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台湾 初の女性総統濃厚 蔡氏、終盤も独走 16日投開票

2016-01-10 | 先住民族関連
毎日新聞2016年1月10日 東京朝刊

先住民族パイワン族の血を引く蔡英文氏。道教の廟でパイワン族の冠をかぶると支持者から歓声が上がった=台湾屏東県で9日、鈴木玲子撮影
 【屏東(台湾南部)鈴木玲子】16日投開票の台湾総統選まで残り1週間を切った。選挙戦終盤に入っても、独立志向の強い最大野党・民進党候補の蔡英文主席(59)が首位を独走。民進党による8年ぶりの政権奪還と、初の女性総統の誕生が濃厚な情勢となっている。民進党は、同時実施の立法院(国会)選でも躍進する勢いを見せている。
 総統選には与党・国民党の朱立倫主席(54)と野党・親民党の宋楚瑜主席(73)も出馬しているが、最終盤の世論調査でも蔡氏が4割以上の支持を集め、朱氏に20ポイント近い大差。宋氏の支持率は10%台にとどまっている。
 9日は、蔡氏が南部・高雄、朱氏は北部・台北とそれぞれの有力地盤で大規模集会を開いて支持を訴えた。
 蔡氏はこの日、故郷である最南端・屏東県にある道教の廟(びょう)で当選を祈願。数百人の支持者を前に「故郷から出発し、台湾全土を照らす」と当選への意気込みをみなぎらせた。南部から台北へ北上しながら、投票前日まで各地で大集会を開く計画だ。
 朱氏は、馬英九総統ら党有力者と共に台北市内を行進後に大集会を開いた。朱氏は「台湾の安定のため共に歩もう」と国民党政権の堅持を呼びかけた。
 台湾では、馬政権の対中融和路線で中国にのみ込まれるとの不安感が広がり政権批判につながった。国民党はさらに総統選候補の途中交代などという混乱が支持者から批判を招いて苦戦している。
 最大の争点は対中政策だ。国民党の馬政権は「一つの中国」の原則を認めたとされる「1992年合意」を交流の基礎としてきた。昨年11月の中台首脳会談でも、習近平国家主席と馬総統が92年合意を確認した。だが民進党は党綱領で台湾独立を掲げ、合意の存在を認めていない。
 朱氏は、蔡氏に92年合意を受け入れるのか態度をはっきりさせるよう迫る。
 テレビ討論会などで蔡氏が中台関係について語る「現状維持」についても、朱氏は「現状が何を指すのか説明があいまいだ。中台関係が不安定化する」と訴える。だが、蔡氏は合意について「異なる意見がある」「唯一の選択肢ではない」とかわし、あいまい戦略を貫いている。
 民進党の陳水扁政権(2000〜08年)時代は中台関係が緊張し、経済低迷を招いた。経済界には蔡政権が誕生したら再び中台関係が悪化するのではとの不安が残っている。
立法院選も野党に勢い 与党地盤で若者健闘
 総統選と同時に行われる立法院(国会、定数113)選でも、民進党は議席数を現有の40から大きく伸ばして単独過半数を狙う勢いだ。民進党は特に国民党の厚い地盤である北部に照準を合わせ猛攻をかけており、国民党のベテラン現職を民進党の若い新人が追い上げる姿が目立っている。
 「台湾の新たな改革の始まりだ」。元日朝、民進党の総統候補である蔡英文主席は北部・桃園市の「国旗掲揚式」で意気込みを語った。2014年の市長選で大方の予想を覆して民進党候補が当選し、党の躍進を象徴する地だ。
 国民党候補の朱立倫主席が市長を務める北部・新北市にも攻め込む。朱氏は14年の市長選で再選されたが、民進党候補に2万票差に詰め寄られ、国民党に衝撃が走った。
 新北市で注目を集めるのが、国民党現職で4期目を目指す呉育昇氏(57)に民進党新人の大学院生、呂孫綾(ろそんりょう)氏(27)が挑む1区だ。
 呂氏は、父が元新北市議で地元信用金庫の役員という強みもあるが、当初は現役の呉氏優勢と見られていた。だが、民進党と選挙協力を進める新政党「時代力量」の立候補予定者が出馬を断念したことで、野党系支持が呂氏に集中。呂氏は「クリーンな政治を実現する」と強調し、親しみやすさを武器に接戦に持ち込んでいる。
 台湾最大の人口397万人を抱える新北市は若い新住民が多いうえ、総統候補の途中交代で国民党への批判が強いことが、呂氏には追い風となっている。
 一方の呉氏は、馬英九総統の台北市長時代に市報道官を務めたベテラン政治家。国民党関係者は「呉氏でさえ激戦だとの観測は党内に驚きを与えた」と語る。
 呉氏は元日、後援会が主催した伝統劇の公演で「学生に政治ができるのか。立法委員は、住民のために何ができるかが重要だ」と強調。交通インフラ整備など長年の活動実績を挙げて支持を訴えた。
 立法院選は小選挙区比例代表並立制。現有議席は国民党64、民進党40、親民党3など。
 比例代表では野党支持者の票が時代力量などに流れて民進党の単独過半数は難しいとの観測もあり、蔡氏は「我々が最も改革の力を持っている」と力説して「票の集中」を呼びかけている。【新北市で鈴木玲子】
http://mainichi.jp/articles/20160110/ddm/007/030/038000c

