潜在意識と顕在意識に関しては、海に浮かぶ氷山の絵で表現されるのが印象的で、現実に思うことや発言することが潜在意識に入っていくところまでは理解できても、その実像はよくわからないままでした。しかし、本書を読んで、霧が晴れました。
自己実現を成し遂げている人々は潜在意識の存在を理解し、習慣化した行動や考え方がそれを活用していることはなんとなくわかるものの、その実態は何か?について、次のように明解に書かれています。潜在意識とは、
「エネルギー」であり、「知識の貯蔵庫」
であるということ。500人に1人しか完治しないサルコーマ病に冒されていたジョセフ・マーフィー(マーフィーの法則を生み出した)が必ず治してくれる医者がいると信じ、行ったことが、「本を読み、人の話を聞き、治療の道を探した」こと。これこそが潜在意識を発揮させるポイントだと著者は断言します。
企業経営において、ミッション、ビジョン、ゴール(目標と期限)を設定するように、個人においても、同じように行うことを奨められています。こう考えるのは企業人としては、非常にわかりやすい。つまり、「心に強く願い、揺るぎない計画を立て、実行すること」であり、「現実は頭の中のイメージ以上の結果にはならない」ことから、高い目標を設定し、それに邁進することに集中すれば、いわゆるゾーンやフローの状態になるでしょう。さらに、ものごとを多方面から客観的に観察できる「鳥の目」を持つことの重要性を伝えてくれています。そのためにも、さまざまな考え方を勉強しなければなりません。
人間関係においては、「同じ波長で振動しているものに同調する」共鳴の法則から、できるだけ知性を高めること、すなわち学びの大切さを教えてくれます。また、お金に関しても、自らのミッションに照らして、稼ぎ、使えということに大きな学びがありました。「少ないモノで暮らす」ことが流行していることも関連しますね。自分がぶれるから、安価に魅かれ、多くのモノに囲まれるのですね。
最後に、アファメーションについても言及されていますが、いかにプラス思考な己に変われるかが重要であり、プラスの言葉は潜在意識を強化し、自らの夢実現のバックアップになります。
こうして、潜在意識とは何かを考えると、人間、いかに生きるかの答えであり、本書を単純に自己啓発書だけに位置付けるのは誤りですね。当店での棚展開でも考え直さなければなりません。
『潜在意識を使いこなす人 ムダにする人 - 自己実現するための51のガイド』(井上裕之著、フォレスト出版、本体価格1,400円)
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