カルテ番号 け・9(6)
理屈は幾らでも作ることができる。
店を譲って張り合いがなくなったのに夫が楽しそうなのが面白くない。
店への執着がとりあえず夫に向かった。
特に自分に向かなくていいが、他の女に優しくするのは許せない。
自分に内緒で、付き合っているのではないか。
今までほぼ一人で苦労してきたのに、夫は他の女性と楽しくやっている。
本当の事などわからないが、とにかく弘子はそう思ったのだ。
思ったとたんに、頭に血が上った。
やや高血圧だった弘子は、その瞬間にめまいを感じた。
その後、ろれつがまわらなくなり病院に行って脳梗塞と診断された。
医者は脳出血になるとこで、出血になれば即手術だったと言った。
だが、左足に後遺症は残った。
夫の手紙を盗み見た事。
そこで血が沸騰した事。
その二つの事は誰にも言えなかった。
夫は気付いていたが、もちろん黙っていた。
落ち着いてみれば、とても恥ずかしい気持ちだった。
自分の生き方として、そんな事をした事が許せない。
見城弘子は正直な胸の内を、12年かかってやっと言えた。
風間陽水は相変わらず、淡々と聞いていた。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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