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蔡氏、独走続く 台湾総統選、最後の週末

2016-01-10 | 先住民族関連
西日本新聞 2016年01月10日00時11分 (更新 01月10日 00時22分)

台湾総統選で選挙カーから支持を訴える民進党候補の蔡英文氏(右上)=9日午前、台湾南部・屏東県
 【屏東、台北・横尾誠】台湾総統選は9日、投開票日(16日)前の最後の土曜日となり、独走状態の最大野党、民主進歩党(民進党)の蔡英文主席(59)ら3候補が各地で総仕上げの選挙運動に突入した。
 蔡氏は、父親の実家がある南部・屏東から選挙カーで北上。総統選と同時実施される立法委員(国会議員)選の候補者と街を走りながら支持を訴えた。選挙戦最終日の15日まで、拠点都市で連日夜に集会を開きながら北上する。
 一方劣勢の与党、国民党の朱立倫主席(54)は北部の台北市中心部で20万人規模(主催者発表)の大規模な行進と集会を行った。
    ◇      ◇
 ■出自強調、与党支持層を攻略
 台湾総統選で、民進党候補の蔡英文氏が、父親は「客家(はっか)」、祖母が「先住民」という出自を強調する機会が増えている。いずれも独自の言語や文化を持つ台湾社会の少数派。伝統的に国民党の支持者が多いとされ、与党の支持基盤を攻略する狙いがある。
 9日、蔡氏は南部・屏東の海沿いの田舎町で、選挙戦最後の1週間のスタートを切った。
 父親の実家がある楓港。蔡氏は北部・台北市の生まれだが、ここを「故郷」と呼んできた。父は客家の血筋。「客家娘が総統になる」は彼女が度々口にする標語になっている。
 客家への浸透に力を入れるのは、総統選と同時にある立法委員(国会議員)選で民進党が初の過半数を実現する一つの鍵になるとみているからだ。
 客家は台湾人口の15%前後だが、山間部にまとまって住み、北部の新竹県では69・5%(2014年推計)を占める。国民党は、この新竹や同じく客家の多い北部の苗栗県、桃園市を強固な地盤としてきた。「どこも立法委員選の激戦区。最後の一押しに客家取り込みは欠かせない」と民進党の選対関係者。
 この日楓港では蔡氏が先住民の頭飾りを頂く演出もあった。祖母は先住民パイワン族出身。蔡氏は8日夜の最後の政見発表会で「もし当選できたら、不公平な扱いを受けてきた先住民に総統として謝罪したい」と発言。東南アジアや中国から移住した「新住民」も含め、多様な台湾社会に心配りして支持を訴えている。
 国民党は防戦に懸命だ。朱立倫主席は、父は戦後台湾に渡った「外省人」だが、自身は客家が多い桃園県(現桃園市)の生まれ。桃園県長も歴任し、客家語も操るという朱氏は同じ政見発表会で「私は本当に客家の文化を認める県長だった。選挙の時だけの『客家娘』とは違う」と皮肉った。
 ただ国民党は、馬英九政権への強い批判や、一度決めた公認候補を差し替えた混乱などで、外省人の支持固めにも苦しむ。9日の大規模行進には朱氏と馬氏の夫人に加え、公認を取り消された洪秀柱氏も参加し、懸命に党の団結を訴えた。
《台湾人》台湾は漢族系が97%を占めるが、中国大陸から台湾に渡った時期や、出身地によって言語や文化が異なり「族群」と呼ばれるグループに分けられる。戦前に移住した福建省出身者らがホーロー人、主に広東省北部から移住した人々が客家人で、まとめて本省人とも呼ぶ。戦後に国民党政権と台湾に移住したのは外省人。人口比はホーロー人が7割弱、客家と外省人が各15%程度。ほかに先住民2%強、その他1%。結婚などで融合が進んだが族群意識は過去の選挙に一定の影響を与えてきたとされる。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/article/217489

