サファリ7/2(日) 10:01配信
雨が降った後、太陽の光が雨滴の中で屈折し、反射してできる光の輪。それが虹の正体。光が強ければ強いほど色濃くあざやかな虹がかかるとか。そんな仕組みを知っても、虹に出合えたときの嬉しさは変わらない。夕立が止んだら、虹を探しに出かけませんか?
モニュメントバレー/アメリカ

モニュメントバレー/アメリカ
アメリカの原風景、あるいは西部劇の舞台として知られるモニュメントバレー。独特の奇岩は2億7千万年前の地層が風化・浸食して形成されたもの。ここを聖地とする先住民族のナバホ族にとって、虹は神聖な“神々の旅の通路”。年間の晴天日が約300日とほとんど雨の降らない砂漠気候のため、虹を見られたらかなりラッキー!
ポート・キャンベル国立公園/オーストラリア
ポート・キャンベル国立公園/オーストラリア
石灰岩の海食柱が“12使徒(キリスト教布教のために選ばれた12名の弟子)”と呼ばれる人気観光地。旧約聖書では、戦いの象徴である弓(虹)が空に置かれることで神の怒りが過ぎ去るとされ、虹は和解や平和を意味するとか。これほど虹が神々しい舞台はないかも⁉
ヨセミテの滝/アメリカ
ヨセミテの滝/アメリカ
北米最長の落差739mを誇る、ヨセミテ国立公園の滝。水量の多い時期の満月前後に、月明かりで見える夜の虹“ムーンボウ”が出現することが有名。発生しやすい日時を紹介するウェブサイトもあるほど。なかなか遭遇できない幻の虹のため“最高の祝福”とされている。
セレンゲティ国立公園/タンザニア
セレンゲティ国立公園/タンザニア
セレンゲティとはマサイ族の言葉で“はてしなく広がる平原”の意味。乾燥したイメージのサバンナだが実は雨季があり、地平線まで見わたせるため虹も見つけやすい。サファリを行うのも朝夕(動物たちが活発に動く時間)なので、虹の目撃率も高くなる。ヌーの群れが虹をくぐるかのように大移動するさまは、神秘の光景だ。
モン・サン・ミッシェル/フランス
モン・サン・ミッシェル/フランス
満潮時には海で囲まれ、要塞のごとくそびえる小島。大天使ミカエルのお告げでこの島に修道院が建てられ、巡礼の聖地となった。潮の満ち引きが速いため犠牲者も多く、「巡礼前には遺書を書け」といわれるほど危険な場所だった。ちなみにフランス語で虹は“Arc-en-Ciel”。同名のバンドは実はフランスでも人気だとか。
スヴァールバル諸島/ノルウェー
スヴァールバル諸島/ノルウェー
北極圏に位置し、近年は極地クルーズの旅先として人気の島。“白夜の国”“極圏の野生動物の首都”など、異名も数多い。沖合に霧が発生することが多く、こちらは霧で太陽光が屈折して現れる“霧虹(きりにじ)”。“白い虹”とも呼ばれ、。水の粒が小さいため帯中央は真っ白くなり、両端のみうっすらと青み・赤みがかかる。
ナイアガラの滝/カナダ
ナイアガラの滝/カナダ
その名は、ネイティブ・カナディアンが“ニアガル(雷とどろく水)”と呼んでいたことに由来。世界三大瀑布のひとつで、幅675m、高さ50mを超えるダイナミックな滝だ。アメリカとカナダの国境に位置し、両国を結ぶ橋の名前はなんと“レインボウブリッジ”。夜になると、虹色にライトアップされ、虹づくしの滝なのだ。
琵琶湖/日本
琵琶湖/日本
山に囲まれた琵琶湖はにわか雨が多く、国内でも虹が現れやすい場所のひとつ。それを観光に生かそうと、日本ではじめて虹の発生期待度を8段階で示す“虹予報”を導入。伝統工芸品の“和ろうそく”でも、あざやかな7色のレインボウカラーのセットが登場している。
スカイ島/イギリス
スカイ島/イギリス
1日に晴天と雨天が目まぐるしく入れ替わり、“ミストアイランド(霧の島)”と呼ばれる自然環境の厳しい島。ここで有名なのは美しい虹、そして良質のウイスキー。豊富な雨水から生まれる湧き水を仕込み水にし、ピート(泥炭)層の土壌が生み出すスモーキーな味わいが特徴。
