここは物議を醸し出すというより、再確認ですね。

***************************************************
第2条 (定義)
2  この法律において「一般廃棄物」とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう。
3  この法律において「特別管理一般廃棄物」とは、一般廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。

*第1項、第4項~第6項は省略
***************************************************

■第2項:一般廃棄物について

ここは読んで字のごとく。でも、時々聞くのがこんな会話です。
「これは一般廃棄物(=生活ごみの意)ではないから産業廃棄物ですよね」
一般廃棄物=生活ごみと捉えていることも適切でないのですが、それよりも、考え方の順番が逆ですよね。正しくは「産業廃棄物ではないから一般廃棄物である」です。

■第3項:特別管理一般廃棄物について

【1】まずは分解。

  ①「特別管理一般廃棄物」とは、
  ②一般廃棄物のうち、
  ③爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するもの
  ④(③のものとして)政令で定めるもの

  枝葉を削ぎ落とせば、①→②→③ の読み方でOKです。

【2】③の読み方・・・ また、「その他の」が出てきました。前回の解説を参考にしてください。

【3】③と④の関係

 ③のような性質をもつたくさんの集合体の中から、④で指定された物のみが特別一般廃棄物になるわけです。爆発性があるものは全てとか健康被害を生ずるおそれがあれば全て特別管理一般廃棄物になるわけではありません。

 ///チビローの頭の中///
   ぼや~っと一般廃棄物の塊があります。
   その中から、③の性質を有する塊が少し濃い色で浮き上がります。
   さらにその中から④の物が赤く光っています。これが特別管理一般廃棄物で、それ以外は全て一般廃棄物。


■いよいよ「政令」に飛びます。各号で指定されている廃棄物を検討する前にも障害が・・・。
***************************************************
施行令第1条 (特別管理一般廃棄物)

廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (以下「法」という。)第2条第3項 (ダイオキシン類対策特別措置法 (平成11年法律第105号)第24条第2項 の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の政令で定める一般廃棄物は、次のとおりとする。

第1号~第8号 (省略)
***************************************************

【1】おなじみの分解。法律名は略称を使います。

  [主語] 政令で定める一般廃棄物(=特別管理一般廃棄物)は、

       →どこに記載されている「政令で定める一般廃棄物」かというと、次の2つ。
         ①廃棄物処理法 第2条第3項
         ②ダイオキシン特措法 第24条第2項 の規定により読み替えて適用する場合

  [述語] 次のとおりとする。

       ⇒第1号~第8号に『限定列挙』されたもの。


【2】②の場合を詳述すると
*****************************************************
(ダイオキシン特措法 第24条第2項)
廃棄物焼却炉である特定施設から排出される当該特定施設の集じん機によって集められたばいじん及び焼却灰その他の燃え殻については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (昭和45年法律第137号)第2条第3項 中「爆発性」とあるのは「廃棄物の焼却施設に係る燃え殻その他の爆発性」と、同条第5項 中「爆発性」とあるのは「廃棄物の焼却施設に係る集じん機によつて集められたばいじん及び燃え殻その他の爆発性」と、同法第6条の2第3項 中「基準は」とあるのは「基準は、ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)第24条第1項に定めるもののほか」と、同法第12条の2第1項中「政令」とあるのは「ダイオキシン類対策特別措置法第24条第1項に定めるもののほか、政令」と読み替えて、同法の規定を適用する。
*****************************************************
⇒こういう条文の第一印象は、いつも「・・・(思考停止)。」となってしまいます。
 こんなときこそ、頑張って"分解"しながら枝葉を切ります。

  ①特定施設の集じん機によって集められた燃え殻
    ※この場合の特定施設は「廃棄物焼却炉」
    ※燃え殻には、ばいじん、焼却灰が含まれる。
  ②廃棄物処理法の文言を読み替えて、同法の規定を適用する。
    (第2条第3項)「爆発性」→「廃棄物の焼却施設に係る燃え殻その他の爆発性」
    (第2条第5項)省略
    (第6条の2第3項)省略
    (第12条の2第1項)省略

■いよいよ各号に突入!

  →長くなりますので、次回に続きます。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 最終処分場跡地の利用 | トップ | 思考するカンパニー »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

廃棄物議」カテゴリの最新記事