水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・25」

2013-11-11 18:46:47 | Weblog



カルテ番号 え・3(1)

江崎一成は27歳の時、職場のタクシー会社敷地内で追突された。
仕事は内勤でドライバーではないのだが、ドライバーが休みの車の移動などがある。
珍しい事故だが、いろいろな憶測から故意ではないか、と噂された。
というのも、追突した相手が江崎一成の陰険な性格の上司であり、普段から部下の江崎を憎んでいたのは同僚達が皆知っている事実だったからである。
そして、敷地内では異常な速度で追突したからでもある。
だが、故意ではないと主張すれば、偶然の事故として処理される。

江崎一成は国立大学卒業後、このタクシー会社に就職した。会社のある役員から乞われて来たのだった。
生前の江崎一成の父が会社立ち上げ時に大きく係わり、その役員は恩義を感じていた。
成績も評判もいい息子が地元で就職すると聞き、どうしても入社してほしかったのだ。
江崎は母一人という家庭の事情から、職種にこだわらず地元で働くつもりだったので、ありがたい話です、とすんなり入社したのだった。

入社してからの江崎一成は、役員の後押しなど必要なく仕事が順調だった。
持ち前の明るさと素直さと休まず仕事をこなせるスタミナで社内外の評判も良く、嫌味ない心配りもある実に爽やかな男だった。
男女の区別なく同僚達にも好かれ、よくある嫉妬などの対象外だった。
ただ一人の上司を除いて。


(登場する人物・組織・その他はフィックションです)



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