FT-817の標準マイクはMH-31です。
夏に武田尾温泉移動で使っていたら突然マイクが断線してしまい使用不能になってしまいました。
HM-31はダイナミックマイクを使用しています。ダイナミックマイクはマイクの振動板が音圧を感じると磁石で磁界を与えられた環境にある内部のコイルが動き、起電力を生じます。コイルに交流をかけると振動板が振動するダイナミックスピーカーとちょうど逆の原理です。どうやらこの内部コイルが断線してしまったようです。
マイク自体は買って数ヶ月でしたのでまだ外回りやUP/DOWNなどのスイッチは痛んでいません。もったいないためマイクを再生することにしました。
日本橋のデジットに行くとダイナミックマイクのユニットを売っています。お値段は数百円くらいで部品としてみるなら結構な値段です。ところがお隣に置いてあるECMは1個50円。こちらは格安です。
元々八重洲でもFMのハンディ機なんかはECMを使っています。もちろんSSBでもECMが使えますし、周辺部品を買ってもダイナミックマイクよりはるかに安いので今回はECMに載せ替えてみます。
ECMは振動板がコンデンサの電極になっており音圧が加わると振動でコンデンサの電極が動きます。これにより静電容量が変わりますので、この変化を交流信号として取り出す原理です。ダイナミックマイクに比べ小型軽量化が可能です。
今回は2線式のECMと3.3kΩの抵抗1個、10μFの電解コンデンサ1個で組みます。全部足しても100円しません。ダイナミックマイクの何分の一かのお値段になります。
まずは壊れたマイクを分解です。モジュラーケーブルを外して単体にし、裏のネジ3つを外します。
さらに中のネジを3つ外したらこう分解できます。ちなみに左端が裏側のケースになりますが、おもりが取り付けられています。少しでも軽くしたいので外したいんですがネジのゆるみ止めがべったり塗られており外せず断念しました。
基板部からマイクを外し、基板に組んだマイクユニットに交換します。ECMの動作に必要な電源として+5Vが本体から来ていますのでこれを利用します。
ECMは中央の黒い部品です。オリジナルのダイナミックマイクユニットからすれば随分小さいことが分かると思います。
元に戻し、SSBモードで送信してみます。POメーターが喋った通り振れていますので動いていそうな感じです。最終的にQSOで使ってみて確認しました。
このテストが延び延びになり、ようやく11/25に実現しました。430MHzのFMでレポートしていただいたところはっきり聞こえるとのこと。特に低音が強調されるそうです。変調はオリジナルより少し深いそうで、3.3kΩを4.7kΩに取り替えてもいいのかも知れませんがこれでしばらく様子を見てみたいと思います。
マイク内のおもりを取り外せなかったため劇的な軽量化にはならなかったものの、使い勝手は全く一緒ですしECM化したことで少し軽くなりました。ARRL10mあたりで使ってみるのも面白いかも知れませんね。
私も同じ現象になっています。
詳細内容を教えていただけませんか?
改造したいと思います。
メールは、JARLCOMでokです。
舟木
本件メールにてお送りします。よろしくお願いします。
このマイクの記事参考にさせていただきました。私の場合はFT-690Ⅱですが、昔の製品は隙間が多いので作業が楽でした。
参考に690Ⅱの場合でもバイアス抵抗3.3kΩは大きいようです。
また繋がりましたらよろしくお願いします。
日本橋でECMを買うとかなり安く手に入りますので壊れたマイクの再生にはもってこいだと思います。FBDXを。