水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・31」

2013-11-17 19:14:33 | Weblog



カルテ番号 え・3(7)

「この男は弟と似ているのだ。頭も良い。人からも好かれる」
「血筋が繋がっているから似るでしょうね」
「もう一人の男はワシに似ていた」
上司の事だろう。上司も遠い親戚らしいから。
「入るのは簡単だった。あの上司も嫉妬があったのだよ」
「まぁ、人は往々にして出来の良い人物に嫉妬するからね。それ普通ですね」
陽水は霊が相手でも普通に話している。こんな仕事をしているとあるのだ。
それに陽水の母方の祖母は、いわゆる霊能者だった。小さい頃から霊が話す事を何度も聞かされていたから違和感は少ない。

霊が納得するまで話しを続ける人もいるが陽水は違う。
生きている人と同じ扱いだ。面白ければ話すが、つまらなければ切り上げる。
「それで気が済んだ?」
「いいや、苦しいままだ。だから今度はこの男に取りついた」
どんなに性格が明るくても、肉体の苦痛が続けば心は暗くなる。
そこに付け込めば同じ血筋系統なら入りやすいだろう。
上司に入って加害者になり、次に被害者に入ったわけだ。

「相手を変えても苦しさは変わらないでしょ」
「あぁ、苦しいままだ」
「楽になりたい?」
「なりたい」
「何とかしましょ」
陽水は少しだけイメージの光を強くして送った。
「わるかったな」
それが最後の言葉だった。


(登場する人物・組織・その他はフィックションです)



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