西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

限界集落から「新集落」へ

2007-11-13 | 地域居住学
「限界集落とは、65歳以上の高齢者が、人口比率で住民の50%を超えた集落のことを指す。長野大学教授(高知大学名誉教授)である大野晃さんが、1991年に最初に提唱した概念」と言われている。放っておくと「消滅集落」となる。流域上流の林業地帯の集落に多い。その集落出身の「若者」が戻らないとしたら、下流の都市部の人たちが応援入植するほかないのではないか。何故なら、「消滅集落」になれば、その地域の管理人がいなくなって、国土は荒廃し、下流の人口密集地も洪水などに見舞われる恐れが大きくなるからだ。国土は国民全体で何としても守る必要がある。
 昔、奈良県の十津川村の林道効果を調査したことがあった。その時、聞いた話では、「更に昔の地域開発とは、村の次男三男達が、村では食べれないので、川の上流部を開墾・開発して山の沢沿いに奥へ奥へと進んでいくこと」とのことだった。今や、それらが引き払われようとしているのだ。限界集落は、今や昔と別の形で「開発」される「新集落」として主に下流都市市民によって甦らねばなるまい。その時、昔の地域管理システムが役に立つだろう。
(写真は、限界集落のイメージ)