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台湾の高校生、手作りカヌーで太平洋航行へ

2016-01-10 | 先住民族関連
中央フォーカス台湾 2016/01/09 15:19

(台東 9日 中央社)東部・台東県にある私立学校「均一中小学」の高校生16人が5月、手作りした木製カヌーで、太平洋へと漕ぎ出す。今月8日には県内の湖で試験航行が行われ、カヌーが無事水に浮かぶと、生徒らは一様に喜びの表情を見せた。
生徒らは授業の一環として、昨年9月から2人1組で製作を開始。専門家の指導の下、約100時間をかけて8隻のカヌーを完成させた。台湾原住民(先住民)アミ族出身の女子生徒は、「やりきれるとは思っていなかった。こうして自分が作ったカヌーに乗れてとても嬉しい」と語った。
製作過程でチームワークの重要性を再認識したという男子生徒も「けんかや確執もあったが、最後には一緒にカヌーを完成させることができた」と当時を振り返った。
同校の厳長寿董事長(会長)は、台湾の学生は教室に閉じこもって勉強だけをすべきではないと強調。カヌー作りを通じて、知識の探求だけでなく、勉強以外でも自身の才能を証明できるという自信を身につけてもらえればと述べた。
(盧太城/編集:杉野浩司)
http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201601090005.aspx

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小音別川上流の滝、パシクル湖畔の夕日… 「音別新八景」決まる

2016-01-10 | アイヌ民族関連
北海道新聞 01/09 16:00

涼しげな清流が特徴の「小音別川上流の滝」(釧路市提供)
 【釧路】釧路市は8日、音別地区の新たな魅力を発見する「音別新八景」を選定したと発表した。エゾヤマザクラ450本が並ぶ「上音別桜並木街道」やヤマメやイワナが生息する「小音別川上流の滝」、「パシクル湖畔の夕日」など音別ならではの美しい景観を紹介している。パンフレットを作製するほか、学校の課外授業や観光コースへの活用などを検討している。
 旧音別町は1996年、「音別八景」を定めた。ただ「日本一明るい」とした音別町市街の国道38号の街路灯は、点灯本数が半分程度になるなど当時と景観が変わったほか、入林規制で直接見ることができない場所も出てきたことから、景勝地としてPRするのが難しくなっていた。このため「新八景」を定めることを決め、四季折々の風景写真を募集。選定委員会が昨年末、23人の48作品の中から最終決定した。
 音別町史でアイヌ民族伝説の小人コロポックルが住んだとされた「三滝の沼」や「音別川のタンチョウ」、阿寒富士を望むことのできる「音別の丘からの眺望」などを取り上げた。夫婦のように寄り添うシダレヤナギとベニカエデが特徴の「ふれあいの森」といった住民憩いの場も紹介している。
 撮影者にはフキで作った特産の富貴(ふき)紙使用の表彰状とキクイモ茶、エミュー美容液などの記念品が贈られる。音別町行政センターは「新たな観光資源として広くPRし、地域振興につなげたい」と話している。(瓦木毅彦)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doto/1-0221307.html

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15年度上半期に白老を訪れた観光客5年連続増加

2016-01-10 | アイヌ民族関連
室蘭民報 【2016年1月9日(土)朝刊】
 白老町を2015年度(平成27年度)上半期(4~9月)に訪れた観光客は106万3841人で、前年度同期を2万8395人、2・7%上回った。増加は5年連続。日帰り客は102万1610人で2・9%増、宿泊客は4万2231人で0・3%減だった。
 地区別では、社台から北吉原にかけての白老地区が52万7954人(前年度同期比6・7%増)。「まつり・イベント」は11万7600人(同16・0%増)。白老最大のイベント・牛肉まつりが2日間とも天候に恵まれ、過去最高の5万4600人が来場したほか、昨年から開催されたオートバイのイベントや白老八幡例大祭も増加した。2日間とも雨天だった港まつりは来場者が大幅に減少した。
 「飲食店・みやげ」は20万582人(同14・9%増)。新規飲食店が相次いで開業したことや、既存の飲食店でも大幅に増加。特に新規飲食店ではソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などでの口コミで人気が広がり、町外からの利用者も増加した。アイヌ民族博物館を中心とした「文化・歴史」は12万92人(同1・7%減)。「自然景観」は7062人(同22・3%減)。インクラの滝散策路の土砂崩れに伴う通行止めが影響し、大幅な減少となった。
 虎杖浜温泉地区が53万5887人(同0・9%減)。「飲食店・みやげ」は29万4902人(同0・5%減)、ホテル・旅館の日帰り客は9万184人(同2・3%減)、宿泊客は3万9358人(同0・8%減)、「スポーツ・レクリエーション」は3万6063人(同2・3%減)。
 同地区で気をはいたのが「まつり・イベント」で72・6%増の7940人。虎杖浜竹浦観光連合会による3大まつりが会場変更や事前PRが功を奏し、来場者が大幅に増加した。
(富士雄志)
http://muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2016/01/09/20160109m_08.html


