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島原半島博物日誌

島原にある某施設のスタッフが綴る非公認・非公式の個人ブログです。

ヤマボウシの裏の話

2021-06-11 10:18:39 | 植物
21.6.11(金) 天気;曇り 気温;21℃
 昨日「しばらくお休みします」と更新したにも関わらず、話のネタができたので更新します。(舌の根も乾かないうちに)
 昨日の午後に「眉山に登ってきた」と知り合いが訪ねてきました。 その話の中で「登山中にヤマボウシが見えなかった」と言っていました。
 眉山にも数は少ないですがヤマボウシがあります。表紙の写真に写っている山の斜面の白い点々がヤマボウシです。外から見るとはっきりと分かるのですが、これが下から見上げると分からなくなります。 試しに園内にあるヤマボウシを下から撮影してきました。

 距離が近いので分からないほどではありませんが、見難くなります。 実際の自然にあるヤマボウシは高さ5〜10mになるのでもっと分からなくなります。一番目立つ白い総苞片が上向きに広がるので、下からでは見えにくいのです。 また「白い」ってのもポイントの一つで、光源のある方向の白いものは光の加減上見えにくくなります。 青魚の背が青く腹が白い理由と同じです。(上空からの鳥には海の色と同化して見難く、深い所にいる捕食者の大型魚には光と同化して見難い。)
 ヤマボウシを楽しむためには外から見るか、山に登って高いところから見下ろすのが一番です。 この話は雲仙でヤマボウシ観察会をやっている時に思いつきました。
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テイカカズラ

2021-06-02 13:58:37 | 植物
21.6.2(水) 天気;曇り 気温;23℃
 特徴のある花なので調べるのは難しくありませんでした。
 山野に生える常緑のつる性木本、キョウチクトウ科の「テイカカズラ(定家葛)」です。
 富士山の登山口にありました。
「北国から上京してきた僧が雨宿りしている。そこへ女が現れ、『ここは藤原定家卿の建てた時雨亭(しぐれのちん)である』と伝え、式子内親王(しょくしないしんのう)の墓へ案内する。墓石には定家葛が絡みついている。女は『定家卿は死後も葛(カズラ)になってまとわりついている。回向(えこう;死者のために仏事を営み、冥福を祈ること)して2人を解き放してくれるように』と頼む。そして、自分は内親王の霊であることを明かして消える。」
 謡曲に謳われたテイカカズラの由来です。
 しまった! うろ覚えだったので男女逆に解説しちまった。あとで訂正しとかな。
 5〜6月に咲く白い花は、初め白色だがやがて淡黄色に変わり、良い香りがします。
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ウツギ

2021-05-22 14:10:46 | 植物
21.5.22(土) 天気;曇り 気温;18.5℃
 天気は悪くないので、ぼちぼち人が登ってきます。

 園内の「ウツギ」が咲いています。 ここ最近の荒れた天気で散らされましたが。
 ウツギは山野の道端や伐採地など、日当たりの良いところに生えるユキノシタ科の落葉低木です。 月初めに「マルバウツギ」を紹介しましたが、遅れて咲き始めました。
 空木という意味で、幹の中心が中空(空っぽ)であることから名付けられました。 古くから「ウノハナ」の名前で親しまれていますが、ウツギ花が略されたものです。 別の説に卯月(旧暦四月)に咲くからとも言われています。
 マルバウツギの花は上向きに咲き、花弁は平開(へいかい;平に開く)しますが、ウツギの花は下向きに咲き、あまり開きません。
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不思議な植物のメカニズム(解答求む)

2021-05-16 11:22:21 | 植物
21.5.16(日) 天気;曇り 気温;22℃
梅雨入りして早々、蒸し暑くなりました。

先日、雲仙での会議で「ヤマボウシが咲き始めている」との情報を聞き、「いくらなんでも早すぎだろう」と思っていました。
例年ならばミヤマキリシマの終わる5月下旬から確認し始め、情報発信は早くても6月上旬からだからです。
例外的に、街路に植栽されている園芸品種は先行して咲き始めます。
それでも5月中旬は早すぎます。
と思っていると、例年にない梅雨入りの早さ!
ヤマボウシはどうして雨の季節が来ることが分かったのだろう?
例えば農業では、気温や日照時間を操作することで開花や結実の時期をコントロールします。
暖かくなるのが早かったから早く咲き始めた・・・梅雨が来ることの関係性が見出せませんね?
また梅雨の雨は前線によるものだから、前線が南下するか北上するかはそれこそ風まかせ、誰にも分かりません。
にも関わらず、ちゃんと梅雨入り前から咲き始めた・・・。
どんなメカニズムなんでしょうね。
(ん? 九州が梅雨入りってことは沖縄は梅雨明け?)
※表紙の写真はセンターの植栽されたヤマボウシです。
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マルバウツギ

2021-05-02 11:28:39 | 植物
21.5.2(日) 天気;曇り後晴れ 気温;12℃
季節が一ヶ月くらい巻き戻った感じです。
低気圧が通過する際に、北から寒気を引っ張って来たみたいです。
羽織るものがないと寒いですよ。

