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実は、拙者は。

2024-09-10 17:09:28 | 

 著者・白蔵盈太氏の著書は『関ケ原よりも熱く 天下分け目の小牧・長久手』を読んだ事があり、人間観察力の高い面白い歴史小説でした。本書は時代小説ですが、これまた傑作でした。長屋に暮らす俸手振りの八五郎が袖振り合わす人たちが書名の通り、「実は、拙者は」と語る如く、別の顔を持っており、ある事件の解決に知らぬ間に手を貸す形に、八五郎が持って行ってしまう物語の展開に驚きました。そういう八五郎もあまりにも影の薄い存在を買われて、「実は、拙者」の立場を持っているのだから、江戸の下町の人々は要警戒ですが。

 読むにつけて、これは落語になるかもと~。意外な展開は笑いを呼びそうです。

『実は、拙者は。」(白蔵盈太著、双葉文庫、本体価格690円、税込価格759円)

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