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ニコライ・ドミートリエフさん(函館ハリストス正教会の長司祭)6月13日死去 59歳 先人の信仰 初の教会史に

2019-07-28 | アイヌ民族関連
北海道新聞 07/27 17:00
 神戸から函館に赴任したのが2008年。幕末期の函館に着任し、日本正教会を創建したニコライ大主教の来日から150年という大きな節目を3年後に控え、初の函館正教会史刊行に挑んだ。
 創建時は禁教時代。日露戦争中は函館山に軍の要塞(ようさい)があったことから神父らが退去を命じられ、1907年(明治40年)には函館大火で聖堂を焼失した。史料が限られる中、編集作業は難航。それでも「先人たちの辛苦と信仰、忍耐を知れば知るほど、いいかげんなことができなくなった」と自身を叱咤(しった)し、編集・執筆陣を励ましながら完成にこぎ着けた。
 モスクワ生まれで、函館では115年ぶりのロシア人司祭。ロシア極東大函館校の大渡涼子総務課長は「公開講座の講師や『FMいるか』のゲストを引き受けるなど、ニコライさんが来てから市民がロシア文化に触れる機会が増えた。盲学校の生徒たちが来校した折には点字の日本語聖書をわざわざ東京から取り寄せてくれるなど、人柄の温かさを感じた」と悼む。
 教会史編集を通じて新たな使命も見いだした。ロシア帝国に支配され、正教に改宗したのち、日本領に編入されて色丹島に移住させられた北千島アイヌの慰霊。45年のソ連軍侵攻で道内に逃避し、散り散りになった子孫を妻のひとみさん(59)とともに捜し出し、道南や道東の墓前に自ら赴いた。取材などで子孫と接点があった私とは、この過程で情報を交換してきた。
 狭心症で急逝。「先人を記憶することに熱心だった」(ひとみさん)という司祭が函館で刻んだ軌跡は、接した人々に長く記憶されるに違いない。(編集委員 小坂洋右)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/329380
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