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森林火災が大幅に増加 前年比27%増の23万件超

2016-01-10 | 先住民族関連
サンパウロ新聞 2016年1月8日

シャパーダ・ヂアマンチーナの火災での消火活動(Foto: Mateus Pereira/ GOVBA)
干ばつや人為的な要因大きく
 国立宇宙調査研究院(Inpe)の調査によれば、2015年度の森林火災の発生件数が23万5629件となり、14年と比べ27.5%増加した。これは、過去最高だった10年の24万9291件に迫る件数。長期に及ぶ干ばつと、監視不足、そして経済情勢などが増加の要因となっているという。フォーリャ紙が報じている。
 Inpe森林火災管理部のコーディネーター、アルベルト・セッツェル氏によると、干ばつの年は、人による火災が広がりやすいといい、「自然に燃焼した記録は存在しない。過失あるいは故意の人為的なものが原因となっている」と述べている。
 最も森林火災の多い州はパラー州(4万4794件)で、マト・グロッソ州(3万2984件)、マラニョン州(3万66件)と続いている。
 セッツェル氏は悪化を後押ししている要因として、監視不足と経済の状態を挙げる。肉の価格の高騰が、家畜の飼育に必要な牧草地を開くための山焼きの件数を押し上げているという。
 例えば、マラニョン州、トカンチンス州、ピアウイ州、そしてバイーア州にまたがる大豆、トウモロコシや綿花の生産が盛んな「マトビバ地域」での火災は、37・9%増の8万518件となっており、「我々は、森林火災がアマゾンに達した時だけ憤りを表わしているが、セラード地域でも進行しており、ブラジルの新たな農業地帯に環境被害をもたらしている」と説明している。
 昨年、大規模・長期の森林火災が発生した地域としては、バイーア州のシャパーダ・ヂアマンチーナがある。火災は10月から12月まで継続した。マラニョン州の先住民地区でも長期の火災が発生している。
 バイーア州政府によると、シャパーダ・ヂアマンチーナの火災は、火災発生後64日目の12月29日に制御下に入った。イビラプエラ公園340個分の面積に匹敵する約5万1000ヘクタールが焼失したという。
 消火活動に当たる職員の不足により、州政府と連邦政府は軍の援助を求めた。また、同地域の住民からなるボランティアも消火活動に加わったという。声明でバイーア州政府は、航空機の賃貸料と機器購入のため、1400万レアルを投資したと発表している。
 国立公園を管理するシコ・メンデス生物多様性保護院(ICMBio)によると、250人が消火活動に参加していたという。
 マラニョン州南部では、2カ月間の火災でアラリボイア先住民族の土地の半分が焼失した。約26万個のサッカーコートが焼失した計算となる。
 グリーンピースと協力関係にある環境保護団体は、これは先住民への報復のための、地域の材木伐採人による犯罪行為だと主張している。この地域は、マラニョン州に残っているわずかなアマゾンの一つであり、投機対象になっているという。
 セッツェル氏は16年度の傾向として、火災件数は減少するだろうと見ている。その理由の一つとして、燃える植生林がすでに焼けて少なくなっていることを挙げ、「森林が回復するには時間がかかる」と述べている。
http://saopauloshimbun.com/archives/49340

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続く現代の奴隷労働、第4回「国連ビジネスと人権フォーラム」報告――下田屋毅の欧州CSR最前線(48)

