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2011-01-29 | アイヌ民族関連
(朝日新聞 2011年01月28日)

東京・日比谷の帝国ホテルで27日にあった2010年度の朝日賞と第37回大佛(おさらぎ)次郎賞などの贈呈式で、各界の受賞者や団体とともに、医師の原田正純さん(76)と評論家の渡辺京二さん(80)の功績がたたえられた。2人はともに熊本市在住で、関係者からはお祝いの言葉が寄せられた。
  半世紀にわたって水俣病問題に取り組む原田さんは、熊本学園大(熊本市)を拠点に続ける学際的な「水俣学」の提唱と深化が評価された。
  27日の朝日賞受賞スピーチでは「水俣学が若い人に受け継がれることを祈念します。(受賞を)出発点にさらに探求していきたい」と話した。
  ともに水俣学講義の中心を担う同大の花田昌宣教授は「当然の受賞。業績を考えればもっと早くてもよかった。後を継ぐ我々も頑張らないと」。水俣病被害者互助会(水俣市)の谷洋一事務局長は「常に被害者の声を聞き、事実を検証してきた。患者も私も最も信頼する人。多分野で見識も深く、人脈も広い。それが水俣学のベースになったのでしょう」と言う。
  同会の会員は国などを相手に係争中で、原田さんは会員のための証人として法廷に立っている。佐藤英樹会長は「先生の受賞は本当にうれしい」。原田さんが3度のがんを経験し、昨年11月末に抗がん治療を終えたばかりである点を踏まえ、「治療を続けながら証言する姿に決意を感じる。医師として人間としてさすがだと思う」と語った。
  「業績もすごいけど、最も価値があるのは人柄」と言うのは、40年来のつきあいがある宮崎市のジャーナリスト宮澤信雄さん(75)。「穏やかで融通無碍(ゆう・ずう・む・げ)。よくこんな人がいるなあと感心する。ずっと患者側に立ち、権力に取り込まれることもなかった。ぶれない人」と評した。
  一方、渡辺京二さんはロシアと先住民族アイヌ、日本の異文化接触の歴史を描いた「黒船前夜――ロシア・アイヌ・日本の三国志」(洋泉社)での大佛次郎賞。日本の近代史に新たな光をあてたと評価され、スピーチでは「楽しい仕事だった。80歳になったが、もう少しこの世にお邪魔し、仕事をさせてもらうつもりです」と話した。
  「黒船前夜」は熊本日日新聞夕刊での連載63回分を補筆・修正した作品。執筆を依頼した編集局次長の松下純一郎さん(56)は「史料を精査して組み合わせ、一つのものを作り上げる渡辺史学の真骨頂。受賞を機に、熊本から全国にさらに発信されれば」。
  水俣病を扱った「苦海浄土」を始め、渡辺さんが長く編集者として付き合う作家の石牟礼道子さん(83)は「あの人の仕事は全部すごいですから。今回は、伝統をひらいて見せたという点ですね」。
  渡辺さんは様々な文献を読み込み、日本における「近代」の意味を問い続けてきた。熊本近代文学館の井上智重館長(66)は「渡辺さんは深く、深くものを読む。彼の読みを通すと、様々な書物から見えてくるものがある」と話した。
http://mytown.asahi.com/kumamoto/news.php?k_id=44000001101280004
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