この時期に白い花を咲かせる樹木は数が多くて見分けに苦労します。
前回眉山に登った時は「ハイノキ」でしたし、今眉山ロード沿いに咲いているのは「ノイバラ」です。
そして園内に咲いている上の植物は「マルバウツギ」です。
山地の日当たりの良い場所に咲くユキノシタ科の落葉低木です。
「円葉ウツギの意味で、葉の形がウツギよりも丸いことから」名付けられたようですが、単独で見る分には丸く見えません。
あくまでも「ウツギに比べて丸い」ということだそうです。
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イロハモミジ(花)21

2021-04-12 13:18:51 | 植物
21.4.12(月) 天気;曇り 気温;19℃
現時点では曇っていますが、天気予報ではこれから雨になるようです。
午前中、のぼりや立て看板を表に出していましたが、降り始める前に片付けました。

これまた目立たずにひっそりと咲いていました。
「イロハモミジ」の花です。
紅葉や翼の生えた実は有名ですが、花を初めて見る方もいらっしゃるのではないでしょうか。
あまりに目立たないので、私も見るのは2、3度目です。
山地に生え、庭などにもよく植えられているカエデ科の落葉高木です。
“モミジ”と言えば、普通このイロハモミジを指すことが多いです。
花期は4〜5月、枝先に暗赤色の小さな花が十数個ずつ垂れ下がって咲きます。
現在の図鑑では「イロハモミジ」で掲載されていますが、牧野図鑑を見ると「タカオカエデ」の名前で載っています。
「タカオカエデ」? 初耳。
「紅葉の名所として昔から知られる京都の高雄山にちなむ。」東京の高尾山でもないのか!
「カエデ」は蛙手の意味で葉の形からきました。
イロハは7裂する葉の裂片を「いろはにほへと」と七つ数えることからつきました。
画像をよく見ると(小さくて見にくいと思いますが)、虫がくっついています。
花の蜜に寄せられて、受粉のお手伝いをするのでしょう。
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コマユミ21

2021-04-09 13:06:47 | 植物
21.4.9(金) 天気;晴れ 気温;15℃
園内の「コマユミ」が咲いていました。
花は小さく、葉っぱと同じ色をしているので見つけにくいです。
写真の真ん中に花が写っているのが分かりますか?
山野に生えるニシキギ科の落葉小低木です。
手持ちの図鑑では、「ニシキギ」の項目の最後の一行に名前が出てくるくらいで詳しくは書いていません。
植物で困った時は“牧野富太郎の図鑑〜!”(ドラえもん風)
別項目できちんと記載されていますが・・・、分かることは「日本名が小型のマユミの意味」って事ぐらい。
秋の赤い実と紅葉が綺麗です。
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クマイチゴ21

2021-04-08 12:22:50 | 植物
21.4.8(木) 天気;曇り 気温;13℃
どんよりと曇っているというよりも薄曇りって感じです。

園内のクマイチゴが咲き始めています。
クマイチゴは、山地の日当たりの良い林の縁などに生えるバラ科の落葉低木です。
いわゆるキイチゴの仲間です。
キイチゴの「キ」は木本の「木」で、大きく成長すると本当に木みたい木質化します。
特にクマイチゴはキイチゴの中でも最も大きく、荒々しい姿をしています。
バラ科の特徴でもある棘も鋭く、この群落の中には間違っても迷い込みたくありません。
無傷ですまないことはもちろん、棘があらゆる所に引っかかって身動きが取れなくなるでしょう。
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ナガバモミジイチゴ21

2021-03-24 14:06:28 | 植物
21.3.24(水) 天気;晴れ 気温;11℃
月曜日の寒さが嘘のようです。
これから週明けにかけて4月下旬から5月並みの気温になるそうです。

1日あいだを空けただけなのですが、園内にはタチツボスミレやムラサキケマンなど春の植物が咲きはじめました。
下の写真は「ナガバモミジイチゴ」(2008年4月10日の記事で紹介済み)です。

以前からシジュウカラ・ホオジロ、そしてウグイスが囀っていますが、最近ヤブサメと今朝ソウシチョウの鳴き声を聞きました。
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シキミ21

2021-03-19 13:59:22 | 植物
21.3.19(金) 天気;曇り 気温;13℃
今は垂木台地にいますが、朝からは久しぶりに雲仙勤務でした。
在住ではあるのですが、日中はほとんど雲仙にいないので(いても部屋に籠ってます)いつの間にか咲いていた「シキミ」にびっくりです。
2012年4月27日の記事で紹介済みです。
寺院や墓地に植えられているので珍しくもない植物なのですが、垂木台地では見ない植物です。
元はモクレン科に属していましたが、シキミ科という独自の科になった後、現在のAPG分類体系では「マツブサ科」に分類されます。
昔は見た目や形(形態)によって分類していたが、科学が進歩した現代では遺伝子の解析によって分類されるようになった。
ただし遺伝子解析技術も日進月歩のため、こうした変遷をたどる事になります。
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