西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

上野邦一さん「おめでとう」遺跡保存でカンボジア勲章

2007-11-16 | 奈良・精華町の思い出(教授時代)関連続き
友人・上野邦一さん(奈良女子大名誉教授、この3月定年退職)が長年アンコールワット等の遺跡保存でカンボジア人に保存技術を植え付けた業績で11月3日に「サハメトリ勲章」を貰ったようだ。「おめでとう」と言いたい。10年以上前から毎年のようにカンボジアに出かけて、遺跡保存に尽くすと同時にその保存技術を伝達してきたことは知っていた。上野さんの発想は日本の技術を伝達するというよりカンボジア現地の状況を共に考えて創っていくというスタンスだった、と思う。
前から「アンコールワットに来るなら(行くなら、ではない!)僕がいる時期なら何時でも案内してあげるよ」と上野さんに言って貰っている。早く行ける様に「環境」を整えねば、と思っている今日この頃です。
(写真は、11月3日カンボジアの副首相から勲章を授与される上野邦一さん)

繰り言も自分史のうちー年金、医療費負担のことー

2007-11-15 | 名古屋・豊田の思い出
 まあ繰り言を言い出したら「老人だな」と思われるかもしれないが、言っておきたいことが色々ある、ここでは一つだけ年金や健康保険について言っておきたい。
 私が初めて国家公務員(文部教官・助手)として就職した時(1966年)には、年金は20年勤続で貰える権利が発生し、額は給料の40%、以後1年勤務が増えるごとに1.5%増え、40年で頭打ち、その場合は退職時月額給料の70%が退職後月々貰えると言われた。それなら老後は安心だな、と思ったことも公務員になった一つの理由である。今なら63歳の国立大学法人・教授職で多分月給60万円程だから、その7割と言うと月42万円である。まあこれなら悠々と老後が送れるだろう。
 ところが実際は、40年勤続で最終給料の半分以下と言ってよい。これでは皆「だまされた」と思うのではないか。現在、国会でも問題になっているように年金には様々な問題があり、今後も大変なことは分かる。もう少し勉強したい。物価が上がったときどうなるのか、とか・・・。
 次に健康保険だが、同じく就職した時には、保険をかけていれば本人は「ただ」だった。ところが現在3割負担である。70歳で2割負担、75歳以上で1割負担である。年齢が上がるにつれ医者にかかる率は増えてくる。だから2割、1割負担と言っても大変なのだ。今度の参議院選挙で自公政権が負けて、えらいことだ、と「負担一時凍結」を言っているが、出来れば恒久的にして欲しい。少なくとも65歳未満で2割、65歳以上で1割負担、70歳以上は負担なし、無料とすべきである。そのための財源確保のためには、はっきり言って、予告して何年か後に医者の「給料」、取り分を低くすべきである。そうすれば医学部過当競争もなくなるだろう。

教養論

2007-11-15 | 文化論、科学・技術論
『文藝春秋』12月号に藤原正彦さんが「教養立国ニッポン」を書いている。経済至上主義でない教養立国というのである。教養の意義について、第一に大局観を得るには教養が大切、第二に教養は人間的魅力を高める。第三は日本の国柄、第四は愉しみ、第五は誇り、と言っている。大体において賛成である。教養の大枠内容について、文化、芸術、読書、学問をあげている。その充実をはかることは、多くの人は賛成するのではないか。教養を広くしてこそ各専門も深まるのである。広く、深く、である。
過去のブログより:http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/88c0ef59c6c2859ba153e5750e773ad4

脳の可塑性(柔軟性)と行動

2007-11-14 | 思いつきから仮説へ
今日の帰りの近鉄車中で・・・●車中でフト髭に触る→髭剃り器を思い出す→充電しないと→最近、ナショナルからフィリップスにかえたな→でもあれはオランダ製ではなくmade in Chinaだったな→今度の出張に持っていくべし→出来るだけ早く出張準備しなければ・・・●高の原で降りて三日月を見上げる→昨日、月を回る人工衛星から地球を見た「地球の出」「地球の入り」をみたなあ→綺麗な星だな→ガガーリンを思い出す→今晩NHKTVで昨日の映像詳しくやるようだ

これらの連想を見てみると、二つ以上の場面がつながって出てくる「場面の連鎖」である。これらは脳の可塑性(柔軟性)を示すと同時に「思いつき」から思わざる行動が起こされることもあることを示しているのではないか。

