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YouTube: Kansas - Dust In the Wind
『内外教育』紙でもっとも面白く、ためになる連載はなんといっても「モンスター・ペアレント論を超えて」。阪大大学院教授の小野田正利氏が精力的に書き続けている。近ごろは大阪の教育改革への疑念をあからさまにしているのでなお注目。2月28日号では、大阪の現状をまず説明する。
・就学援助の該当率は政令市のなかで大阪市が1位(33.8%)、都道府県のなかでは大阪府が1位(24.67%)……全国平均は13.74%(07年度)
・母子家庭率は1/3でダントツ。
・その家庭の平均収入は213万円で一般世帯の1/3。
……この状況下、学力テストの成績は下位に甘んじているが、それでも教職員のふんばりでまだこの程度ですんでいると考えることもできる、と。そこへ橋下市長の罵倒の集中砲火があって大阪の教育はどうなるのかと小野田教授は危惧している。
現実に、大阪から若い教師が“逃散”し始めているのだとか。加えて若年退職も増えている。教授の考える負のスパイラルとはこうだ。
1.若い教員の大阪への就職拒否
2.非常勤講師の多用による混乱
3.現職教員のモチベーション低下
4.アイデンティティの喪失から早期離職
5.深刻な教員不足
6.教員採用基準の低下
7.さらなる給与の値下げ
8.優秀な教員確保が絶望的に
9.保護者や子どものいら立ちが学校へ
10.教員のなり手がさらに激減
……多分に可能性の大きな想定だと思う。特に早期離職は現在進行形。維新の会が次々にぶちあげる“アイデア”に熱狂する向きも多いようだ。しかし、指さす“敵”をいっしょになって指弾しているうちに、みずからが大きな不利益をこうむることは、小泉改革とやらで若年層はすでに経験済みではなかったのか。
※この連載はなおも勘所をついており、維新の会には教育目標についての具体的な創造力もなく、情実的な(つまりコネだ)幹部登用への道を拓いているだけ、という指摘まで。
卒業式で職員が君が代を“ちゃんと歌っているか”チェックした管理職のニュースなどで痛感する。大阪、すでにひどくなってる。
本日の一曲で少し心を静めましょう。カンザスの「すべては風の中に」Dust in the Wind。そうさすべてはみんな風の中の塵。