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聞き手も合いの手 口承アイヌ物語が人気

2015-01-28 | アイヌ民族関連
苫小牧民報  (2015年 1/27)

(写真)拍子木で物語の朗読に合いの手を入れる参加者
 白老町のアイヌ民族博物館で「オルシペ・アヌ・ロー」と呼ぶ口承文化を体験できるプログラムが人気だ。文字を使わず語り継いできた文化を体験できる企画。昨年9月から月2回のペースで始め、ほぼ毎回多くの人が集まっている。拍子木を手に参加できるのも魅力の一つで、博物館側も「アイヌ民族の文化を知ってもらういい機会になっている」としており、積極的にPRを展開する考えだ。
 今月25日、施設内の伝統家屋「チセ」に家族連れや学生など約10人が、語り手と向かい合うようにいろりの前に座った。
 司会役を務めた伝承課の熊谷由布子さん(25)によると、アイヌ民族にとっていろりは火の神様がいる神聖な存在。かつては家族や親族間が集まり、だんらんの中で文化を紡ぐ語りの場だったとし、「母から娘へ刺しゅうを教える教育の場としても使われた」などと教えてくれた。
 オルシペ・アヌ・ローはアイヌ語で「お話を私たちが聞きましょう」という意味。語り手の山田美郷さん(48)は「拍子木でいろりの木をたたきながら、途中で「ホッ」とか「ハッ」などと掛け声も入れてくれるとリズムに乗りやすい」と呼び掛ける。参加者のほとんどが初めての体験で興味津々だ。全員に拍子木が手渡され、リズムの取り方を指導する。
 この日は白老町に伝わる英雄叙事詩「浜クメさんのメノコユカラ」を選択。一定のリズムで進み、終わった後には要約した内容で物語が紹介される。「この作品は3~4分で終わるが、長いものでは三日三晩かけるものもある」と山田さん。アイヌ民族の歴史にも触れ、薄れつつある口承文化を勉強しながら「こうした形で披露する場を設けている」と語った。
 プログラムそのものは20分ほどで終了。札幌から家族4人で来館した萩野良平さん(36)は「口承文化というのは知っていたが、実際に物語の途中で合いの手を入れられるのが楽しい。参加者全員でつくる充実した時間だった」と振り返る。
 物語は各語り手が選ぶ仕組み。山田さんは聞き手の反応を見ながら「合いの手があるとリズムよく気持ちいい感じで語れる」と話し、「白老で生まれた物語は少ないが、できるだけ伝えていきたい」と思いを語っている。
http://www.tomamin.co.jp/20150121523

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