西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

生活空間と言葉-3 居は気を移す

2007-12-18 | 言語・字・言語遊戯
○居は気を移す( 孟子)
 住んでいる所で気分も変わるということ。住生活と住空間の対応という考え方においては、一般には住生活が第一義的であり、それによって住空間が規定されると考えられているが、この言葉は、逆に「住空間によって住生活は変わる」ということを言っている。確かに、仮に住生活の主なポイントを押さえて住空間をつくったとしても、実際には、その住空間は、思惑を「越える」ものを持っていて、住んでみて「そうだったのか」と思うことも多いのである。つまり、居を変えることによって「思わざる」気を得ることが出来るのである。例えば、夏目漱石は、一作書き上げる毎に気分を変えるために居所を変えていたことは有名である。