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支援者ら「規則改正」議論を 紋別アイヌ協会長ら不起訴に

2020-07-02 | アイヌ民族関連
北海道新聞 07/01 05:00
 道の許可を得ずに、川でサケを捕獲して水産資源保護法違反などで書類送検されていた紋別アイヌ協会の畠山敏会長について旭川地検が不起訴とした30日、支援してきたアイヌ民族らからは安堵(あんど)の声が上がった。一方で、「現状は変わっていない」とし、引き続きアイヌ民族が自由にサケ漁ができる規則改正などを国や道に求める考えだ。
 道は昨年9月、畠山会長について「再三にわたり指導してきたが、職員の制止を無視し、違法に採捕した」として紋別署に告発した。不起訴処分を受け、道漁業管理課の担当者は「現時点では事実関係を承知しておらず、何も言えない」としている。道警は「検察の判断について、個別にコメントすることはできない」とした。
 畠山会長は「自由なサケ漁は先住民族としての権利」と主張してきた。今回の行動についてはアイヌ民族の中でも意見が分かれていたが、昨年9月には先住民族政策の専門家らが道に告発取り下げを求める声明を出したほか、今年3月には、畠山会長の考えに賛同する「アイヌ(人)の権利をめざす会」も発足した。
 同会の萱野志朗共同代表は「畠山会長の体調などを考えると、不起訴でほっとしている」と話す。一方で「アイヌにとって不当な仕組みは何も変わっておらず、これで終わりということにはならない」と強調。今後も道に規則改正などの議論を求めていく考えだ。
 国際的には、先住民族にサケを捕る権利を認めている国もある。告発取り下げの声明にも加わった鹿児島純心女子大の広瀬健一郎准教授は「国や道は明治以降、アイヌ民族の重要な食料源だったサケの漁を一方的に禁じた経緯がある。今回を機に、捕獲できる期間や水域を定めるなど対等な合意形成に基づく仕組みをつくるべきだ」としている。(斉藤千絵、村田亮)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/435967
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