水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・86」

2014-01-11 18:53:08 | Weblog



カルテ番号 く・6(2)

元々物事をかなり詳しく調べる性格だった。
わからない事は出来る限り調べ、教えを乞い、そして自分なりの結論までもっていく。
頭痛に関してもインターネットはもちろん、読める範囲の医学書まで手をだした。
だが、どうやら検査で異常が見つからない症状は現代医学ではお手上げ状態のようだ。
対処療法として痛み止めが一般的だ。
それは、今までの病院も同じ処置だった。

だが、その痛み止めは全く効かなかった。
効かない、というと違う種類の薬を出すが、それでも効かない。
そんなはずは無い、と医師は言うが頭痛は軽減されない。
軽減されないで胃が気持ち悪くなるので、最近は最初から飲まない。
交際している同僚の彼女が霊験あらたかなお札など手に入れてくれたが、変化無し。
科学が発展途上だと知っているから、科学主義ではないが、霊能者とか祓い屋とかのほとんどがインチキだということも知っている。

ある時インターネットで氣功の治療院が目に入った。
その手の類の治療院も全国では多い。
何でも治ります、みたいな無責任な謳い文句の治療院が多い。
症状も聞かないで治ります、はないだろう、と思っている。
ところが、案外近いところにあるその治療院のホームページは何か違った。
あえて言うなら、趣味で書いているホームページだった。
ダメでもともと、行ってみようかと決心した。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・85」

2014-01-10 19:44:35 | Weblog



カルテ番号 く・6(1)

黒沢典孝は小学校の教員。年齢は32歳になった。
教育熱心というよりも、生徒と一緒に笑顔に過ごすのが好きで教師をしている。
自然と生徒には人気がある。保護者は評価が分かれる。
もっとビシビシ勉強を教え込んでくれ、という親もいるのだ。
勉強をさせるのが教育だと本気で思い込んでいる親はとても多い。
夏休みなども、水泳やスポーツを楽しくできるように毎日のように世話をやいている。

校長や教頭や同僚も評価は様々だが、悪く言う人はいない。
明るいし、他の先生が嫌がる労の多い役も嫌がらずに引き受ける。
だが、他の人には見せない悩みがあった。
それは頭痛。
起こると一週間か時には一か月も続く事がある。
もちろん病院の検査は何度も受けたが、小さな異常も出なかった。

体調には気をつけるタイプで、食事も睡眠も出来る限り気を使っている。
病気で生徒と接するような教師でいたくなかった。
タバコを吸う先生もいる日本の教職員は自覚という点で落第だが、模範とまで要求しなくても自己管理が出来て当たり前の職業だ。
黒沢典孝は理屈ばかりで自己管理さえ出来ない上司や教育委員会のメンバーよりも遥かにマトモな教師ではあった。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・84」

2014-01-09 19:11:25 | Weblog



カルテ番号 き・22(9)

結婚前は看護師として働いていた。働く意欲も充分にある。
今までは、子供の為には家にいる方がいいと思って辞めたのだ。
だが本当に必要で大切なモノに気付いたら、そんな事はどちらでもいい。
離婚し、働きながら亮を育てる事に負い目はない。
実家も遠くないし、実家の両親は年相応ではあるが一応元気だ。
自分達の夫婦仲が冷えているのを負い目に感じて足が遠のき加減だったが正直に相談してみようと思った。
自分一人で背負うよりも、亮を愛してくれる人は多い方がいい。

その夕方から菊池亮の症状が消えた。
夫と今後の話し合いだが、離婚する方向でいる。
もちろん、いろいろ不安もある。
だが、多くの人、とりわけ実家の両親に頼ろうと決心したら、自信と穏やかさが出たのだ。
今までの不満の人生よりも、困難があっても明るい未来が広がると思える。
あせらなくても大丈夫だ。

菊池亮は母親の祖父母の家に行く頻度が増えた。
元々優しい子だったが、祖父母と行動するようになり、より感性豊かになったようだ。
同時に祖父母も更に元気になったようだ。
まだ離婚には至ってないが、看護婦としてパート出勤するようになった。
子供は両親がいて、母親はいつも家にいる、という固定概念は上辺だけだった。
そんな事はどうでもいい。大切な事を忘れなければ楽しい方向に進めばいい。
今回の騒動は、楽しさよりも上辺の正しさを体裁していたから亮が熱で注意してくれたのだと思っている。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・83」

2014-01-08 18:23:53 | Weblog



カルテ番号 き・22(8)

