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北大の埋もれた歴史を紹介する 小田博志(おだ・ひろし)さん

2019-07-28 | アイヌ民族関連
北海道新聞 07/27 09:17
 6月下旬に出版された「北海道大学もうひとつのキャンパスマップ」(寿郎社)を書いた北大有志の中心メンバーで、人類学が専門の北大大学院文学研究院教授。「見慣れた風景を1枚めくると埋もれた歴史がある」と話す。
 本には観光名所のポプラ並木やクラーク博士像は出てこない。北大構内にあったアイヌ民族のコタン(集落)や、今も遺骨が眠る納骨堂など隠れた風景を紹介する。植民地主義を正当化する植民学の拠点でもあった負の歴史も取り上げている。
 本の基になった地図を2年前に同僚と作り、北大で開いた日本平和学会で配った。「平和を絵に描いた餅で終わらせないために、キャンパスと植民地主義との関係を認識する必要があった」という。
 香川県出身。大阪大を卒業した春、各駅停車で道内を回った。釧路の古書店で見つけたアイヌ民族の本を手に日高管内平取町二風谷を訪れた。出会った人も風景も「印象が強烈だった」。阪大で修士、ドイツの大学で博士号を取り2001年に北大へ。
 大好きな北海道には「一抹の居心地の悪さ」もある。先住民の土地や権利を奪った上にあるからだ。「歴史を隠したり、見て見ぬふりをするのではなく、直視しないといけない。事実を知り、なぜ歴史の裏面に置かれていたのかを振り返りたい」
 15年には安全保障関連法に反対する北大教員有志の声明を起草した。52歳。(関口裕士)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/329351
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