前作の高田美和につづき、お姫さま役は藤村志保。
この人は本当に不思議な女優で、顔の造作に派手さはないものの、楚々とした風情とか、品の良さが、加齢してもまったく減じないのだ。私生活を感じさせない、というか。
NHK大河ドラマ「太平記」における足利尊氏の母親役はその代表。風情そのものがユーモアになっている。緒形拳とのからみはおみごとでした。
逆に言うと、若いころに主演したこの「大魔神怒る」でも、本来はお姫さまの無邪気な自己犠牲精神が魔神を覚醒させるルールなのに、どこかクールな感じすら(笑)。にしても、大映が女優王国であったことをこの人はつくづく感じさせてくれる。陰影豊かな画像が彼女たちをますます美しく見せてもくれたのだ。
第三作「大魔神逆襲」につづく。