業界を一刀両断で斬り捌き、見えない課題も水面に浮上させてくれています。
この業界は「逆U字型」です。出版社と書店は規模が小さく、その中を取り持つ取次が大きい。だからこそ、業界を変革する力を発揮してほしいのは取次だと思っています。本書でも取次からのコメントが出てこなかったのは遺憾でしかありません。業界の未来予想図をぶち上げてくれれば、末端の街の書店主にも希望が持てる。正味改定やロングセラー商品の買切など、すぐに着手しないと、2028年という期限が前倒しになります。
書店も他力本願ではなく、自力で復活への道を歩まなければなりません。現状では本だけ販売していても泥沼へ沈下していくだけ。危機を好機に診ないといけません。「イノベーションの端緒は『危機』だ」という言葉は真実でしょう。自らの長所を伸ばす思いで、2029年も笑顔で店頭に立てるように。
『2028年 街から書店が消える日 本屋再生!識者30人からのメッセージ』(小島俊一著、プレジデント、本体価格1,700円、税込価格1,870円)
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