地域空間の使用価値・意味は多重であり、空間は一つである

2007-11-14 | 地域居住学
ある地方自治体のある部局の人達と話をする機会があった。私は、地域における住民の生活・活動の多様性を色々話しているのだが、彼らは「一寸、縦割り行政で悪いのですが・・・」と言いつつ、自分達の部局の政策に関する部分のみ強調しようとするのだった。役所の縦割りは霞ヶ関から地方の末端まできているから仕方がないとも言えるが、我々地方住民は、ある官庁のために生活している訳ではない。
例えば、小学校は教育施設で文部科学省、教育委員会管轄かもしれないが、空き教室は地域の高齢者の溜まり場に使っても良いし(厚労省関係)、災害の時は避難所(総務省関係)ともなり、選挙の時は投票所(総務省関係)ともなる。地域空間には基本の意味・機能があるかもしれないが、もっと柔軟に多重の使用価値・意味があると考え、しかし空間そのものは一つにまとまっていなければならない、と考えて空間計画をしなければなるまい。あらゆる所で、そのことを発見し、追求していきたいものだ。その場合、先ず歴史的価値、環境的価値を押えておく必要がある。

限界集落から「新集落」へ

2007-11-13 | 地域居住学
「限界集落とは、65歳以上の高齢者が、人口比率で住民の50%を超えた集落のことを指す。長野大学教授(高知大学名誉教授)である大野晃さんが、1991年に最初に提唱した概念」と言われている。放っておくと「消滅集落」となる。流域上流の林業地帯の集落に多い。その集落出身の「若者」が戻らないとしたら、下流の都市部の人たちが応援入植するほかないのではないか。何故なら、「消滅集落」になれば、その地域の管理人がいなくなって、国土は荒廃し、下流の人口密集地も洪水などに見舞われる恐れが大きくなるからだ。国土は国民全体で何としても守る必要がある。
 昔、奈良県の十津川村の林道効果を調査したことがあった。その時、聞いた話では、「更に昔の地域開発とは、村の次男三男達が、村では食べれないので、川の上流部を開墾・開発して山の沢沿いに奥へ奥へと進んでいくこと」とのことだった。今や、それらが引き払われようとしているのだ。限界集落は、今や昔と別の形で「開発」される「新集落」として主に下流都市市民によって甦らねばなるまい。その時、昔の地域管理システムが役に立つだろう。
(写真は、限界集落のイメージ)

毎日の通勤の感慨

2007-11-12 | 生活描写と読書・観劇等の文化
2年半以上前から、自宅ー歩行にて近鉄・高の原ー近鉄で京都へーJRに乗換えー高槻へー高槻駅北より市バスで勤務地(平安女学院大学・生活福祉学部)の往復で通勤している。ドア・ツウ・ドアで2時間弱かかる。それ以前の奈良女子大学通勤時は、歩行ー近鉄ー歩行で1時間以内で悠々行くことが出来た。時間帯も違っている。
現在は、いわゆる通勤ラッシュも日々体験している。若々しい高校生の乗り降りにも遭遇しているし、高齢者夫婦の旅姿も目撃している。

これらを目撃して、若いところにも高齢者のところにも「元気印」がいるんだな、まあこの2年半以上の通勤で色々と人生経験を得たな、と思った。

F.さんと久し振りに駄弁る「農耕社会」

2007-11-11 | 奈良・精華町の思い出(教授時代)関連続き
今日、一昨日亡くなった奈良女子大学理学部教授・坂本直樹さんの葬儀に行った。奈良の「セレミューズ秋篠」である。昔、高校2年先輩で東洋大学教授(元・奈良国立文化財研究所勤務)だった古代史の鬼頭清明さんの葬儀も確かここであった。坂本さんの葬儀はシンプルな無宗教式、奈良女子大の久米健次学長、池原健二理学部長の弔辞、喪主の坂本さんの奥さんのご挨拶、そして参列者の献花、会場入り口でのお見送りで、1時間以内で終了した。バックに坂本さんが好きだった「サイモンとガーファンクル」の曲が流されていた。まあ卒業したゼミ生の弔辞はあっても良かったのでは、と一寸思った。
 久し振りに私より一年先に「退官」されたF.先生に会い、帰りに、自動車で高の原まで送ってもらった。久し振り、ということで「イオン」の喫茶店で駄弁った。さる大学に勤めておられるが、植物性蛋白質をとる代表的食べ物は?という質問に「豆腐」や「納豆」などと答えられる学生が皆無で愕然とした、と言われる。「うーん」と私も唸ってしまった。F.さんは、今後、大学を辞めたら農業をしたい、食糧自給率を上げ、地産地消でいくべし、と言う。奈良盆地の南の方に農地も用意しておられるようだ。地球環境のことを考えると「そうだな」と思う。F.さんは、人類は「採取時代」にまで戻れないが「農耕時代」には戻れるのではないか、と言う。久々に「F.節」を聞いた気がした。

