島原半島博物日誌

島原にある某施設のスタッフが綴る非公認・非公式の個人ブログです。

ジオツアー報告

2008-07-29 19:59:11 | イベント
さあ、先日の親子バスハイキングの報告です。
今回集まった参加者のみなさんは島原半島在住の方達ばかりでした。
「ジオパーク」の認定を目指す立場としては、地元の方に知っていただく絶好の機会です。
まずは40分程度の事前学習を行い、これから観察に行く場所の基礎知識を学びました。
その後トイレ休憩を挟み、バスへ乗り込み「いざ、出発!」
最初は車中から深江断層と布津断層を観察しました。
似たような地形が二つつながり、段々の地形になっていることが分かりました。
次に到着したのが西有家の「龍石」です。

ここには「不整合面」があり、先生が指示棒で指してるところが境界線になっています。
境界線の下がまだ雲仙火山が出来ていない頃の地層で、海の底で土砂が堆積した地層です。
境界線より上が雲仙火山が誕生し、土石流が流れて堆積した地層になります。
写真で見て分かるように色も違えば、地層を構成している土砂の中身も違いました。

続いて到着した場所は南有馬の「原城跡」です。
ここでは阿蘇山が噴火した時に流れてきた火砕流の堆積物が見られます。
護岸工事が行われ、近くで観察することは出来ませんでした。

昼食を口之津港の近くにある公園ですませ、早崎海岸へやってきました。
ここには島原半島が始まった当初に流れ出た溶岩があります。
普賢岳や平成新山といった島原半島でも新しい火山はデイサイトと呼ばれる岩石が主ですが、ここでは玄武岩を見ることが出来ます。
島原半島の始まりは玄武岩の溶岩からだったのです。

玄武岩を採取した後は国崎半島へむかいました。
ここでは早崎海岸で採取した真っ黒な玄武岩と違い、灰色の安山岩を採取しました。
雲仙の火山は、玄武岩の流出が終わった後にこの安山岩の流出が始まったそうです。
最後に車中から諏訪の池断層を観察し、センターへの帰路につきました。
流石に皆さん疲れており、帰りの車中は寝息が包んでいました。
参加したみなさん、暑いなか本当にお疲れさまでした。
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