西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

戸建て住宅の再建補助と公共性

2007-11-09 | 地域居住学
 このたび、国会で震災で全壊した戸建て住宅に対して再建のため国、自治体で最高300万円補助金を出す法律(改正被災者支援法)が民主党、自民党、他の政党の賛成で成立したようだ。今まで、戸建て住宅は私有財産であるから公共が補助金を出すべきではない、と阪神・淡路大震災以降、特に財務省が主張してきた。
 しかし、その後、阪神・淡路大震災被災者などの市民運動も根強くあり、前の鳥取県西部地震(00年10月)に際して鳥取県知事の片山善博さんが独自に全壊戸建て住宅に補助金300万円を出したこと等から国も出さざるをえなくなったのだ。それも民主党の主張に配慮して遡って能登沖地震、中越沖地震にも適用されることになった。「全壊」はそうだが、「半壊」に手当てがない等の問題点も残る。
 しかし、とにかく私有財産の戸建て住宅に地震による「全壊」に対して再建補助金が公に出ることになって、戸建て住宅も公共性を帯びることになった。今後、耐震性を高めて隣近所の迷惑にならないことは勿論、戸建て住宅の町並み景観担保、地域への公開性等の公共性獲得が徐々に大きな流れとなるだろう。

自殺者が9年連続で年3万人を超える

2007-11-09 | 時論、雑感
平成19年版「自殺対策白書」によると、9年連続で自殺者が年3万人を超えている。交通事故死者が1万人を割ってから久しいのに比べて、自殺者は一向に減らない。新聞によると、その7割が男性で、とくに急増した大半の部分を45~64歳までの中高年男性が占めている、と言う。「働き盛り」で、ほぼ私の年齢域だ。
昨日もJRで「飛び込み人身事故」が報じられていた。

奈良に勤めていて最後の頃、学部をまとめる立場となり、学部を改組して管理栄養士養成課程を持つ「食物栄養学科」を立ち上げ、同時に他の学科の改組もしなければならなくなった時、そのための準備時間、用意すべき人員(を何処から出すか、出せるか)、最新鋭機器を備えた調理室造りにかかる多大なお金をどう準備するのか、どれを取ってみても「絶望的」にみえ、その時は流石に「欝」の気分に落ち込んだ。しかし、最後には「なるようにしかならないのだから・・・」と開き直った。

「なるようになるしかないがなるようにそっと後押し出来ればいいな」の気分だった。それで、「欝」も徐々に治って再び「洒落」が出るようになった。

人生万事塞翁が馬 禍福はあざなえる縄 人生回り舞台 それらは、その時に思い出した格言であった。