JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

Radix AY-503HBを組み立てる

2007-10-11 | インポート

先日ハムフェアで購入した50MHz用3エレHB9CVのRadix「AY-503HB」を購入し組み立ててみました。


 


今まで50MHzの移動には2エレHB9CV(コメットCA-52HB)を使っていました。これは軽量でそこそこ飛ぶ使い勝手のいいアンテナなのですが、高砂や小野など京阪神から距離のある東播地区や標高の低い山での移動ではゲインが不足気味です。そこで、もう一段飛びのいいアンテナを探すとにしました。


 


移動で人気なのがコメットの4エレHB9CV(CA-52HB4)です。私も持っていますがこれは確かに飛びます。高性能な半面、ブームを2本継ぎにしているため1本当たり1.6mの長さになり担ぎ上げや飛行機での輸送に支障があります。中には3本継ぎのブームを自作して使っておられる方もいるそうです。しかし、よしんばブームを改造してもエレメントをタッピングネジで固定するなど細かいところで移動向きではない感じがします。



コンパクトで2エレより飛ぶアンテナはないか…と探してたどり着いたのがRadix社の3エレHB9CVです。Radix社は千葉県のメーカーで社長もハムだそうです。移動運用で使えるユニークなアンテナを作っていることで知られます。


 


このアンテナはRadix社の通常ブランドとは別の「Antex」というブランドで販売されており、同社の通販ページでしか製品が紹介されていないアンテナです。製品紹介はこちら。ブーム長が2m、2本継ぎですからブーム1本当たりの長さは1mです。これなら移動用のポール(1.2m)より短くて今までと同じように飛行機で輸送ができます。ゲインは約8.5dBiで2エレより2dBほど高いようです。


 


お値段はやや高く(定価17,800円)、性能的に中途半端な感じもするかも知れませんが、私のように担ぎ上げや飛行機での輸送に合う軽量・コンパクトでそこそこの性能を持ったアンテナはそうそうありません。



重量は1.9kg。2エレが0.9kgですから倍以上ですが、144MHzのアンテナ(0.5kg)とあわせても担ぎ上げのできる範囲です。ただ、同社のアンテナを使うのが初めてですので、組み立て方(特にフェーズライン部分)などをハムフェアのRadixブースで社長さんに聞いて確かめてから購入しました。しかも有り難いことにHPでの価格より安く買えました。


 






最初の組み立ては時間がかかるということでしたので、暇な日に近所の河原で組み立ててみることにしました。部品を出してみたところ、移動用のアンテナですので割と華奢な感じがします。



ブームには各エレメントに対応した穴あけとかはされておらず、自分で寸法図通りブラケットの位置を決めてやってUボルトで固定してやる必要があります。こうすることでブームの穴あけ加工が不要となり、パーツを共通化できます。このあたりでコストダウンと部品在庫の削減をやっているのでしょう。各エレメントが同一平面に来るよう位置決めをするのが結構手間がかかります。6エレとかでは大変でしょうね。


 




特徴的なのがこのエレメントの接合部です。この穴にエレメントを突っ込んで蝶ネジで締めれば完了です。同社ではこの構造のアンテナが多いようですが割と良く考えられています。


エレメントブラケットの組み立てなどがあるためスタートから1時間半ほどかかりましたが、ようやく完成です。いつもの伸縮ポールにセットし、実際の使用状態にしてSWR計で測定してみました。50.2MHzで針が動かず(ほぼ1.0)良好です。SSBで使う範囲では1.1前後のようですからちゃんとマッチングが取れています。追加の調整は何も要らないですね。


 






SWRが良くても飛ぶかどうかは別なのでバンドをワッチしてみると兵庫県朝来市移動の局がいました。ビームを振ってみるとぐっとSが上がります。2エレに比べてサイドの切れがかなりいいようです。呼んでみるとレポート59-57とのことでQSOが成立しました。標高の低い河原&調整用で2.5W出力ですから、まぁまぁの成績でしょう。飛んでくれたので完成です。


 


撤収時はエレメントをブラケットから外すだけになるので10分でできます。エレメントとブラケットは蝶ネジで固定しており簡単に着脱できます(フェーズライン部も同様でユニットごと外せる)。2度目以降の組み立てもこの着脱とエレメントの穴突っ込みで終わりですのでドライバーは不要ですし10分ほどで組み立てできるようです。簡単に組み立てられることができればそれだけ運用時間を長く取れますからFBですね。以前の2エレの時と同様エレメントにビニルテープで目印を付けて組み立て時に分かりやすくしています。


 


実戦投入は先日の式根島で行いました。約100mの標高でしたがFT-817で栃木県の那須(約300km)まで飛んでくれています。



[長所]
・2エレに比べると明らかに飛びが良好(GW)。
・全長1mなので航空機での持ち運びも簡単。
・組み立てや分解を簡単にする工夫がされており、時間が節約できる。
・3エレなのでフロントはブロードな一方、サイドはかなり切れる。
・比較的軽量で他のアンテナと一緒に担ぎ上げできる。


[短所]
・価格はコメットの4エレより高い。かたや普及品、かたや少量生産品の差?
・風の影響を受けやすい。強風時はやめた方が得策。
・初回の組み立てだけは手間がかかる。
・強度上固定用には向かない。
・重量が1.9kgあるのでポールや固定場所は2エレよりしっかりしたものが必要。



移動やコンテスト時などの仮設専用と割り切って使うならいいと思います。今までの2エレと比べると風の影響も大きくなりますから、それなりのスペースを確保できポールをきちんと固定できる場所での使用に限定されそうです。Es狙いや狭い山頂などは従来の2エレにして使い分けることになりそうです。



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