マノアバレー/アメリカ
マノアバレー/アメリカ
“レインボウ・ステート(虹の州)”の異名を持ち、クルマのナンバープレートにも虹が描かれるほど、虹と密接なハワイ。オアフ島内で特に降水量が多いマノアバレーには、虹の女神カハラオプナが住むとされ、同名のフラソングは今でも多くのハワイアンに愛される。
いつの世も虹は異世界と繋がる架け橋
雨上がりに出現する色彩のアーチ、虹。何色とするかは国によって諸説あるものの、いずれも神秘的で神々しい存在なのは変わりない。
たとえば北欧では、虹は天と地を結ぶために神が作った橋であり、たもとには虹の橋の番人ヘイムダルが見張っているとされる。虹を橋とする概念は北米大陸の原住民の間でも見られ、神々が地上に舞い降りるだけでなく、魔物が天界へ攻め上がる際の通路にもなったと伝えられている。日本でも、『古事記』にも記された“天の浮橋”が虹を指すとする研究者もおり、確かに地上から空へと延びるあの美しい放物線を天へ架かる橋とするのは、人類共通なのかもしれない。
ほかにもギリシャのように虹自体が女神イリスとして神格化したり、虹のたもとには宝物が埋まっているという伝説があったり。さらに、“虹は蛇である”という観念も少なくない。オーストラリアの先住民アボリジニにとって“虹蛇”は世界を創造した最高神であり、アフリカ大陸では空の水を飲みに現れた大蛇。中国でも同様の信仰があり、虹という漢字には“虫偏”(もともと虫は蛇の形を字にした象形文字)が用いられる。いずれにしても虹は、人知を超えた異世界へと誘い込む。
虹の仕組みが解き明かされた今でも、その存在は特別。旅先で出合えたら、思い出はいっそうあざやかになるはずだ。
文=伊澤慶一
https://safarilounge.jp/online/stay/column/detail.php?id=13751&p=2
雨が降った後、太陽の光が雨滴の中で屈折し、反射してできる光の輪。それが虹の正体。光が強ければ強いほど色濃くあざやかな虹がかかるとか。そんな仕組みを知っても、虹に出合えたときの嬉しさは変わらない。夕立が止んだら、虹を探しに出かけませんか?
モニュメントバレー/アメリカ

モニュメントバレー/アメリカ
アメリカの原風景、あるいは西部劇の舞台として知られるモニュメントバレー。独特の奇岩は2億7千万年前の地層が風化・浸食して形成されたもの。ここを聖地とする先住民族のナバホ族にとって、虹は神聖な“神々の旅の通路”。年間の晴天日が約300日とほとんど雨の降らない砂漠気候のため、虹を見られたらかなりラッキー!
ポート・キャンベル国立公園/オーストラリア
ポート・キャンベル国立公園/オーストラリア
石灰岩の海食柱が“12使徒(キリスト教布教のために選ばれた12名の弟子)”と呼ばれる人気観光地。旧約聖書では、戦いの象徴である弓(虹)が空に置かれることで神の怒りが過ぎ去るとされ、虹は和解や平和を意味するとか。これほど虹が神々しい舞台はないかも⁉
ヨセミテの滝/アメリカ
ヨセミテの滝/アメリカ
北米最長の落差739mを誇る、ヨセミテ国立公園の滝。水量の多い時期の満月前後に、月明かりで見える夜の虹“ムーンボウ”が出現することが有名。発生しやすい日時を紹介するウェブサイトもあるほど。なかなか遭遇できない幻の虹のため“最高の祝福”とされている。
セレンゲティ国立公園/タンザニア
セレンゲティ国立公園/タンザニア
セレンゲティとはマサイ族の言葉で“はてしなく広がる平原”の意味。乾燥したイメージのサバンナだが実は雨季があり、地平線まで見わたせるため虹も見つけやすい。サファリを行うのも朝夕(動物たちが活発に動く時間)なので、虹の目撃率も高くなる。ヌーの群れが虹をくぐるかのように大移動するさまは、神秘の光景だ。
