カルテ番号 き・22(8)
母親としてよりも、世間体の延長で子供を考えていたのかもしれない。
両親がそれらしく振舞っていれば、子供も安心していると思っていた。
い、いや、実は思っていなかったのに、思い込もうとしていた。
間の接点がどんなであれば、子供は安心できるのか?
体裁ではない。
愛情しかないだろう。
「子供に対する愛情ですか?」
陽水は言った。
「う~ん、子供に対するでなく、子供を包む愛情ですね」
母親はその言葉に目が覚めるようだった。
「私は対していたのですね。包んでいなかった」
「それが解れば夫婦の問題は二の次です。
夫婦を続けようと別れようと問題ではありません。
夫婦でいる、いないは経済的な問題だと思って下さい。
経済的にやっていけるなら、自分の楽しい方を選んで下さい」
母親は確信した。
亮の症状は消える。
ここに来たのは亮の為ではなく、自分の為だ。
自分達の未来の為に来た。
それまで重くのしかかっていたモノが、急に溶けて軽くなった。
親としてどうあるべきか?
そんな事は気付けば簡単な事だった。
形ではない。包む愛情さえ失わなければ、この先はどうにでもなる。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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