「攻殻機動隊」をハリウッドで映画化。主演の「少佐」をスカーレット・ヨハンソン、公安9課の荒巻をビートたけし……攻殻オタクが夢想するキャスティングが実現しまくっている。
もちろん攻殻機動隊ファンは狭量だから(笑)、おれの考えるキャストと全然違う!と怒っている人もたくさんいるでしょう。でも器として一級品をそろえたことは確か。配給もパラマウントだし、“なんちゃってハリウッド映画化”とは違い、本気モード。
人間のパーツが機械(→義体)に次第に取って代わられていく過渡期の時代。精神、というかアイデンティティー(→ゴースト)はどうなるのか……士郎正宗の原作や押井守をはじめとしたアニメ作家たちの脚色に意外なほど忠実で、あのアニメの“決め”のシーンもたっぷり実写化してある。光学迷彩がきっちり描かれているのはやはりうれしい。
ブレードランナーよりもよほどディストピアな世界で、幸福そうな人物はひとりも登場しない。最後の浪花節は必須だったでしょう。これまた怒る観客もいただろうけれども、わたしは満足。
読者のアドバイスにしたがって吹替版にしたのも正解だった。眼をつぶれば完全に攻殻の新作なの。オリジナルキャスト勢揃い。トグサは山寺宏一だしバトーが大塚明夫、そして田中敦子さんのあの声で「イシカワ!」が聴けたのがうれしくてうれしくて。
日本の核弾頭、桃井かおりがとても重要な役で登場。おかしかったのが福島リラ。まるで福島リラのようなゲイシャロボだなあと思ったらやっぱり彼女でした(笑)。役はred robed geisha robot……シャア専用かよ。
エンディングテーマが川井憲次でプロダクションIGの石川光久もかんでいる。見終わってしばらくたってから幸福感がじわじわと。だいたいね、よく考えたらスカーレット・ヨハンソンはほぼ全裸で出ずっぱり。ありがたい話ですほんとに。
刑事ドラマのフォーマットをギリギリで守ってくれたのだから、できれば「inner universe」をテーマに選んで全世界にあの名曲をかましてほしかったけどね。マニア話でどうもすみませんでした。
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SACのオリガの歌も入れた方が良いですねー、タイトルの入り方なんか まんまinnocenceでしたもんね( ; ; )でもストーリーはまだまだ色々有りますから、何とか続編を望みたいですね^_^
チョイと手探り状態だったからもう少し振れずにやれたら 良い感じに出来たかもね(^_^;)
続編と言えば、ジャックリーチャーもまずまずでしたね これも更にシリーズ化して欲しいし、デンゼル ワシントンのイコライザーもお願いしたいです(≧∇≦)
ってほとんど自殺じゃないかと思ってたんですけど、
ここまで来ると、ああそれもありかなと(笑)。
吹替版は正解だけど、桃井かおりだけが本人
じゃないのは違和感(^_^;)