母親としてよりも、世間体の延長で子供を考えていたのかもしれない。
両親がそれらしく振舞っていれば、子供も安心していると思っていた。
い、いや、実は思っていなかったのに、思い込もうとしていた。
間の接点がどんなであれば、子供は安心できるのか?
体裁ではない。
愛情しかないだろう。
「子供に対する愛情ですか?」

陽水は言った。
「う~ん、子供に対するでなく、子供を包む愛情ですね」
母親はその言葉に目が覚めるようだった。
「私は対していたのですね。包んでいなかった」
「それが解れば夫婦の問題は二の次です。
夫婦を続けようと別れようと問題ではありません。
夫婦でいる、いないは経済的な問題だと思って下さい。
経済的にやっていけるなら、自分の楽しい方を選んで下さい」

母親は確信した。
亮の症状は消える。
ここに来たのは亮の為ではなく、自分の為だ。
自分達の未来の為に来た。
それまで重くのしかかっていたモノが、急に溶けて軽くなった。
親としてどうあるべきか?
そんな事は気付けば簡単な事だった。
形ではない。包む愛情さえ失わなければ、この先はどうにでもなる。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・82」

2014-01-07 20:18:59 | Weblog



カルテ番号 き・22(7)

菊池亮の眠っている顔を見ながら母親はつぶやくように言った。
「どうすればいいの?あの人と本当の夫婦をやり直すのは難しい」
陽水は優しく言った。
「今私が話した事は親子の基礎です。実際はいろいろなケースがあるわけです。
両親が理想的な夫婦でなければ子供は病気になるわけではありません。
基礎を知り、そこから応用が生まれます。
実際には応用が全てといってもいいでしょう。
基礎を知り応用していかないと、このままでは亮君は厳しい病に進む可能性が大きいのです」

風間陽水の言葉を聞いて、やはりそうか、と思った。
子供の異変に胸騒ぎがしていたのは母としての本能だったかもしれない。
だから病院で検査して何も異常がなかったからといって安心できなかった。
「両親の間から生まれているのですから、重要なのは接点の部分です。
安心できる接点と不安になる接点、どこが違いますか?」
この先生は答えを教えてくれない。
あくまでも自分で気付かせるのが目的の質問のようだ。
「夫婦仲?良い母親と良い父親?」

陽水は言った。
「世の中には片親の親子が沢山います。片親になった事情は様々でしょう。
どちらかが亡くなっている場合、夫婦は不可能ということになります。
あるいは、両親ともいない場合もあるでしょう。
実の母親と実の父親が絶対必要なら、それらの子供たちは絶望です。
ですが、実際は愛情豊かで明るく育ち、人生を楽しむ人達は沢山います。
さて、接点とは何なのでしょう?」


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・81」

2014-01-06 19:20:30 | Weblog



カルテ番号 き・22(6)

母親が首を傾げて黙ったので、陽水は話を変えた。
「家系図の書き方ってありますね。
例えば山田太郎と山田花子の子供を書くとき、どうしますか?」
「両親を横線で結んで、その真ん中から縦線を伸ばして名前を書きます」
「そうですね。では質問を戻します。亮君の元は何処からですか?」
母親はやっと風間陽水の質問が解った。
「両親の間からです」

陽水は静かに言った。
「そうです。母親でも父親でもない、その間から生まれていますね。
自分の土台が不安定だと、どんな気持ちでしょうねぇ」
母親は内心気付いていた。子供が家庭内では物分りが良すぎる。
それは、夫婦の間が良くないからではないかと思っていた。
その事に関しては夫とも話し、子供の前では絶対ケンカをしないと決めていた。
特に仲良くする芝居は出来ないが、何でも無いように振る舞っていた。

「子供に心配させないようにはしてきたつもりです。
夫婦としては破綻していますが、この子が成人するまで離婚もしないと約束しています。
お互いに子供の前では言い争いも陰で悪口も言いません」
母親は弁解しているようで、言いながら空しくなっていった。
「人は言葉も態度も、時には心も作ることができます。芝居ができるのです。
大人になると言葉や態度や行いで判断しますから騙せますが、でも氣だけは嘘をつけません。幼児や子供はそれを感じて判断します」


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・80」

2014-01-05 18:56:40 | Weblog



カルテ番号 き・22(5)

菊池亮はスヤスヤと眠っている。
「苦しい病にするか、元気な子供にするかは、これからなのですよ」
「それは、どういうことでしょう?」
「亮君はどこから生まれたのですか?」
いきなり何という質問をするんだ、この先生は。
「わ、私のお腹からです」
詳しくは違うが、まぁ、話は通るだろう。

「元はどこからお腹に来たのですか?」
「そ、それは・・・夫が・・・」
何を言わしたいんだ、この先生は。
「う~ん・・・では、お母さんの元は?」
「両親からです」
「そうですね。では、同じ質問です。亮君の元は?」
母親はハッとした。そして声が小さくなった。
「両親からです」

「どんな人でも、自分の元、基礎、土台は両親ですね。
では、両親の何処から生まれたのでしょう?」
「それは、母親から」
何の質問だろう。同じようなことばかり。
「肉体的には母親からですが、元は両親ですよね。
両親の何処から?」
この先生の質問が解らなくなってきた。
それに、こんな質問に意味があるのだろうか?