坂本直樹さんの思い出

2007-11-10 | 奈良・精華町の思い出(教授時代)関連続き
『毎日新聞』訃報欄によると、奈良女子大教授(放射線物理学)の坂本直樹さんが9日、大腸がんで亡くなられた。享年60歳。京都府の北部の出身、京大工学部原子核工学科卒。平城・相楽ニュータウンに住んでおられ、時々近鉄・高の原駅のホームで一緒になることがあった。読書家で、必ず本を携行し、車中でも電車待ちでも読んでおられた。奈良女子大学は学部は三つ(文、理、生活環境)でこじんまりしているので、昼食時に生協食堂で3学部の先生方が一緒に食事をしており、その節にも坂本さんと話をしたことは何度もある。後3年で定年退職されたら、「地域SNSけいはんな」に誘ったり、「けいはんな市民大学」(これからの構想)に誘ったりしようと思っていたのに残念だ。ご冥福をお祈りしたい。

戸建て住宅の再建補助と公共性

2007-11-09 | 地域居住学
 このたび、国会で震災で全壊した戸建て住宅に対して再建のため国、自治体で最高300万円補助金を出す法律(改正被災者支援法)が民主党、自民党、他の政党の賛成で成立したようだ。今まで、戸建て住宅は私有財産であるから公共が補助金を出すべきではない、と阪神・淡路大震災以降、特に財務省が主張してきた。
 しかし、その後、阪神・淡路大震災被災者などの市民運動も根強くあり、前の鳥取県西部地震(00年10月)に際して鳥取県知事の片山善博さんが独自に全壊戸建て住宅に補助金300万円を出したこと等から国も出さざるをえなくなったのだ。それも民主党の主張に配慮して遡って能登沖地震、中越沖地震にも適用されることになった。「全壊」はそうだが、「半壊」に手当てがない等の問題点も残る。
 しかし、とにかく私有財産の戸建て住宅に地震による「全壊」に対して再建補助金が公に出ることになって、戸建て住宅も公共性を帯びることになった。今後、耐震性を高めて隣近所の迷惑にならないことは勿論、戸建て住宅の町並み景観担保、地域への公開性等の公共性獲得が徐々に大きな流れとなるだろう。

自殺者が9年連続で年3万人を超える

2007-11-09 | 時論、雑感
平成19年版「自殺対策白書」によると、9年連続で自殺者が年3万人を超えている。交通事故死者が1万人を割ってから久しいのに比べて、自殺者は一向に減らない。新聞によると、その7割が男性で、とくに急増した大半の部分を45~64歳までの中高年男性が占めている、と言う。「働き盛り」で、ほぼ私の年齢域だ。
昨日もJRで「飛び込み人身事故」が報じられていた。

奈良に勤めていて最後の頃、学部をまとめる立場となり、学部を改組して管理栄養士養成課程を持つ「食物栄養学科」を立ち上げ、同時に他の学科の改組もしなければならなくなった時、そのための準備時間、用意すべき人員(を何処から出すか、出せるか)、最新鋭機器を備えた調理室造りにかかる多大なお金をどう準備するのか、どれを取ってみても「絶望的」にみえ、その時は流石に「欝」の気分に落ち込んだ。しかし、最後には「なるようにしかならないのだから・・・」と開き直った。