2016-01-10 | 先住民族関連
国際総合(オルタナ) 1月8日(金) 13時0分
下田屋毅 サステイナビジョン代表取締役
国連主催の第4回目となる「ビジネスと人権フォーラム」が2015年11月16日~18日にスイス・ジュネーブで開催された。このフォーラムは、2011年6月に国連で全会一致で承認された「ビジネスと人権に関する指導原則」の普及を目的として、2012年から年次開催されることとなったものである。筆者は、前年、前々年に続き参加の機会を得た。(在ロンドンCSRコンサルタント・下田屋毅)
「ビジネスと人権フォーラム」の参加登録数は年々増加し、関心が高まっている。2012年の第一回は1000人、2013年は1700人、2014年は2000人、そして2015年の第四回は、130か国から2300人に上った。
参加者の内訳は、女性52%、男性48%。また政府12%、NGO36%、企業22%、大学研究者15%、各国人権研究所3%、労働組合1%、マルチステークホルダー・イニシアティブ2%、専門職団体・その他1%となっている。日本関係者は全体で25人前後とみられ、2014年(15人前後)よりも参加者数は増加した。

第4回目国連「ビジネスと人権フォーラム」の様子(下田屋毅撮影)
この「国連ビジネスと人権に関する指導原則」は、1)国家による人権保護の義務、2)人権を尊重する企業の責任、3)人権侵害を受けた者への救済へのアクセスーーから構成され、「人権の尊重」、「救済へのアクセス」に関して企業の取り組みが必要とされている。
国連ビジネスと人権フォーラムは、世界の全地域からのステークホルダーに対し、「ビジネスと人権」に関する対話のための主要な会合の場所を提供し、効果的で包括的な指導原則の導入へ向けたエンゲージメントを強化することなどを主要目的としている。
■初の女性議長が開会の辞
第4回目である2015年の議長は、メキシコ出身の国連グローバル・コンパクトセンター・ラテンアメリカ・カリブ海地域サポートエグゼクティブ・ディレクターのダイアナ・チャベス氏がメキシコ系ラテンアメリカから、そして女性で初めて議長を務めた。
開会の辞において、ダイアナ・チャベス氏は、2015年のフォーラムのテーマである「進捗状況の検証と一貫性の確保」を紹介するとともに、「人権侵害に対処するために国家、企業がコミットメントした内容は、実際の行動に移されなければならない」と述べ、その上で、「国家行動計画の導入による政治的コミットメント、企業の人権デューディリジェンス、苦情処理メカニズムと負の影響の緩和、企業の社会的価値を強化することを目的とした予算配分と意思決定を通じた取締役会のサポート」について進めていく必要があることを強調した。
また、国連ビジネスと人権作業部会の議長であるマーガレット・ユンク博士は、「我々は法律やプロセスについて話をするためだけにここにいるのではない。究極の目的は、紙上だけではなく、会議場でだけではなく、現実に企業の人権の慣行を改善することだ」と述べ、より実効性のある議論を行うこと、そしてその後の行動を求めた。
■フォーラムで注目された議論とは
今回のフォーラムのトピックでは、「国家行動計画の導入」「条約締結による法規制化への動き」、「先住民族の人権侵害の訴え」「現代の奴隷制の排除へ向けた取り組み」、「メガ・スポーツ・イベント」などを中心に3日間で約60のセッションが開催された。
国家行動計画の導入
「国家行動計画」については、既に欧州を中心として導入されており、現段階で、国家行動計画を作成し導入している国は、英国(2013年9月)、オランダ(2013年12月)、イタリア(2014年3月)、デンマーク(2014年4月)、スペイン(2014年6月)、フィンランド(2014年10月)、リトアニア(2015年2月)、スウェーデン(2015年8月)、ノルウェー(2015年10月)で、さらに多くの国で導入に向けた取り組みが始まっていることが伝えられた。
米国やドイツでは導入に向けた取り組みをする上で、企業を含むステークホルダーとのコミュニケーション、エンゲージメントを非常に活発に行っており、作成の過程においても、人権への意識が高まる効果が出てきているという。
まだ、アジア、アフリカで行動計画を持っている国はないが、今回アジアでは、韓国が国内人権機関を中心として取り組みを始めたことを開会式のパネルディスカッションなどで披露している。
条約締結による法制化への動き
今回のフォーラムで、2014年に続き注目されたのは、2014年6月にエクアドル・南アフリカから提起され決定された国際的な条約締結による法規制化へ向けた国連の作業部会の設置についての第26回国連人権理事会決議26/9についてである。
条約締結による法制化を提起したエクアドルから、常任委員のマリア・フェルナンダ、エスピノーサ氏がスピーチした。
彼女は、この条約による法規制化の動きにについて「既にこの条約による法規制化へのプロセスは始まっており、国際的な関心を得ている。大学関係者、市民団体、NGOが協調し、『Treay Alliance』を結成、1000を超える世界のNGO、そして様々な国々がこのプロセスに賛同し取り組んでいる」と話し、2015年7月に開催された国連人権理事会の作業部会での議論についても説明した。
またディスカッションも活発に行われ、その上で「条約による法制化には時間がかかる。その法制化の動きを進めていくとともに、企業は指導原則の導入を進め、各国では国家行動計画を所持し、ビジネスと人権の課題に対して取り組みを行っていく必要がある」と強調された。
現代奴隷制を含む強制労働、人身取引排除へ向けた取り組み