モン・サン・ミッシェル/フランス
モン・サン・ミッシェル/フランス
満潮時には海で囲まれ、要塞のごとくそびえる小島。大天使ミカエルのお告げでこの島に修道院が建てられ、巡礼の聖地となった。潮の満ち引きが速いため犠牲者も多く、「巡礼前には遺書を書け」といわれるほど危険な場所だった。ちなみにフランス語で虹は“Arc-en-Ciel”。同名のバンドは実はフランスでも人気だとか。
スヴァールバル諸島/ノルウェー
スヴァールバル諸島/ノルウェー
北極圏に位置し、近年は極地クルーズの旅先として人気の島。“白夜の国”“極圏の野生動物の首都”など、異名も数多い。沖合に霧が発生することが多く、こちらは霧で太陽光が屈折して現れる“霧虹(きりにじ)”。“白い虹”とも呼ばれ、。水の粒が小さいため帯中央は真っ白くなり、両端のみうっすらと青み・赤みがかかる。
ナイアガラの滝/カナダ
ナイアガラの滝/カナダ
その名は、ネイティブ・カナディアンが“ニアガル(雷とどろく水)”と呼んでいたことに由来。世界三大瀑布のひとつで、幅675m、高さ50mを超えるダイナミックな滝だ。アメリカとカナダの国境に位置し、両国を結ぶ橋の名前はなんと“レインボウブリッジ”。夜になると、虹色にライトアップされ、虹づくしの滝なのだ。
琵琶湖/日本
琵琶湖/日本
山に囲まれた琵琶湖はにわか雨が多く、国内でも虹が現れやすい場所のひとつ。それを観光に生かそうと、日本ではじめて虹の発生期待度を8段階で示す“虹予報”を導入。伝統工芸品の“和ろうそく”でも、あざやかな7色のレインボウカラーのセットが登場している。
スカイ島/イギリス
スカイ島/イギリス
1日に晴天と雨天が目まぐるしく入れ替わり、“ミストアイランド(霧の島)”と呼ばれる自然環境の厳しい島。ここで有名なのは美しい虹、そして良質のウイスキー。豊富な雨水から生まれる湧き水を仕込み水にし、ピート(泥炭)層の土壌が生み出すスモーキーな味わいが特徴。
マノアバレー/アメリカ
マノアバレー/アメリカ
“レインボウ・ステート(虹の州)”の異名を持ち、クルマのナンバープレートにも虹が描かれるほど、虹と密接なハワイ。オアフ島内で特に降水量が多いマノアバレーには、虹の女神カハラオプナが住むとされ、同名のフラソングは今でも多くのハワイアンに愛される。
いつの世も虹は異世界と繋がる架け橋
雨上がりに出現する色彩のアーチ、虹。何色とするかは国によって諸説あるものの、いずれも神秘的で神々しい存在なのは変わりない。
たとえば北欧では、虹は天と地を結ぶために神が作った橋であり、たもとには虹の橋の番人ヘイムダルが見張っているとされる。虹を橋とする概念は北米大陸の原住民の間でも見られ、神々が地上に舞い降りるだけでなく、魔物が天界へ攻め上がる際の通路にもなったと伝えられている。日本でも、『古事記』にも記された“天の浮橋”が虹を指すとする研究者もおり、確かに地上から空へと延びるあの美しい放物線を天へ架かる橋とするのは、人類共通なのかもしれない。
ほかにもギリシャのように虹自体が女神イリスとして神格化したり、虹のたもとには宝物が埋まっているという伝説があったり。さらに、“虹は蛇である”という観念も少なくない。オーストラリアの先住民アボリジニにとって“虹蛇”は世界を創造した最高神であり、アフリカ大陸では空の水を飲みに現れた大蛇。中国でも同様の信仰があり、虹という漢字には“虫偏”(もともと虫は蛇の形を字にした象形文字)が用いられる。いずれにしても虹は、人知を超えた異世界へと誘い込む。
虹の仕組みが解き明かされた今でも、その存在は特別。旅先で出合えたら、思い出はいっそうあざやかになるはずだ。
文=伊澤慶一
https://safarilounge.jp/online/stay/column/detail.php?id=13751&p=2