「なるようになるしかないがなるようにそっと後押し出来ればいいな」の気分だった。それで、「欝」も徐々に治って再び「洒落」が出るようになった。

人生万事塞翁が馬 禍福はあざなえる縄 人生回り舞台 それらは、その時に思い出した格言であった。

高齢者の「地域デビュー」

2007-11-08 | 地域居住学
今日は在宅日、科研費調査でT.さんに会って聞き取りをした。戸建て住宅地の管理システムの調査研究だが、その際、関連するが少しそれた「団塊の世代の地域デビュー」の話もした。先進事例として、東京都足立区が、団塊の世代が定年退職後に何をする予定か、何をしたいかを調査している。
これを見ると、四つ、(1)町内会・自治会参加、(2)地域貢献のNPO等に参加、(3)地域貢献のボランティアに参加、(4)地域のコミュニティ・ビジネスに参加を上げて選択させている。すると(2)(3)が相対的に多い。そうだな、と思う。

先日あった地域SNS「けいはんな」のオープニング・シンポジュウムでシンポジストの一人「スギ」さんが地域SNSは「・ 引きこもりになりがちな定年後の男性に役立つのでは。」と言っている。定年後の男性では、地域の活動に、出来れば参加したいと思っている人が大半を占めるが、何処に行って何をしたら良いか、の情報が身近にないのが大きな問題なのだ。「高齢者」コミュを作ろうかな。

先端医療技術が医療費を上げる

2007-11-07 | 色々な仮説や疑問
普通、技術革新によって、よりよい商品・サービスがより安くなるはずだ。ところが、医療技術に関しては、その逆である。検査技術が高度になるほど、その高価な機械に投資する費用を回収するため検査費、従って医療費が高くなるのだ。
昔は、検査と言えば、聴診器と問診、せいぜいレントゲン撮影である。医療費を安くするためには大量の検査需要がなければならない。それは、体調が変だ、とやってくる患者の外延、即ち健康な人たちの健康診断に使われて安くなる。といっても聴診器と問診より「高い」ことは明らかだ。

このことは、山梨大学名誉教授の伊藤 洋さんのホームページ記事で分かった。
http://www.ese.yamanashi.ac.jp/~itoyo/lecture/sougou/iryou/sougou91.htm
伊藤さんは工学部の先生だったが、松尾芭蕉の研究もし、医学と医療費の問題まで論じているのが面白い。こういう人を「インテリ」と言うのだろう。

奈良県が宿泊者数で最下位、うーん

2007-11-07 | 奈良・精華町の思い出(教授時代)関連続き
少し旧聞だが、10月13日の「産経新聞」によると、国交省がまとめた1~6月の宿泊旅行統計調査によると、国内の総宿泊者数は1億4418万人にのぼった。都道府県別に見ると、観光、ビジネス客とも多い東京都が1693万人で全体の1割以上を占めている。以下、北海道、大阪、千葉、静岡、沖縄、神奈川、愛知、長野、ときて10位が京都の439万人だ。で、最下位が奈良の56万人とのことだ。京都と並ぶ観光地・古都なのに京都の1/9位に留まっている。うーん、一つは、大規模な宿泊施設等が少ないことによっている。というか、京都や大阪とは私鉄やJRで結ばれ便利が良いので、奈良を観光するが泊まりは京都で大阪で、という客が多いのだ。しゃれたレストランも少ない、夜や早朝の行事も少ない、となると泊まらなくとも良いとなるのではないか。アイデアとして幾つか:①美味しい夕食を色々揃える。例えば、奈良は「シルクロード」の西の端なので、シルクロード沿いの美味しい料理を食べさせる「シルクロード・レストラン街」の整備、②今も夜の祭(12月の御祭)があるが、夜や早朝のイベントを増やして泊まらざるをえなくする。大和の山菜朝市等も。早朝の奈良公園の素晴らしさのPRも。③奈良市をベースに斑鳩、今井町、明日香等の歴史回廊の設定と整備、PR等・・・。どうでしょうか。

小沢一郎民主党代表を続ける・・・。

2007-11-07 | 時論、雑感
小沢一郎さんは「恥をさらすようだが、皆さんの意向を受けて、ぜひもう一度頑張りたい」と、一旦は民主党代表を辞めると言っておきながら「続投」となった。うーん、やはり変、人材不足なの、と思ってしまう。「辞任記者会見」で「民主党には未だ政権担当能力はない」みたいなこと言った人に任せていいの?とも思ってしまう。
これって、次期総選挙になったら、自民党が「国民の皆さん、代表自身が、未だ政権担当能力がない、と言っている民主党に本当に任せていいのですか?」と大攻勢にくるのは目に見えている。
これをどう切り返すのか、お手並み拝見である。