人身取引、強制労働を排除するための取り組みに関する報告があった。米国からは、それらを規制する「米国連邦調達規則」の改訂、英国政府からは「現代奴隷法2015」について説明があった。発展途上国だけでなく、先進国においても現代における奴隷労働が発生していることや、サプライチェーン上での奴隷労働の事例などの発表があり、議論がなされた。
人権NGOベリテのフィリップ・ハンター氏は、「規制については、これら人権について配慮を推進するものであり、最初の段階では企業を後押しするので望ましいが、企業にはこれらの規制が何を求めているのか考えて行動していただきたい。例えば、カリフォルニア州サプライチェーン透明法や英国現代奴隷法では報告することが求められているが、報告することだけでなく、その背後にあることを確認することが求められている。」と述べ、法令順守を超えた部分で企業が考え行動を起こす必要があることを訴えた。
先住民族の訴え
2015年も、南米、中南米、そして東南アジアから、企業による人権侵害を受けた先住民族の方々が、その状況を伝えるために民族衣装を着てフォーラムに参加をしていた。政府や企業が事前の告知による同意なしに勝手にプロジェクトを実施し、多くの先住民族は、そのプロジェクトの影響で強制立退きや避難を余儀なくさせられている。今まで先住民族のコミュニティは、抗議活動などを行うと共に、対話、交渉、調停機構を通じて、政府や企業と相対してきた。
しかし残念ながら、国や企業は、先住民族のコミュニティの抵抗を阻止するために、大規模で残忍な弾圧も行われている現状がある。そのような現状を伝える一つの手段として、2日目の開会式が始まる直前に、先住民族の方が中央の通路を小さな列を作って会場中に響き渡るように先住民族の唄を歌い、そしてステージ前に整列し人権侵害について訴える一幕もあった。
また、閉会式においては、会場から先住民族の代表が2014年の第3回ビジネスと人権フォーラムで実施された「先住民族の幹部会議宣言」を再び述べ、一年経過した後も何も措置も取られていないことに大きな懸念を表明し実施することを促すとともに、今後開催されるビジネスと人権フォーラムにおいて、先住民族が人権侵害を受けている状況を発信できるように、先住民族がより多く発言の場を確保することができるように提案がなされた。
メガ・スポーツ・イベントに関連する人権侵害
オリンピック・パラリンピック、FIFAワールドカップなど大きなスポーツイベントにおける人権侵害に関するセッションが開催された。近年メガ・スポーツ・イベントは、サプライチェーンや施設建設において、人権への悪い影響を与える活動が強く監視されている。
強制的な立退きや居住権の問題は、南アフリカやブラジルにおいては繰り返し発生しているテーマであり、会場の建設とインフラ整備における職場での人権侵害、移民労働者からの搾取、現代の奴隷制の問題など、北京、ソチ、カタールにおいて主要な関心事となっている。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、大会準備運営局長杉浦久弘氏は、このセッションにおいて「東京オリンピック・パラリンピック2020大会に向けた準備を2015年夏から開始し、持続可能な調達基準については、IOCの基準に則り行っており、ロンドンオリンピック、パラリンピックの知識、経験を参考として日本特有の文化と慣習を反映して作成していく」と述べた。その上で「幅広く様々な意見を受け入れ参考にしていくのでアドバイスをいただきたい」と述べ人権にも配慮していくことを強調した。
■米非鉄金属大手が災害ゼロ、利益は4倍に
閉会式において、国連ビジネスと人権作業部会議長のマーガレット・ユンク博士は、企業の事例として米国の非鉄金属大手・アルコア社の話を紹介した。CEOポール・オニール氏が、災害ゼロのみに焦点を当て、不安全な状況を是正していったところ、作業場の改善が進み災害はほぼゼロとなり、利益率が400%となったということ。
その上で、ユンク博士は「この話が指し示しているのは、企業が意志を持っている時には、計り知れない力と企業が改善する能力を発揮できるということである」と述べ、企業が存続していくための、企業のモラルと法的義務を遂行する側面とともに企業の恩恵の側面についても継続して伝えていくことを強調した。
そして、「全ての国家がビジネスと人権に関する国家行動計画を導入すること」「ビジネスと人権に関する指導原則のより多くの普及」、そして「救済へのアクセスの取り組みの強化」について促した。
この第4回国連ビジネスと人権フォーラムの印象としては、引き続き企業による人権侵害が行われている実態があり、さらに現代における奴隷労働の問題もクローズアップされ、企業が自社のサプライチェーン上の人権問題について確認がより求められる状況となっていることが感じられた。
企業に関わる人権は、多くの問題が発生しており、日本企業も例外ではない。現段階では、企業内部では、人事、CSR部門、調達部門がそれぞれの仕事の中で人権課題に対応していると思うが、それぞれの部門が共通認識を持ち、より密接に行動することが求められている。
このフォーラムは、登録制だが誰でもが参加できる。次回2016年のフォーラムは2016年11月14日~16日に開催される。国家、企業、市民社会それぞれの立場から、指導原則に関する情報収集の場として、また取り組みや意見を発する場として是非次回は足を運び、世界のビジネスに関わる人権の議論に加わり、今後の実践にさらにつなげる機会としていただければと思っている。
http://www.alterna.co.jp/17042

