昨日(22日)の大分、宮崎を襲った「震度5強」の地震について、読者の方々からメールやお電話で「お見舞い」の言葉をいただきました。
誌面を借りて改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
さて、年頭に「このミステリは凄い!」で紹介した第1位の「黒牢城」。
著者はこのところのミステリ界で常連となっている「米澤穂信」(よねざわ ほのぶ)さんだった。
ところが、この程「黒牢城」で見事に「直木賞」授賞の快挙!
良かったですねえ。ミステリ作家が脚光を浴びるのはミステリファンとしてうれしくなる。
とはいえ、好きな作家の「柚月裕子」さんが落選したのでうれしさも中くらいなり。ま、筆力がもの凄い作家なのでそのうち授賞も時間の問題でしょうが~。
で、図書館でたまたま見かけた「米澤屋書店」には多数のミステリが紹介されていたので、この本を「バイブル」にしようとネットで注文したところ、すぐに届いた。
本書ではご本人が読まれたミステリの紹介が目白押しだが、後半の275頁以降にも「13冊のミステリについて」とあり、細かい紹介がしてある。
で、挙げてみると(著者名は省略)、
「九マイルは遠すぎる」「迷宮課事件簿」「樽」「さむけ」「死体が多すぎる」「タイム・リーブ」「毒入りチョコレート事件」「敗北への凱旋」「六の宮の姫君」「明治断頭台」「火刑法廷」「ウサギ料理は殺しの味」「春にして君を離れ」
このうち「さむけ」については次のような記述がある(278頁)。
「これでもかというほどのミステリ、これでもかというほどのサプライズミステリです。名作中の名作ですね・・・」
こうまで絶賛されていると読まざるを得ないですね(笑)。
実はこれまでも幾多のミステリ作家から称賛を浴び「勇名を馳せている」本だと承知していたが、いつかはと思っていたものの延び延びになっていた。
急いで図書館に駆け込んで地下の奥の方の倉庫から見つけ出した。
「メチャ面白かった」となると、メデタシ、メデタシの大団円だがそれがちょっと・・。
登場人物が多すぎて名前を覚えるのがたいへん、展開がスローテンポ過ぎてちょっと退屈、少し偶然性が強過ぎるんじゃないか、犯人の意外性は申し分ないがちょっと無理がある、(文庫本なので字が小さくて読みづらい・・)。
以上のような要因で、よくできたミステリとは思うが、諸手(もろて=両手)を挙げて賛成とまではいかなかった。
ネットのレヴューで次のようなコメントがあった。
「ロスマクドナルドの小説全般に言えることですが、登場人物が多く心理も深く描写されており、伏線となる表現も多いので、これから読まれる方には十分な時間をとって最初から最後まで一気に読むことをオススメします。」
実は、本書を読むのにかかった日数が5日間ほどだった。そりゃ、登場人物を忘れがちになりますよねえ。昔のような集中力が失くなってきているのが残念・・。
それにしても、音楽の好み、音質の好みと同じで、書物の好みも様々ですね~(笑)。