[ロードテスト編] どれだけの時間運用できるか?
バッテリの試験の続きは長時間QRVテスト(ロードテスト)です。
これは実際の運用環境で使用し、何時間持つか確かめるものです。運用可能時間をつかんでおかないといいところでアウトになるなんて笑えない話になります。ちなみにJS3OMH倉田さんのところではFT-817のバッテリを別電源としてCWで2時間、SSBで3時間前後とのことです。
1/8に大阪府泉北郡忠岡町の新浜緑地に行きました。移動運用のレポート中で伏せていたテストとはこのテストでした。
この時期なので7MHzがいいでしょう。アンテナはRD-S106としました。このアンテナは常置場所でも何度か使っていますが、7MHzであれば50Wを入れれば余程のパイルでない限り人並みにQSOできます。一方5Wではなかなか苦労するアンテナです。
45WでQRVしても構わないのでしょうが、今回はFT-817のパワーを5Wではなく2.5Wに落としました。HL-45Bの添付資料を見れば5W入力時は出力45W、2.5W入力時は30W強です。30Wあれば実用上十分だと思いますし、45Wを出すよりバッテリが長持ちすると考えられます。無理にパワーを出して運用時間を短くするのは得策とは思えませんから、それなりにSが強くなると思われる出力に抑えた経済運転でどれだけ持つかのデータを取ることにします。
ハイバンドの国内オープン時でしたら1W入力でもいいでしょうね(というかリニアはいらないかも知れませんHi)。
倉田さんとは違い、FT-817の電源もあわせて供給します。これが私にとって現実的なスタイルであろうと思います。
スタートは朝の9時30分。この時点で受信時14.0V、送信時13.0Vです。
1時間後(10:30) ここまで19QSO。受信時13.2V、送信時12.5V。ほぼ定格通り。
2時間後(11:30) ここまで37QSO。受信時13.0V、送信時12.3V。問題なし。
2.5時間後(12:00) ここまで42QSO。受信時12.7V、送信時12.1V。10分毎に0.1V低下。
3時間後(12:30) ここまで49QSO。受信時12.5V、送信時11.8V。0.1Vの低下続く。
3.5時間後(13:00) ここまで70QSO。受信時11.8V、送信時11.5V。低下幅大きい。
その後電圧低下は一気に進み、13時15分頃には受信時11.0V、送信時10.3V前後まで低下しました。もはやリニアを維持できる電圧ギリギリにまで低下し、ついに送信時電圧が10Vを切ってリニアの保護回路が作動しました。4時間・83QSOで終了しました。ちなみに30Wのパワーで各局からは問題なく59を頂いています。国内QSOでは十分なパワーと思われます。
実用的に使えるのは3.5時間という結果でした。倉田さんの(817別供給で)3時間という結果と比較してほぼ妥当な結果と思われます。12時30分頃からパイルになったこともあるでしょうが、この辺を境に電圧低下が激しくなりました。
3.5時間は移動運用を行う上ではまずまずの時間で、当初の目的は達したと思います。コンテストには使えないでしょうが、9時過ぎから昼過ぎまで持ちますから普段の移動運用でちょうど使い切る感じでしょうか。あの小呂島ですとフルタイム使えます。
そうそう、リニアの面白い使い方をご紹介します。
それは昼食のパンを暖めるです。冬の移動運用では冷たい昼食しか取れないのですが、こうやってパンをリニアで暖めることで暖かい昼飯を取ることができました。廃熱利用としては面白いのではないかと思います。