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・79」

2014-01-04 18:54:08 | Weblog



カルテ番号 き・22(4)

風間陽水は母親に質問した。
「お父さんはどうしているのですか?」
この母子から父親の話が一切出てこなかったからだ。
「あの人は家庭に興味が無い人なので・・・」
この言い方から夫婦関係が上手くいってないことが判る。
「この子に熱が出る事は知っているのですね」
「はい。でも私に任すから、と言っただけです」

母親は、あまり夫との関係を話したくなかった。
それは実家にも、他の友達や近所の人にも話したくなかった。
そんなことより、亮のこの症状がどういうものかを知りたかった。
大変な病気になってなければいいが・・・
亮は自分の生き甲斐だし、自分の分身なのだ。

「先生、この子は難しい病気じゃないですよね」
とても気になっているが、願望としては大した事のない症状だと思いたい。
「今は肉体的に異常な部位は無いように感じます」
その言葉が信じられるどうかより、信じたいだけだった。
「よかった。何でもないのですね」
「いえ、何でもなければこんな症状が続きません」
やや厳しい陽水の言葉だった。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・78」

2014-01-03 18:49:18 | Weblog



カルテ番号 き・22(3)

母親は以前に同級生の母親が電話で言っていた氣功で診てくれる話を思い出した。
信用できないとは思うのだけれど、病院に行っても何も変わらない。
医療専門の氣功と言っていたから、霊能者などというよりもマシかもしれない。
何よりも、何かすがりたい気持ちだったのだ。
「あ、この間はごめんなさいね。あの氣功で診てくれるという人の事だけど・・・」
相手の同級生の母親は明るく教えてくれた。

その治療院までは車で1時間くらいの距離だった。
電話で予約をとり、学校が終わってから連れて行くことにした。
菊池亮は母親のする事には素直に従っていた。
病院に行く時も、買い物の付き合いも嫌ということはなかった。
その他の事でも母親と言い争いすらしなかった。
仲が良いというより、亮が母親に気を使うようなところがあった。

氣功の治療院の先生は思ったよりも普通だった。
白衣は着ないで、作務衣を着ていた。
簡単なカルテを書いて、後は手を当てながら母親の話を聞いていた。
菊池亮は、手を当てると5分くらいで眠ってしまった。
神経質ではないが、初めての家ですぐ眠ってしまうような子ではない。
眠っている顔を見ると気持ち良さそうなので安心した。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・77」

2014-01-02 19:30:25 | Weblog



カルテ番号 き・22(2)

いろいろ調べてみると、平熱というのは個人差があり、子供は大人よりも高いのが普通。
小学の低学年では37度は平均とあった。
菊池亮は36度が平熱だったので、他の子供よりも低めだと判った。
微熱の範囲かもしれないが、菊池亮にとって37度後半ははっきりと熱がある。
何らかの疾患がある場合、その他の症状が出てもいいし、疑える検査は全てした。
それでも毎日熱が出る。

学校での様子を同級生の母親を通じて聞いても、学校内ではいつも通りだった。
その同級生の母親が教えてくれた事がある。
「菊池さん、氣功って知ってる?」
「中国でしている体操みたいなのでしょ」
「そうじゃなくて、氣功で診てくれる人がいるのよ」
占い師とか、霊能者とか、お祓い屋とかはウサン臭いので関わりたくなかった。
「私、そういうのは信じないから」
話はそこで終わっていた。

ある夜、眠っていた菊池亮は呻き声を上げてうなされていた。
汗もびっしょりかいている。
熱は高熱ほどではなかったが、睡眠時にしては高かった。
目覚めるわけでもなく、それだけで眠っていた。
母親は朝まで傍についていて、眠れなかったが他の症状はなかった。
朝は平熱で、いつも通りに元気に食べて、元気に登校していった。
何かが変だ。
母親はどうしても気にかかっていた。
そして、一度だけの呻き声は毎夜になっていった。


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