関東UHFコンテストへの参加を断念したため御朱印巡りで東急世田谷線沿線を回ってみます。
23区で最も人口が多い世田谷区は人口92万人。戦国時代に世田谷城があり、いっぱしの城下町でした。城主の吉良氏が整備した寺社仏閣が今もいくつか残っています。江戸時代は彦根井伊家の飛び地領となり世田谷には代官所が置かれ大場家が代々その役に就いていました。
世田谷線は1925年に開業した三軒茶屋-下高井戸間5.0kmの路線で、元は玉川電気鉄道の路線でしたが戦前東急に吸収されています。道路上を走る区間はないものの路面電車の法令で敷設されているため最高時速は40km/hに制限されています。もっとも駅と駅の間隔は短く、一番長い区間でも800mしかないのでスピードを出せないでしょうね。電車の床面とホームの高さが合わせてあり、停留所もスロープが設置されているなどバリアフリー化され利用しやすくなっています。
今回は世田谷線を乗り降りしながら駅から徒歩数分以内の神社や寺院を回ってゆきたいと思います。
三軒茶屋へは渋谷駅から田園都市線が便利です。以前は渋谷-二子玉川間は新玉川線で田園都市線は二子玉川以遠だけでした。これは世田谷線と同じく玉川電気鉄道が開業させた玉川線を近代化・地下化した路線だったことに由来します(世田谷線は玉川線の支線)。現在は新玉川線だった区間も含めて田園都市線になっています。
JR渋谷駅に「玉川口」という改札口がありますが、これはかつて玉川線への乗り換えができる改札口だった名残だそうです。
三軒茶屋に到着。
世田谷線に乗る前にすぐ近くの教学院へ。江戸を守るための五色不動の一つ・目青不動のお寺として知られています。五色不動は白・黒・赤・青・黄の五色で、このうち目黒と目白は山手線の駅名ともなっています。ちなみに目赤不動は本駒込、目黄不動は三ノ輪と江戸川区平井の2カ寺にあります。
教学院は1311年に開山した天台宗の寺院で、江戸時代は青山にあったようです。明治時代には廃寺になった麻布の正善寺から目青不動を引き継ぎ、さらに三軒茶屋に移転しています。
目青不動はこの不動堂にいますが秘仏とのこと。御朱印は庫裏でと掲示があるので古い民家のような庫裏のブザーを押すと対応して頂けました。
では世田谷線に乗りましょう。どこまで乗っても1回150円(ICは144円)ですが、1日乗車券があり330円で乗り放題になります。三軒茶屋の駅員に申し出ると買えます。
世田谷線の電車は2両で、先頭(うしろの車両だと最後尾)のドアから車内に入り、運賃を払う形です。ちょうど前乗り・中降りの都バスを背中合わせでくっつけたようなシステムです。
すぐ次の西太子堂で下車します。北に行くと太子堂八幡神社があります。平安時代以前から鎮座していたと考えられており、その後安土桃山時代に八幡神社となり、1937年に造営された社殿が空襲を免れて現存しています。
ウサギが飼われているなどのんびりした感じのする住宅街の神社です。
太子堂八幡は手作りの御朱印が3種類あります。季節で意匠を変えているようで、お参りの人が途絶えない神社でした。
西太子堂駅に戻り、松陰神社前で下車です。名前の通り吉田松陰を祀る松陰神社があります。商店街を抜けた先です。
何とも近代的な神社です。
松陰神社は幕末の思想家吉田松陰が祭神で、安政の大獄で刑死した松陰の墓を長州藩の別邸があったこの地に置き、1882年に創建された神社です。
ちなみに山口の萩にも松陰神社があり、あちらには松下村塾の建物が残されていますが、世田谷の松陰神社にもレプリカながら松下村塾があります。
松陰神社前からお隣の世田谷駅へ。駅近くに円光院があります。
真言宗豊山派のお寺で、16世紀に世田谷城主吉良頼康が菩提寺として創建、その後荒廃するものの1983年に再興されています。境内は手入れされており明るい感じがします。
円光院は玉川八十八カ所(川崎市・世田谷区など多摩川に近い寺院の霊場巡り)の霊場になっているので御朱印が頂けます。
円光院の隣にある大吉寺も御朱印が頂けるようですが、当日は葬儀があるようなので遠慮しておきました。
この世田谷駅からお隣の上町駅あたりまでの界隈では毎年1月と12月に2日ずつ(曜日にかかわらず15・16日)「ボロ市」が開かれます。時代により農機具・ボロ布など扱う品が変わり現在は骨董や手作り雑貨が中心で都内屈指のノミの市となっています。
最近はボロ市見物の団体ツアーもあるようで名物の「代官餅」は買うのに1時間半待ちになるほか、商品を見ようにも人混みが激しくてままならないなど大変な混雑になるそうです。ボロ市の年4日間のためだけに沿道にお店を借りているという人もいるそうで(年361日は休業)、いかにボロ市が賑わうか分かりますよね。
今回はここまで。後半は②でご紹介します。
ここまでの御朱印情報です(御朱印料は特記ない限り300円)。
教学院 1種を庫裏で授与。直書き。オリジナル御朱印帳あり。
太子堂八幡 3種を授与所で授与。直書き。オリジナル御朱印帳あり。
松陰神社 1種を授与所で授与。直書きで500円。オリジナル御朱印帳あり。
