カルテ番号 き・22(6)
母親が首を傾げて黙ったので、陽水は話を変えた。
「家系図の書き方ってありますね。
例えば山田太郎と山田花子の子供を書くとき、どうしますか?」
「両親を横線で結んで、その真ん中から縦線を伸ばして名前を書きます」
「そうですね。では質問を戻します。亮君の元は何処からですか?」
母親はやっと風間陽水の質問が解った。
「両親の間からです」
陽水は静かに言った。
「そうです。母親でも父親でもない、その間から生まれていますね。
自分の土台が不安定だと、どんな気持ちでしょうねぇ」
母親は内心気付いていた。子供が家庭内では物分りが良すぎる。
それは、夫婦の間が良くないからではないかと思っていた。
その事に関しては夫とも話し、子供の前では絶対ケンカをしないと決めていた。
特に仲良くする芝居は出来ないが、何でも無いように振る舞っていた。
「子供に心配させないようにはしてきたつもりです。
夫婦としては破綻していますが、この子が成人するまで離婚もしないと約束しています。
お互いに子供の前では言い争いも陰で悪口も言いません」
母親は弁解しているようで、言いながら空しくなっていった。
「人は言葉も態度も、時には心も作ることができます。芝居ができるのです。
大人になると言葉や態度や行いで判断しますから騙せますが、でも氣だけは嘘をつけません。幼児や子供はそれを感じて判断します」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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