水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・28」

2013-11-14 19:18:07 | Weblog



カルテ番号 え・3(4)

ある日風間陽水が予約も予定も無く、車で30分ほどの日帰り温泉から帰ってきたら、治療院の玄関に女の人がいた。
「あの~、何か御用ですか?」
「ここの先生ですか」
「はぁ、いちおう」
「ぜひ、息子を診て下さい」

陽水は、こういうやり取りには慣れている。
こんな山の中の気功治療院に来るのは、よほどのモノ好きか、かなり切羽詰まっている人達だ。
「ちらかったままですが、どうぞぉ」
特に作るわけではないが、意識してゆっくり話す。もう治療は始まっているのだ。
ご婦人は車の中にいた息子さんを連れ出してきた。
その様子、歩き方、二人の動作を見るのは一瞬だけだ。そして分析はしない。

来る人は話したい事が山のようにある。ただ聞いていては何時間もかかる。
名前、住所を書いてもらい、簡単な質問をカルテ用紙に記入して早速始める。
「治療しながら話して結構ですから、とにかくやりましょう」
本人はほとんど話さない。言葉がうまくまとまらないのだ。
代わりに母親が今までのいきさつを話してくれた。そして・・・
「あの上司は我が家の遠い親せき筋ですわ。何でも明治の始め頃諍いがあったらしく、疎遠のままですが。まるで一成が復讐されたような気がしてなりません」

陽水はいきさつや原因など深く係わらない。相手が話したいだろうから聞いているだけだ。
原因を解明しなくても回復はする。というより、原因から回復する方法は欠点も多い。
原因を突き止めなくては治療できないと思い込む医師や治療者も多い。
原因は過去のものだ。過去に遡らなくても明るい未来へは進める。
原因にこだわり、回復する未来にすすめなくなる弊害の方が大きいかもしれない。


(登場する人物・組織・その他はフィックションです)


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