セミナーの講師をしていると、受講者の方からの質問に答えているうちに、新しい発見をすることがあります。先日のセミナーでも、「そういえば!!」という気づきがありました。
まず、専ら物について整理しておきます。
◆専ら物の特例措置→許可不要+マニフェスト不要
①許可が不要
廃棄物処理法第7条と第14条に一般廃棄物処理業と産業廃棄物処理業の規定がありますが、それぞれについて専ら物の規定があります。例えば産業廃棄物の収集運搬業では、法第14条第1項で以下(抜粋)のように許可を受ける必要がないとされています。
「産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。」
②マニフェストが不要
同様に、産業廃棄物収集運搬業、処分業についてマニフェストの交付が不要なものとして、規則第8条の19第3号で以下のように挙げられています。
・マニフェストの交付が不要なもの
「専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集若しくは運搬又は処分を業として行う者に当該産業廃棄物のみの運搬又は処分を委託する場合」
実は専ら物については、これらの①許可不要、②マニフェスト不要である以外の特例措置はありません。
つまり、委託基準や処理基準の適用除外はないということになります。
※契約書は必要
委託基準の適用除外がないということは、許可は不要であっても、書面による契約は必要ということになります。
■□セミナーでのやり取り□■
受講者A
「専ら物は、マニフェストはいらないんですか?」
私
規則第8条の19を読み上げ、「不要です」と説明します。
受講者B
「では、処理が終わったということを確認するためにはどうしたらよいのですか?」
私の回答案
「マニフェストが不要だから、法律上は処理が終わったことを確認する義務はありません。つまり法律では特に定めはありませんので、どのような方法でもかまいません。マニフェストで代用したり、独自のリサイクル報告書を出してくれるところもあります。」
回答案をチェックするもう一人の私
「ちょっと待てよ・・・何か忘れていないか」
■□何を忘れていたのでしょうか・・・□■
皆さん、下の答えを読む前に少し考えてください。上の私の回答案には、問題があります。
・・・ヒント・・・・・・・・・・・・・
契約書の法定記載事項
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【答え】
以下の処理委託契約書の法定記載事項を見てください。
***************
(委託契約に含まれるべき事項)
施行規則第八条の四の二
一~六省略
七 受託業務終了時の受託者の委託者への報告に関する事項
***************
処理委託契約書の中に、業務終了報告の方法を記載しなくてはなりません。つまり、専ら物であっても処理が終了したことを何らかの方法で報告してもらう必要があるのです(書面契約が必要な産業廃棄物の場合のみ)。
当然、収集運搬も処分も両方です。
専ら物であっても、マニフェストを運用するケースが少なくないため、特にこのことは意識していませんでした。
皆さん、認識されていましたか?
結局は、「専ら物であっても契約とマニフェストは必要である」というルールで運用しておいたほうが、実務上の混乱を防ぐことができるのでよいのかもしれません。
みなさんの会社の廃棄物管理規定では、専ら物の扱いはどのようになっていますか。もしよい取り組みがありましたら、ぜひコメントをください。よろしくお願いします。
まず、専ら物について整理しておきます。
◆専ら物の特例措置→許可不要+マニフェスト不要
①許可が不要
廃棄物処理法第7条と第14条に一般廃棄物処理業と産業廃棄物処理業の規定がありますが、それぞれについて専ら物の規定があります。例えば産業廃棄物の収集運搬業では、法第14条第1項で以下(抜粋)のように許可を受ける必要がないとされています。
「産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。」
②マニフェストが不要
同様に、産業廃棄物収集運搬業、処分業についてマニフェストの交付が不要なものとして、規則第8条の19第3号で以下のように挙げられています。
・マニフェストの交付が不要なもの
「専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集若しくは運搬又は処分を業として行う者に当該産業廃棄物のみの運搬又は処分を委託する場合」
実は専ら物については、これらの①許可不要、②マニフェスト不要である以外の特例措置はありません。
つまり、委託基準や処理基準の適用除外はないということになります。
※契約書は必要
委託基準の適用除外がないということは、許可は不要であっても、書面による契約は必要ということになります。
■□セミナーでのやり取り□■
受講者A
「専ら物は、マニフェストはいらないんですか?」
私
規則第8条の19を読み上げ、「不要です」と説明します。
受講者B
「では、処理が終わったということを確認するためにはどうしたらよいのですか?」
私の回答案
「マニフェストが不要だから、法律上は処理が終わったことを確認する義務はありません。つまり法律では特に定めはありませんので、どのような方法でもかまいません。マニフェストで代用したり、独自のリサイクル報告書を出してくれるところもあります。」
回答案をチェックするもう一人の私
「ちょっと待てよ・・・何か忘れていないか」
■□何を忘れていたのでしょうか・・・□■
皆さん、下の答えを読む前に少し考えてください。上の私の回答案には、問題があります。
・・・ヒント・・・・・・・・・・・・・
契約書の法定記載事項
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【答え】
以下の処理委託契約書の法定記載事項を見てください。
***************
(委託契約に含まれるべき事項)
施行規則第八条の四の二
一~六省略
七 受託業務終了時の受託者の委託者への報告に関する事項
***************
処理委託契約書の中に、業務終了報告の方法を記載しなくてはなりません。つまり、専ら物であっても処理が終了したことを何らかの方法で報告してもらう必要があるのです(書面契約が必要な産業廃棄物の場合のみ)。
当然、収集運搬も処分も両方です。
専ら物であっても、マニフェストを運用するケースが少なくないため、特にこのことは意識していませんでした。
皆さん、認識されていましたか?
結局は、「専ら物であっても契約とマニフェストは必要である」というルールで運用しておいたほうが、実務上の混乱を防ぐことができるのでよいのかもしれません。
みなさんの会社の廃棄物管理規定では、専ら物の扱いはどのようになっていますか。もしよい取り組みがありましたら、ぜひコメントをください。よろしくお願いします。
そもそも一般廃棄物ですので、専ら物であっても、そうでなくても、廃棄物処理法で定める契約書の作成は不要です。
注意すべき点としては、本当にその業者が専ら物を取り扱う業者と言っていいのか、という点でしょうか。例えば、古紙に廃プラが混ざっている場合に、専ら物として扱ってよいかどうかについては、疑問があります。「多少」であれば、問題とされないことはあるでしょうが、ちょっとやりすぎと思えるケースもよく見受けます。
返信遅くなり申し訳ありません。
一般廃棄物の再委託はご存知の通り例外なく禁止されています。
しかし、専ら物の業者は、一般廃棄物処理業の許可が不要です。再委託禁止の規定は、一般廃棄物処理業にしか適用されませんので、再委託は問題ありません。
なお、一般廃棄物は書面契約がされていないため、それが再委託なのか、積替え保管なのか、単なる商社窓口なのか不明確だと思います。
市町村が間に入るのであればともかく、そうでない場合はそれほど気にするような状況には陥らないと思うのですが、いかがでしょうか。