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旭川冬まつり 60回、歩んだ道のり 雪と寒さと氷 雪像巨大化、海外も注目

2019-01-30 | アイヌ民族関連
北海道新聞 01/29 14:27

 旭川冬まつりの歴史には、思わず人に話したくなるようなエピソードが満載だ。戦後まもなく“邪魔者”の雪を利用して雪像を作ろうとした「前史」から1960年の第1回、会場が石狩川旭橋河畔に移動した86年以降の雪像の巨大化、近年増える豊富な関連行事…。新しい魅力が生まれた節目の年に注目し、冬まつり“還暦”までの変遷を紹介する。
■<1947年 前身> 「イヨマンテ」を披露 除雪の雪を再利用 駅前に自由の女神
 「北海冬まつり」と称してアイヌの人たちがイヨマンテ(クマ送りの儀式)を常磐公園で披露したのが「旭川冬まつり」の原型とされる。
 前年の46年1月、当時の旭川警察署長と市観光協会長が彫刻家の故加藤顕清氏に相談し、除雪した雪を利用した雪像づくりを考案したとの記録もある。51年3月には「旭川雪祭り」が誕生し、旧国鉄旭川駅前に高さ7メートルの雪像「自由の女神」が登場。だが、小学校のかぜの流行などで「雪祭り」は3年で途絶えた。
■<1960年 第1回>雪像づくりで健康に 常磐公園を会場に雪像27基、氷像11基
 2月27日、常磐公園などで開幕。メイン雪像は「名古屋城」で、会場を飾った雪像は計27基、氷像は11基あった。前年秋「祭りをやろう」と市内で声が上がり、雪像づくりを通じて「市民が健康的に過ごす」ことを狙いのひとつとして始まった。近隣の小学校の児童も雪像づくりに協力した。
 この10年前、札幌では「雪まつり」がスタート。旭川が名称を「冬」としたのは雪だけでなく寒さや氷など冬のあらゆる現象を取り入れようとの趣旨だった。
*トリビア1 なぜ第1回は名古屋城? 戦火からの復元、全国的話題に
 第1回の大雪像「名古屋城」。一体、なぜだったのか。背景に、当時の「名古屋城ブーム」があったとの見方が根強い。
 冬まつり前年の1959年10月、戦時中の空襲で焼失した名古屋城の天守閣が再建され、「城の復元が全国的に話題になっていた」(旭川市観光課)。さらに同年9月の伊勢湾台風で甚大な被害を受けた中部地方に、旭川の陸上自衛隊が派遣されて災害復興にあたった際、隊員が名古屋城を見て感激したことが影響したとも言われている。
 ちなみに第1回の名古屋城の大きさの記録はないがサブ雪像で登場した第50回は高さ12メートルだった。
■<1974年 第15回>氷彫刻展スタート 最盛期は10カ国・地域参加
 氷彫刻家や調理師らが腕を競う「氷彫刻世界大会」。まつりの関連行事としてすっかり定着した同大会の前身「全国氷彫刻展」は72年に札幌で始まった。2年後に旭川平和通買物公園で初開催。札幌との隔年開催などを経て94年に旭川単独になった。
 「世界」を冠したのは92年。その10年前に海外勢が初参加し、89~91年は「国際」と称した。最盛期にはメキシコやノルウェーなど海外10カ国・地域が集った。
 実は氷彫刻が初めて旭川冬まつりに登場したのは65年。日本氷彫刻会会長を長年務めた故加賀城章さんらが製作した高さ6メートルの「五重の塔」。東川町で食堂を開いていた加賀城さんはコイ料理を盛り付ける氷の器を彫るため技術を学んだ。
■<1986年 第27回>来場者増え旭橋河畔へ 雪上ラフティングも実現
 イベント内容の充実などで来場者が年々増加し、常磐公園が「手狭になった」(実行委)として、メイン会場が石狩川旭橋河畔へ移転した。会場が広くなり、大型トラックで大量の雪の搬入が可能に。名物の巨大雪像のお目見えにつながった。
*トリビア2 ギネス認定 94年の水原城 世界最大30メートル
 旭川冬まつりの大雪像は過去に2度、ギネスブックに掲載された。最初は1987年の「ガリバー夢の城」。高さ26・5メートル、奥行き30メートル、サブ雪像と合わせた長さは実に214・2メートルで、世界最大の雪の建造物と認定された。
 これを更新したのが94年の「水原(スウォン)城」だ。高さ30・29メートル、奥行き45メートル、幅76メートル。その後も同規模の大雪像を製作し続け、「世界最大級の雪像」は、まつりの代名詞にもなっている。
■<2008年 第49回>観光動員、最多100万人超 近年は90万人前後 訪日客増加に期待
 来場者が100万6千人(5日間開催)と過去最多を記録した。06、07年度と旭川市旭山動物園の年間来園者数が300万人を超えた空前の「旭山ブーム」の真っただ中。人気タレントの小島よしおさんがステージショーに登場したことも来場者数を押し上げたとされる。
 ただ100万人突破はこの年のみ。東日本大震災の翌12年は旅行自粛や会期中の悪天候などで68万1千人に減少した。
 近年は90万人前後で推移。実行委が期待するのは訪日外国人客だ。
 韓国や東南アジアなど海外の旅行会社にチラシを配布するなどPR。国際色豊かなまつりの演出にも力を入れる。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/271389
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