水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・23」

2013-11-09 18:42:02 | Weblog



カルテ番号 う・11(3)

風間陽水は重病な人を相手にする。そういう人は、群馬県の最北に来院するのは往復の体力気力が削がれてしまう。だから出張治療が多い。
陽水の身体一つあれば、どんな僻地でも地の果てでも治療はできる。
上原真理からの問い合わせのメールでも、動くのが困難なら出張しますと伝えた。
困難でも行ってみたいという意向の人は、それなりの理由があるものだ。
上原真理は同じ関東とはいえ簡単に行けないので、一日治療を希望した。

休み休みで母親の運転する車が治療院に着いたのは、自宅を出て5時間かかった。
その夜は近くの温泉に宿をとって、次ぐ日はゆっくり帰るという。
「先生、私にとってここまで来るのは一大イベントなんです。着いただけで目的の半分は達成できたわ」
上原真理は笑顔でそういった。
治療時間は休憩を入れて5時間半。その間母親は近郊をドライブしているという。
一人でドライブするのが好きだから、母親にとってもここまで来るのは気晴らしになるらしい。

陽水の治療は患者がどんな格好をしてもかまわないし、勝手に動いてもかまわない。
一番楽な姿勢でいいし、話しながらでもいいので上原真理にとっては居心地がよかった。
そして、遠くまで来た解放感と陽水への安心感からか、今まで誰にも話さなかった思いが自然と口に出た。
社会的には特に問題の無い子供時代と家族環境だったが、人の心の中は様々なモノが複雑に絡み合う。心はその人独自の感じ方、受け止め方、抑え方で出来ていて、解放すると消えてしまう仕組みだ。


(登場する人物・組織・その他はフィックションです)


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