円光院 1種を庫裏で授与。直書き。
23区で最も人口が多い世田谷区は人口92万人。戦国時代に世田谷城があり、いっぱしの城下町でした。城主の吉良氏が整備した寺社仏閣が今もいくつか残っています。江戸時代は彦根井伊家の飛び地領となり世田谷には代官所が置かれ大場家が代々その役に就いていました。
世田谷線は1925年に開業した三軒茶屋-下高井戸間5.0kmの路線で、元は玉川電気鉄道の路線でしたが戦前東急に吸収されています。道路上を走る区間はないものの路面電車の法令で敷設されているため最高時速は40km/hに制限されています。もっとも駅と駅の間隔は短く、一番長い区間でも800mしかないのでスピードを出せないでしょうね。電車の床面とホームの高さが合わせてあり、停留所もスロープが設置されているなどバリアフリー化され利用しやすくなっています。
今回は世田谷線を乗り降りしながら駅から徒歩数分以内の神社や寺院を回ってゆきたいと思います。
三軒茶屋へは渋谷駅から田園都市線が便利です。以前は渋谷-二子玉川間は新玉川線で田園都市線は二子玉川以遠だけでした。これは世田谷線と同じく玉川電気鉄道が開業させた玉川線を近代化・地下化した路線だったことに由来します(世田谷線は玉川線の支線)。現在は新玉川線だった区間も含めて田園都市線になっています。
JR渋谷駅に「玉川口」という改札口がありますが、これはかつて玉川線への乗り換えができる改札口だった名残だそうです。
三軒茶屋に到着。
世田谷線に乗る前にすぐ近くの教学院へ。江戸を守るための五色不動の一つ・目青不動のお寺として知られています。五色不動は白・黒・赤・青・黄の五色で、このうち目黒と目白は山手線の駅名ともなっています。ちなみに目赤不動は本駒込、目黄不動は三ノ輪と江戸川区平井の2カ寺にあります。
教学院は1311年に開山した天台宗の寺院で、江戸時代は青山にあったようです。明治時代には廃寺になった麻布の正善寺から目青不動を引き継ぎ、さらに三軒茶屋に移転しています。
目青不動はこの不動堂にいますが秘仏とのこと。御朱印は庫裏でと掲示があるので古い民家のような庫裏のブザーを押すと対応して頂けました。
では世田谷線に乗りましょう。どこまで乗っても1回150円(ICは144円)ですが、1日乗車券があり330円で乗り放題になります。三軒茶屋の駅員に申し出ると買えます。
世田谷線の電車は2両で、先頭(うしろの車両だと最後尾)のドアから車内に入り、運賃を払う形です。ちょうど前乗り・中降りの都バスを背中合わせでくっつけたようなシステムです。
すぐ次の西太子堂で下車します。北に行くと太子堂八幡神社があります。平安時代以前から鎮座していたと考えられており、その後安土桃山時代に八幡神社となり、1937年に造営された社殿が空襲を免れて現存しています。
ウサギが飼われているなどのんびりした感じのする住宅街の神社です。
太子堂八幡は手作りの御朱印が3種類あります。季節で意匠を変えているようで、お参りの人が途絶えない神社でした。
西太子堂駅に戻り、松陰神社前で下車です。名前の通り吉田松陰を祀る松陰神社があります。商店街を抜けた先です。
何とも近代的な神社です。
松陰神社は幕末の思想家吉田松陰が祭神で、安政の大獄で刑死した松陰の墓を長州藩の別邸があったこの地に置き、1882年に創建された神社です。
ちなみに山口の萩にも松陰神社があり、あちらには松下村塾の建物が残されていますが、世田谷の松陰神社にもレプリカながら松下村塾があります。
松陰神社前からお隣の世田谷駅へ。駅近くに円光院があります。
真言宗豊山派のお寺で、16世紀に世田谷城主吉良頼康が菩提寺として創建、その後荒廃するものの1983年に再興されています。境内は手入れされており明るい感じがします。
円光院は玉川八十八カ所(川崎市・世田谷区など多摩川に近い寺院の霊場巡り)の霊場になっているので御朱印が頂けます。
円光院の隣にある大吉寺も御朱印が頂けるようですが、当日は葬儀があるようなので遠慮しておきました。
この世田谷駅からお隣の上町駅あたりまでの界隈では毎年1月と12月に2日ずつ(曜日にかかわらず15・16日)「ボロ市」が開かれます。時代により農機具・ボロ布など扱う品が変わり現在は骨董や手作り雑貨が中心で都内屈指のノミの市となっています。
最近はボロ市見物の団体ツアーもあるようで名物の「代官餅」は買うのに1時間半待ちになるほか、商品を見ようにも人混みが激しくてままならないなど大変な混雑になるそうです。ボロ市の年4日間のためだけに沿道にお店を借りているという人もいるそうで(年361日は休業)、いかにボロ市が賑わうか分かりますよね。
今回はここまで。後半は②でご紹介します。
ここまでの御朱印情報です(御朱印料は特記ない限り300円)。
教学院 1種を庫裏で授与。直書き。オリジナル御朱印帳あり。
太子堂八幡 3種を授与所で授与。直書き。オリジナル御朱印帳あり。
松陰神社 1種を授与所で授与。直書きで500円。オリジナル御朱印帳あり。
円光院 1種を庫裏で授与。直書き。