生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信473 ・クロマグロ禁輸否決の影の力は中国でした

2010-03-19 07:00:57 | 日記
お早うございます。ご近所の白木蓮がいつの間にか6分咲きになり、春の急ぎ足を実感しました。
生き生き箕面通信473(100319)をお届けします。

・クロマグロ禁輸否決の影の力は中国でした
 モナコ提案のクロマグロ禁輸提案は、委員会レベルながら”予想外”の大差で否決され、「日本の外交努力が実った」という形になりました。EU提案の修正案も否決され、ひとまずホッとできる状態です。

 しかし、多くの課題を残したのも事実です。まず、日本の外交努力ですが、世界的な動向をきちんと把握して戦略を立て、日頃から地道に活動してきたのか、です。自民党時代は、「アメリカさんの後ろからついていく」という外交とはほど遠い”ポチ外交”が主流でした。大雑把にいえば、外務官僚はアメリカ帰りの親米派が牛耳っていました。日本の外交的な成果でみるべきものは、本当に影が薄いのが実態でした。

 今回、影響力が大きかったのは、中国です。中国が禁輸反対に回り、途上国に積極的に働きかけた結果が大差になりました。中国は、しっかりした世界戦略にもとづいて、日常的にアフリカ諸国などに援助を行い、途上国の「集票マシーン」の地位を確立してきました。日本も政権交代したのだから、少しは見習ってほしいものです。

 もう一つの問題は、資源管理。クロマグロは、中国の富裕層も旺盛に食べ始めましたから、親魚の乱獲が進んでいるのは事実です。資源として急減しています。資源管理の国際的な取り決めはありますが、充分に守られているとはいえない。乱獲を抑え、生態系を壊さない枠組みを確立することに日本は真剣に努力することを求められているのだと思います。

 さらに、消費者側の問題。持続可能な漁業を消費面から支える「エコラベル」制度がありますが、食べる側がそうしたものをサポートするよう関心を持つことも求められます。

 要は、日本が世界にどう関わりあうのか、「この国の国柄」をどうするのか、というコンセンサスの問題です。ひとりクロマグロに限らず、様々な課題に対してコンセンサスの形成に向け、一人ひとりが意見を持つことがますます重要になっています。