久しぶりにオーディオ仲間のYさんに来ていただいて「新年初の試聴会」を開催した(9日)。
「別に他人に迷惑をかけるでもなし、自分が気に入ってさえいればそれでいい」というのが「オーディオ」だが、ときどき「別の耳」からのご意見を伺うと「なるほど、そういう聴き方もあるのか」と、向上のきっかけになることが多い、少なくとも我が家ではそう・・。
そのうえ、実際にフルート奏者として生の音に馴染んだ「Y」さんの耳はとても鋭いうえに(サウンドに対する)指摘も的を得たものが多い。
したがって、駄耳の自分とは意見が食い違うことが多いが(笑)、むしろ「”なあなあ”の関係よりもその方がいい」とさえ思っている。
そして、Yさんが我が家にお見えになる理由というか、お目当てはただ一つ。それは「AXIOM80」を聴くこと。
このSPは自分にとってはちょっと神経質すぎるサウンドで決して「手放しで良し」とはしていないが・・。
したがって現在「トライアクショム」を愛用している最中だが、Yさんのことだから試聴の途中できっと「AXIOM80を聴かせてくれませんか」と言い出すに決まっている(笑)。
そこで、前もって予防措置を講じることにした。
というのも、スピーカーをSPスタンドに載せたり降ろしたりの交換をしやすいように箱に「取っ手」を付けてみよう・・。
当日の午前中に「100均」に駆け込んで物色すると丁度よさそうなものがあった。2ペア用として計8個購入(440円)してすぐに取り付けた。
SPボックスの左側面上部に1つ、右側面下部に1つで両脇に1個づつ取り付けてみたところ、見違えるほど上げ下ろしが楽になった。何よりも手が滑って箱を落下させ貴重なユニットを破損させないで済むのがありがたい。
ただし、これは市販の豪勢な箱では無理だが、お粗末な「自作の箱」(板厚:1.2cm)だから出来る話(笑)。
そして、実際に試聴に入ったところ、案の定10分もしないうちに「これでは、まるで隣の部屋で鳴っているようなサウンドを聴いているようなものです。長く聴くには疲れないのでしょうが・・、ぜひAXIOM80を聴かせてくれませんか」。
そこで、「そういうことだろうと、前もって降ろしやすいように取っ手を付けましたよ」と種を明かすと「ワッハッハ」と、腹を抱えて笑われた。
「AXIOM80」の登場でようやく落ち着いてサウンドに没頭されるご様子。
本日持参されたCDは「ニコレ」(フルート)が吹くバッハ全集。やはりニコレのバッハとなると、他の追随を許さずゴールウェイやシュルツなどはお呼びでないそうで~。
アンプは、はじめは「WE300Bシングル」だったが、このところ「2A3シングル」がお気に入りのご様子ですぐに所望があった。
このアンプの方が「AXIOM80」と相性がいいそうで、おそらく出力管が定評のある「VISSEAUX」(フランス:刻印)だからではないかと秘かに睨んでいる。
ニコレの次にモーツァルトの「ヴァイオリンとビオラのための協奏交響曲K364」を聴いていただいたところ「やはり弦楽器の再生にかけてはAXIOM80の右に出るユニットはありませんね、弓が弦に当たる感じを克明に再現してくれます。」
「そうですかね・・・」
ほかにも「PL100」「スーパー10」など、聴いていただきたいユニットが目白押しだったが、ここまでAXIOM80を絶賛されるとつい言いそびれてしまった(笑)。
3時間ほど、いろんな曲目を試聴していただいたが、お帰り際に「今日はことのほかAXIOM80の透明感と音色の艶が抜きんでていました。どこか代えたのですか。」
そこで「おそらくプリアンプの球を代えたせいではないかと思いますよ~」と返事しておいた。
「特定の球を挙げて煽っている」と誤解されると、本意ではないので匿名にして仮に「Y球」としておこう。
北国の真空管博士によると「Y球は12AU7と12AX7などの汎用球と違って純粋にオーディオ用に開発された球です。たしかGEが開発したと思いますがオークションでもお値段が張って高いですよ。」
たしかに、頷ける話で「低ノイズ」に加えて、切れ味と艶があってさしあたり欠点が見当たらない。
仮に初段管を「庶民球」と「貴族球」に分けるとすると明らかに後者ですね~。
もしかして、今回の試聴会の立役者はこの「Y球」だったのかな・・(笑)。
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