TOKYO MX+ 2024.10.10(木) 06:50
TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」、(「New global」のコーナーでは“台湾原住民族(先住民)”について取り上げました。
◆台湾には今なお59万人もの原住民族が存在
現在、台湾には独自の言語・文化を育む原住民族(先住民)が16あり、その人数は約59万人。彼らは歴代の政権などから抑圧、差別されてきました。しかし、近年は台湾の方針も変わり、8月1日を「原住民族の日」と制定。大陸から渡ってきた漢族以外の民族が原住民として正式に認定された日として、前総統の蔡英文氏、さらには政権を引き継いだ頼清徳総統が改めて文化の重要性などについて発言するまでに至りました。
◆音楽で伝える、台湾先住民の歴史と文化
キャスターの堀潤は、「ここにくるまでは少数民族の皆さんが国連などにも働きかけたり、いろいろなところで発信してきたから」と背景に言及。
そうしたなか、今回、堀は台湾原住民族「タイヤル族」の母と日本人の父を持ち、現在は東京を拠点に活動するアーティスト、エリ・リャオさんにインタビュー。
彼女は台湾原住民の現状について、「いろいろ偏見というか、もっと言ってしまうと本当に差別がすごくあったので、それを乗り越えたいという原住民自身、原住民以外の人たちもそういう気持ちがどんどん出てきているのが今なんじゃないかと思う」と語ります。
エリさんは自身のルーツであるタイヤル族の子守唄をはじめ、音楽を通じて原住民の歴史や文化を発信しています。そして、「言葉だと誤解を生んでしまうところがあるが、そういうところまで音楽を使って交流ができたらいいなと思う。(今は)儀式みたいなものなどが生活様式の変化とともにどんどん失われている。ただ、どんな民族、文化も変化していくので、その変化を受け入れながら、自分たちのルーツにも目を向けながら、そういうことをやっていきたい」と今後の展望を吐露。
台湾の原住民族を取り巻く状況は少しずつ変化しており、今年5月14日には立法院(国会)が氏名に関する条例の一部修正案を可決。原住民名を持つ方が戸籍登記やパスポート申請する際、これまではそれぞれ名前の併記が必要でしたが、今回の修正で原住民名(ローマ字表記)のみの登録で可能に。中国語表記に限定しなくなりました。
エリさんの取材を行った堀は、「彼女は音楽家としてボーダーを超えていく役割を担い、やはりアートというものがいろいろな人たちを繋いでいく」と率直な感想を述べます。なお、エリさんは、韓国・ソウルと台北でコンサートを行うなど、新たなチャレンジに向けて動き出しています。
食文化研究家の長内あや愛さんはエリさんの言葉を聞き、「インタビューのなかで言葉・言語だと誤解を招いてしまう、違う伝わり方をしてしまうと話していたが、それを音楽は超えられるということがすごく印象的だった」と感想を語ります。さらには、「やはりどうしてもみんな固定観念とかがあると思うので、エリさんが言うように感じる機会を日常のなかに入れていくことは、知ることに繋がる。非常に大切だと思った」と感心の声が。
株式会社トーチリレー代表の神保拓也さんも「芸術やスポーツは非言語のコミュニケーションとして言語コミュニケーションが超えられない部分を超えられる、非常にいいものだと思う」と称賛。一方で、「立場的に弱く置かれる方々が努力を払い、強い立場の方々は努力を払わないという構図が毎回あるので、それが歯痒い。あとは非言語のコミュニケーションの良さが際立つ分、言語でもこうした方々の気持ちを聞いてあげる世界に代わっていかないといけないなと改めて思った」と言います。
そして、経済ジャーナリストの荻原博子さんは、「私たちが知らない少数民族は世界中にたくさんいる。でも、子どもは意外とそういう人たちともすぐ仲良くなる。なぜかといえば、理屈もなくいろいろしゃべったり、笑ったり、歌ったり、踊ったりしながら仲良くなるから。大人もそういう感性を持てば、紛争などが少しでも無くなるんじゃないか」と少数民族を理解することで平和に繋がると話していました。
<番組概要>
※2024年10月より番組リニューアル
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 18:00~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx
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