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北の味わいを満喫しよう 「ゴールデンカムイ」アシリパさんのときめきレシピ

2016-01-10 | アイヌ民族関連
BIGLOBEニュース-1月8日(金)16時30分ねとらぼ

エゾオオカミと、凛々しい少女アシリパさん。絵になりますねえ
 「このマンガがすごい!」オトコ編2位を取った「ゴールデンカムイ」。金塊を手にするために、その場所を示すと思われる暗号の刺青を入れられた男たちを巡って、血で血を洗う戦いを繰り広げる、20世紀初頭北国ハードアクションコミックです。
 この作品はグルメマンガでもあります。
 主人公の杉元佐一は日露戦争帰りの兵士で、通称「不死身の杉元」。彼はアイヌ少女アシリパさん(リは小文字)と会ってからは、対人戦以上に自然と戦い始めるハメになります。北国北海道、なめてかかるとすぐに死ぬ。食わねば死ぬ。というかうまいもん食いたい。
 アシリパさんは、気高い狩人の少女。彼女が動物を狩って作るアイヌ料理が、まー大自然感あふれるびっくりなものが多いのなんの。
●アシリパさんと食べよう!
 アイヌの生活は基本的に狩猟と採取。「あらゆるものに神様が宿る」と考え、一切を無駄にせず大切に食べ、生活用品にします。
 アシリパさんが最初に杉元に食べさせたのは、リス。リスは小さすぎて肉を外せない。頭からまるごと「チタタプ(プは小文字)」とよばれるミンチにします。基本は新鮮なままで生食。食べきれない時は汁物に入れて煮る。
 1:リスの皮をむく。切れ目を入れて引っ張れば服を脱がせるように手でむける。
 2:胆嚢(たんのう)が特に苦いため、内臓をしごきだしてきれいに洗う。
 3:頭からタシロ(山刀)でたたいてチタタプにする。チタタプは交代しながらみんなで叩く。肉団子は血も骨も一緒にして丸める。
 4:ニリンソウと一緒に煮込む。
 5:ヒンナ!
 本来は新鮮な生のまま食べるもの。しかし和人はお上品だから、と杉元にはつみれ汁にして食べさせます。あらゆる動物を獲った際、アイヌの流儀に乗っ取って「脳や目玉はおいしいから食え」と薦めます。杉元は知らないことだらけでビビリまくり。でもこれって最上級のおもてなしでしょ。
 一番いいところを杉元に食べさせたい、というアシリパさんの思い。彼はそれを汲みとって、アシリパさんの出してくれる料理を食べます。決して文句は言いません。そして「ヒンナ(食事に感謝する言葉)」とうなずきます。それが生の鹿の肝臓だろうが、巨大魚の目玉だろうが。
 絵面的にはゲテモノ。けれど「おいしい」と思って食べている人がくれたものを、粗末にはできない。実際おいしいかどうかは、食べたことないのでわからないけども。脳みそなー。
●一緒に食べたことで生まれた信頼感
 一方、アシリパさんが苦手なものもあります。日本人の食べる、味噌。「オソマ(ウンコ)」と呼んで拒絶反応を示します。日本人の杉元はたまには味噌をつけて塩気を取りたい。とはいえ彼女が嫌がるものを食わせるわけにはいかない。
 しかし、杉元と行動をともにするうちに、アシリパさんは味噌の入った桜鍋を、ついに口にします。
 彼女が杉元のことを心から信じ、受け入れた瞬間でした。
 アシリパさんは、雪上においては杉元を凌駕するくらいに秀でた、走る馬を射抜くほどの弓の名手です。ヒグマ相手にもたじろがない、勇敢な戦士。
 けれどもさ、まだ子供なのよ。少女なのよ。どんなに強かろうと、杉元と違って戦場で人を殺してきたわけじゃない。元気に駆けまわってはいるものの、父を失い、さみしいのよ。
 その彼女が、父を探すために杉元を相棒として認め、ともに戦うことになった。アシリパさんは知恵を出し、杉元は手を汚す。後から合流する、情報収集に長けた(役立たずだけど)脱獄王・白石と三人組になると、緊迫感はどこへやら、楽しそうに見えるほど。
 彼女は杉元に会うまで、笑わなかったらしい。しかし杉元と行動し、巻を増すごとに、どんどん笑顔になります。
 基本的にアイヌの教えを守る、厳格な性格の彼女。ところが作中で、どんどん考え方が雑になります。アイヌの伝統を、おいしいものを食べたいがゆえに、都合よく解釈してしまう。
 よく言えば思考が柔軟。臨機応変に自分を合わせていきます。家にとどまって編み物をするより、山を駆け回って狩りをすることを好む彼女。「わたしは新しい時代のアイヌの女なんだ!」。アイヌの動物たちへの信仰も、彼女は「人間が狩猟し、生きるための現実的なテクニック」だと考える。現実的です。
 相棒である杉元には絶対的な信頼を寄せ、彼女は自らの考え方すべてをさらけ出します。私はアイヌテクで戦い方を教えよう、お前は私を信じろ、と。杉元もまた、アシリパさんの言葉を全て信用します。彼女の身に迫る危険を許しません。杉元がアシリパさんに「さん」を付けるのもよくわかる。
 杉元は、女の子に迷惑はかけられない、と考えて1人で行こうとしたこともありました。けれど、その時捕まってしまい、アシリパさんに助けられました。2人一緒じゃなきゃできないことが、北海道の大自然にはたくさんある。役立たずの白石を引き連れ、極寒3人旅が始まります。
 ところで、2人の間に信頼はありますが、恋は芽生えていないようです。雰囲気見てると、アシリパさんには芽生えそうなんだけどなー?
(C)野田サトル/週刊ヤングジャンプ・集英社
http://news.biglobe.ne.jp/entertainment/0108/nlb_160108_3694043899.html

