「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオの怖さを思い知る

2019年10月12日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

「サムシン・エルス」のまるでツバが飛んでくるようなマイルスのトランペットに心の底からびっくらこいて、何とかせねばと思ったウェストミンスター(改)。

まず何よりも元気さが足りないというか、サウンドに「覇気」がない!

人間でもそうですよね。「エネルギーが無ければそもそも善も悪もない」と言ったのは古い話で恐縮だが、歴代総理の指南役として有名だった「安岡正篤」氏だった。とはいえ、当方もエネルギーがある方ではないのであまり偉そうには言えませんけどね(笑)。

いずれにしても、このシステムはクラシックを聴いているときはさほどでもなかったがジャズで一気に馬脚を現してしまった。

   

原因は周波数800ヘルツ(-12db/oct)以上を担当するJBLの「175」(コンプレッション・ドライバー)あたりだろうとはおよそ推測がつく。

そもそも以前から次の2点が気になっていた。

 クロスオーバー800ヘルツ付近でのウーファーとの繋がり具合が薄い

 伸び切らない高音というか、はたしてツィーターが要るのか要らないのかどっちつかずで、ずっとモヤモヤ感が続いていた。

そこでふと思い出したのが6年ほど前に「北国のおじさん」からご厚意でいただいたホルンだ。学校の教材用として使い古しの楽器を改造されたものでこれまで倉庫の一角で大切に保管してきたものだ。

「175」付属の「小型ハチの巣ホーン」をホルンに代えてみようかな。な~に、悪ければ元に戻すだけの話だ。

ただし、メーカーが指定した純正のホーンを代えるとなると、かなり勇気が要ることはたしかですよ(笑)。

   

左が「175」で右がホルンになる。音の出口が理想的な形をしていますね。

繋ぎ口に「2インチ→1インチ」変換アダプターを取り付けて作業はお終い。

さっそく左右両方のSPの上部に載っけてみた。

   

さあ、ワクワクしながらさっそくの音出し。オーディオ愛好家が一番痺れる瞬間である(笑)。

まずは「サムシン・エルス」のトランペットといこう。

おおっ、なかなかいいじゃないか!

さすがに「075」には及ばないが「蜂の巣ホーン」のときよりもずっと生々しくて元気がいい。見事に合格!

次は一番気になっているのがヴァイオリンだ。いくら管楽器が良くても弦楽器が悪ければ元も子もない~。

しかし、これがまた素晴らしいんですよねえ・・。瑞々しくて潤いがあってとても金属のダイヤフラムで鳴らす弦の音ではない。

さすがだよ「175」さん。とうとう「さん付け」か(笑)。

JBLのコンプレッションドライバーといえば、以前に「375」と「LE85」を使ったことがあるが、前者は高音域の肌合いが合わず、後者は最高音域の伸びがイマイチなのでバランス的には「175」がベストではないだろうか。

タンノイさんでいえば丁度「ⅢLZ」(イン・オリジナル・キャビネット)みたいな感じ。

いずれにしても、これまでウェストミンスターは実験用としてあれやこれや弄り回してきたが、今回の改造でようやく魅力的なサウンドへと変身してくれた。

今回の成り行きを順を追っていけば、「このブログには珍しくジャズ記事を登載」 → 「それに呼応してくれたジャズファン」 → 「サムシン・エルスのトランペットに大いに触発された」 → 「175ドライバーホーンの見直し」へと繋がっていった。

ほんとに何が”きっかけ”になることやら・・・。

ただし、オーディオは聴き込めば聴きこむほど何らかの不満が出てくるものなので、10日間ほどはいろんな音楽ソースによるテストをして欠点を洗い出してみよう。

そういうわけで、今回の教訓は次の4点に絞られる。

 オーディオはジャズを聴かないと向上する”きっかけ”がつかみにくい

 いくらメーカー指定品といっても頭から信用してはダメですね

 高音域の聴き取り能力は年代に応じて変化するので臨機応変の対策が必要

 たった一発のホルンでサウンドのいろんな不満が解消するんだからオーディオはやっぱり怖いというか細心の注意が要る

改めて関係者の方々にはシステムの弱点を気付かせていただき心から感謝です!

また「北国のおじさん」、ようやくホルンが陽の目を見ましたよ~!

なんだか久しぶりにいろんなお客さんに自慢のサウンドを聴かせたくなったなあ(笑)。

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