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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「浄土の帝」 安部龍太郎著 角川文庫

2012-03-30 | 本と雑誌

Takedajoimg01 わたし、中学を卒業して以来、「日本史」をまともに学んだことがない。高校は理系だったし(笑)、大学は英文。かすりもしていない。未履修じゃないっすか。違うか。

だから城マニアの読者が送ってくれた、この日本のマチュピチュみたいな画像に、いったいどんな歴史的背景があるのかさっぱり。あなた、ここがどこだかわかります?(正解は最後に)

系統立てて日本史を学習していないものだから、歴史認識で思いっきり間違っているんじゃないかといつもびくびくです。特にこの「浄土の帝」のような作品を読むと。

主人公は後白河法皇。脇役に崇徳院、平清盛、信西。舞台は保元・平治の乱。そりゃ、どれも名前を聞いたことはあっても、はて内実は……

この書で後白河は

「天皇になるなど思いもよらない」

「白拍子狂いの(つまりサブカル好きな)」

「しかしあまねく臣民に浄土を提供したい」

人間として描かれる。

保元・平治の乱は、みずからの意とは別のことで起こった騒動で、後白河は傍観者だと。

そうだろうか。

アウトラインとしてふたつの乱は、武家政治の伸長をうながしたことで歴史に名を残している。しかしいろんな連中の動きを見ると、後白河の意向がなにより優先されていたとしか思えないし、むき出しの権力欲がなければ、平将門とならぶ日本の怨霊王、崇徳院の恨みが理解できないではないか。

もうひとつわからないのは、史上最大の芸術支援者らしい後白河の側面がまったく伝わらないのだ。これってやっぱりわたしが日本史を知らないからなのかなあ。

※クイズの正解は「竹田城」in兵庫県朝来市。知らなかったなーこんな奇観。なんでも、勉強です。

浄土の帝 (角川文庫) 浄土の帝 (角川文庫)
価格:¥ 820(税込)
発売日:2008-12-25

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