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胆振・日高の魅力、東京ドームでPR きょうから

2016-01-10 | アイヌ民族関連
北海道新聞 01/08 16:00
 【苫小牧】北海道新幹線開業を3月に控え、胆振・日高の全18市町と経済団体などでつくる「北海道新幹線×日胆地域戦略会議」(事務局・苫小牧市)は、8~17日に東京ドームで開かれる「ふるさと祭り東京2016」に初参加する。数十万人の来場が予想されるビッグイベントで、アイヌ古式舞踊の公演などを行い、日胆の魅力をPRする。
 ふるさと祭りは、フジテレビや東京ドームでつくる実行委が主催。全国の市町村などが約300のブースを出し、各地の祭りや特産品を紹介する。
 今回は、2カ月後に迫る北海道新幹線開業をアピールするため、函館市が約400平方メートルもの巨大ブースを出展。市内の菓子店やラーメン店の商品を販売したり、函館名物の「いか踊り」を披露したりする。同戦略会議も同じブースに入る。
 アイヌ古式舞踊は、アイヌ民族博物館の学芸員ら7人が8~11日の4日間で計7回公演。15~17日は登別温泉郷土芸能「熊舞」を計5回公演する。さらに、日胆の観光資源を紹介する冊子「ニッタンディクショナリー」を配布するほか、9日に開かれる「ゆるキャラダンス選手権」には、苫小牧市の公式キャラクターとまチョップが出場する。
 ふるさと祭りは昨年、全国から約42万人が来場した。これまで同戦略会議が参加してきたイベントと比較して最大の集客力があり、苫小牧市政策推進課は「相当のインパクトが期待できる。しっかりPRしたい」と話している。(奥天卓也)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doo/1-0220843.html

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