語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】受けるよりは与える方が幸い

2018年10月26日 | ●佐藤優
 <わたしは、人の金や銀や衣服をほしがったことはない。あなたがた自身が知っているとおり、わたしのこの両手は、自分の生活のためにも、また一緒にいた人たちのためにも、働いてきたのだ。わたしは、あなたがたもこのように働いて、弱い者を助けなければならないこと、また「受けるよりは与える方が、さいわいである」と言われた主イエスの言葉を記憶しているべきであることを、万事について教え示したのである。 --「使徒行伝」20章33-35節

 ここでパウロは、イエスが、「受けるよりは与える方が、さいわいである」と言ったという話をしているが、福音書にはイエスがこのような発言をしたという証拠はない。しかし、この言葉はキリスト教徒の人生観を端的に示している。
 他人に何かを与えられるようになるためには、それに値するものを自分が持っていなくてはならない。パウロはキリスト教徒に、できるだけ努力して、他人に与えることができるものを作り出せと指示している。能力があるのにそれを活用しない怠惰な者をパウロは嫌う。なぜならば、各人の能力は神から与えられたものであり、それを十分に活用していないということは、罪だからである。
 神から与えられたものをわれわれは神に返さなくてはならない。それは、隣人に対して、神から受けたものを与えることによって実現される。隣人を自分のように愛せという教えを実践することも、それが神の意に適うからだ。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「受けるよりは与える方が幸い」を引用

 【参考】
【佐藤優】秤(はかり)のたとえ
【佐藤優】愚かな者になれ
【佐藤優】汚れたものとは
【佐藤優】劣った部分を尊ぶ
【佐藤優】知恵を誇るな
【佐藤優】偉くなりたい者は
【佐藤優】天国でいちばん偉い者
【佐藤優】どこまで罪を赦すか
【佐藤優】命を得るために
【佐藤優】預言者を敬わない人
【佐藤優】サマリヤの女
【佐藤優】新しいぶどう酒は
【佐藤優】返礼を求めるな
【佐藤優】金持ちへの警告
【佐藤優】ふたりの主人
【佐藤優】宝は天に蓄えよ
【佐藤優】罪のない者は誰か
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~


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